2020年7月26日、デジタルハリウッドSTUDIO主催のオンラインイベント「Web業界のミライ予想図」の第3弾が開催されました。
「アフターコロナ」と呼ばれる時代が到来し、これまでの働き方にとらわれず、新たにキャリアチェンジを考える人も多いなか、注目が高まるWeb業界の今と未来を現役Webデザイナーたちが「本音トーク」として、3週に渡って語り合う本イベント。
第3弾のテーマは「アフターコロナでも働ける!スキルで未来を開くキャリア」として、デジタルハリウッド講師進行のもと、卒業生3名への質問形式のトークセッションが行われました。
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想像とのギャップ!? リアルなWebデザイナーの世界とは
イベントの主催は社会人向けにWebデザイナーやネット動画クリエイター育成を行うスクール「デジタルハリウッドSTUDIO(以下、デジハリ)」。多くの卒業生がWeb業界の第一線で活躍している、Web業界の登竜門的なスクールです。
今回はデジハリを卒業し、キャリアアップを重ねながら現在大きな仕事を手掛けている豪華なメンバーが集結。アフターコロナの時代にキャリアを切り拓いていくためのスキルについて、それぞれの経験談をもとに語られました。
パネラーとして登壇したのは、以下の3名です。
■川端沙由里さん
株式会社ヴァージニア デザイナー
百貨店の接客販売から事務職に転職し、デジハリに通学。卒業後広告制作会社へ入り、アシスタントデザイナーとして約1年経験。そこからさらに転職し、現在は美容医療法人のハウスエージェンシーとして活動中。
■左海彩香さん
オイシックス・ラ・大地株式会社 デザイナー
新卒で情報通信業の法人営業を担当。toC向けサービスを展開する子会社に出向したのをきっかけにWebに興味を持ち、デジハリSTUDIOに入学。卒業後はWeb制作会社に転職。さらに現在は食品宅配の「Oisix」に再転職し、Webデザイナーとして活動している。
■築地海露穂さん
新卒でメーカーの人事部に就職するも、仕事を楽しめずECサイト運営企業に転職。そこでコピーライターやWebデザイナー、Webディレクターの業務を経験。フリーランスの時期を経て現在は、Fintechサービス運営企業のUIデザイナーとして従事しつつ、フリーランスとしての制作も受注している。
また、ナビゲーターはデジハリ講師で、現在は上場企業などの案件に多く携わっている山野良介さんが務めました。
まず登壇者紹介時に披露されたのは、それぞれの人生グラフ。現在華々しい活躍をしている現役デザイナーも、これまでさまざまな経験をしてきたことが共有されたうえで、デジハリ卒業後の第一キャリアについて話が展開されました。
卒業後の環境は3人3様。川端さんが、アートディレクターの下でアシスタントにつき、デザイン業務の流れを教えてもらいながらデザインの基礎を身に付けられたというのに対し、左海さんは、Web制作会社で最初からデザイナーが自分しか居ないポジションに。誰にも教えてもらえないなか、試行錯誤して仕事やり方を学んだそうです。また築地さんは自社のアプリやサイトのUIを改善する仕事に。他部署の人たちとチームを組んで働く職場だったと、仕事内容やポジションはさまざまであることがわかりました。
「Webデザイナーという仕事に対して抱いていた想像や期待と、実際に働いてみたときのギャップはあった?」という問いに対しては、全員が「Yes」と回答。その理由としては、
- ただデザインを作るのではなく、仕事としてクライアントの意図を形にしたり、スピード感をもって進めたりするためには、実務スキルが必要だった。
- 自分のデザインがすぐ反映すると思っていたが、実際には多くの人たちとの調整が必要で、すごく時間がかかるものだった。
などが挙げられました。
実務経験を活かして再就職し、キャリアアップ!
デジハリを卒業してWeb業界に入ってからも転職でキャリアアップを実現している登壇者の3人。後半は、どのようにキャリアアップを図り、どんな変化があったのかという具体的なエピソードが紹介されました。
広告制作会社からハウスエージェンシーに転職した川端さんは、前職時はグラフィックやWebの仕事が多かったけれど、転職してからは雑誌広告やインスタ、UI改善など、デザインの幅が広がったそう。業界が変わってできることが増え、趣味で行っていたイラスト制作も仕事でやらせてもらえるようになって楽しいと語りました。
制作会社からインハウスのデザイナーになった左海さんは、転職した動機について、「制作会社では納品後、作ったページにどのくらいのアクセスがあるのかわからなかったから」と話しました。現在はデザインに加え、マーケティングやコーディング、ライティングのスキルも身につけているようで、「どれくらいの人が購入し、どれくらい使い続けているのか」という数字を見てデザインを作っていると明かしました。
幅が広がったという前の2人に対し、「専門が絞られた」と答えたのが、現在UIデザイナーとして活動している築地さん。「Webデザイナーはさまざまなことに携わるけれど、UIデザイナーは専門性が深くなる」と、両者の違いについて触れていました。
キャリアアップについては、デジハリには卒業後も使えるキャリアサポートのさまざまな仕組みがあることも紹介されました。
左海さんが参加して「企業が求めていることを知るいい機会になった」と感じたという採用マッチングイベント「クリエイターズオーディション」をはじめ、デジハリ生のフリーランスで構成されるランサーユニットや、人脈も経験スキルも広がるワークショップ型の企業ゼミ、個別の進路面談が受けられる制度など。
進行役である山野さんも、「デジハリの転職に対する手厚さはすごい。デジハリの卒業生はある程度のレベルがあるとわかるから信頼できると外部の方から言われたことがある」と言葉を添えていました。
Web業界の仕事、こまかな違いをチェック
最後に、登壇者が在学中に作った作品が披露された後は質疑応答タイム。Web業界への転職を考えるときに疑問がわきやすい、仕事のこまかな違いについての質問が投げかけられ、時間の限り回答が行われました。
例えば、「制作会社と広告会社は何が違うのですか?」という質問に対しては、それぞれの経験者である川端さんと左海さんが解説。
クライアントのコーポレートサイトやバナー、広告媒体など、制作物を請け負うのが制作会社であり、企画から考え、代理店も巻き込んで広告を作るのが広告会社であるとのことでした。
また、「ディレクターの種類と仕事の内容について」は山野さんが回答。
ディレクター職として、Webプロデューサー、プロジェクトマネージャー、プロダクトマネージャーなどの仕事があり、こういう人たちをまとめてディレクターと呼びます。会社によって名前が違い、プロデューサーやマネージャーと呼ぶこともあるそう。
いつまでに作るのかという“when”にコミットし、期間をマネジメントするのがプロジェクトマネージャー。それに対し、何を作るのか、なぜ作るのかという“what”と“why”にコミットして、デザイナーやエンジニアに指示を出すのがプロダクトマネージャーの役割ということです。
「インハウスになるとWebだけでなく、グラフィックも必要だと思いますが、転職前にグラフィックの勉強もされましたか?」という質問に対しても、川端さんと左海さんが回答。
グラフィックに特化した勉強はしていないけれど、デザインの勉強は行っており、イラストレーターソフトは練習を積んだとのことでした。
さらに、「デザイナー兼エンジニアとして働くことや、デザイナーからフロントエンドエンジニアへの転向など、フロントエンドエンジニアとデザイナーの関係について知りたいです」という質問に、山野さんが以下のように回答していました。
「私も以前同時並行でやっていた時期がありました。どちらについても話せる程度の知識を持っておくのは大事です。ただキャリアの築き方としては、いつかのタイミングでどちらかを専門に深めていくのことをおすすめします。そうしてデザイナーになれば、エンジニアと会話ができるデザイナーになれます」
新しい一歩を踏み出して
「このように、実際に働いている人の話を聞くのはすごく大事な機会です。今日をきっかけに一歩を踏み出したいと思った方は、ぜひ行動にうつしてみてください。我々も応援しています」
という山野さんの締めくくりの言葉で、3回に渡って開催された本イベントは終了。Web業界の第一線で活躍する先輩たちのメッセージは、Webデザイナーとしてキャリアを積み上げていきたいという人たちにとって、大いに参考になったのではないでしょうか。
尚、「デジタルハリウッドSTUDIO」では、Web業界に興味がある方や、就職・転職を考えている方の相談を受け付ける説明会を、随時開催しています。
興味のある方は、ぜひ下記より詳細をチェックしてみてください。
https://school.dhw.co.jp/form/counseling/
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