バーミキュラのUXデザインを考察してみた

水を使わない調理が支持されて利用者が増えている鍋ブランド「バーミキュラ」。

兄弟同士で試行錯誤を続けて開発されたバーミキュラは、「煮る・焼く・炊く」が1つの鍋でできる利便性が特徴で、料理研究家やインスタグラマーなどから多くの支持を得ています。

そんなバーミキュラですが、公式サイトが「使いやすい」「分かりやすい」と評判になっていることをご存じでしょうか?

そこで今回は、ユーザー体験を意識して作られたバーミキュラの公式サイトから、今後需要が見込まれるUXデザインを考察してみました。


バーミキュラの公式サイトが凄い!!

バーミキュラは、愛知県名古屋市にある老舗鋳造メーカー「愛知ドビー」が製造・販売している鍋のブランドです。

もともとは中小製造業の下請けをメインで展開していましたが、2012年に開発したバーミキュラをキッカケに、直販サイトを立ち上げて現在に至ります。バーミキュラは高い気密性が大きな特徴で、素材から出る水分のみで調理できます。素材本来の味や栄養をキープできるので、余分な味付けが不要なこともメリットの一つです。

バーミキュラは熟練職人が1つずつ丁寧に手作りしていて、とにかく高品質。個性的かつ馴染みやすいデザインが多くの支持を集めている理由です。

バーミキュラの公式サイトは、掲載されている写真にも注目すべき点があります。商品の紹介だけではなく、「バーミキュラを使ったらどんな未来があるのか」「バーミキュラを使うことで得られるメリット」を写真に盛り込んでいます。

また、バーミキュラを使ったレシピも充実しています。単なるレシピではなく、コラム記事としてレシピを紹介しており、ユーザーから「楽しくてタメになる」と評判です。

商品やレシピなどのコンテンツは、顧客目線を意識してUXデザインを作りあげているのも特徴。商品写真よりも「ユーザーが分かりやすいか」「興味を持ってくれるか」など、徹底的なマーケティングに基づいてUXを設計しているのです。


バーミキュラのUXデザインは的確で秀逸

バーミキュラのUXデザインは、Webサイトのみならず、ユーザーとのタッチポイント全てにおいて的確で秀逸です。

まずWebサイトのトップ画面は商品ラインナップから始まりますが、商品のすぐ下にオンラインショップのリンクが貼られています。商品⇒購入時間を短縮することでユーザーの満足度向上に貢献しているのです。

さらに、購入前に気になる使い方の紹介や購入後のアフターフォローも充実。購入前の相談から注文、購入後の調理や修理などに関する様々なサポートを「一生サポート」と表現しています。バーミキュラ専門のコンシェルジュが、鍋の購入にとどまらない、親身な対応をしてくれます。

バーミキュラの購入後は、写真を撮ってシェアしたくなる気持ちを保ってもらうために、TwitterやInstagramとのSNS連携もスムーズです。そもそもバーミキュラのデザインはインスタ映えするビジュアルなので、多くの人に見てもらえる魅力的な写真が撮れるのです。

バーミキュラの使い方に関する説明にも、ユーザー目線を意識したUXデザインが施されています。たとえば、ガスレンジに掛けたときの火加減は、言葉ではなくイラストで表現されています。弱火や中火をイラストで表現しているWebサイトは、ありそうでありません。

また、魅力的な写真をさらに引き出してくれるのは、キャッチコピーです。トップ画面の「手料理と、生きよう」、オープンポットの「目指したのは、世界一、素材本来の味を引き出す鍋」など。

ユーザーの心に届くキャッチコピーもUXデザインの一つ。商品購入を促すだけではなく、使うことをイメージさせるキャッチコピーは、ユーザーの心を動かします。


満足度が上がるUXデザインを実現するには

満足度が上がるUXデザインを実現するためには、さまざまな工程があります。

最初に行なうのはリサーチです。アンケート調査やインタビューなど、商品を使うユーザーを徹底的に掘り下げていきます。併せて、自社商品のブランド調査や競合調査も行ないます。

リサーチ結果を踏まえて、ワイヤーフレームやプロトタイプを作っていきます。商品を購入したい・商品をもっと知りたいなど、商品になにかしら興味を持っている人を明確にするのです。

プロトタイプとは試作品のことで、完成したプロトタイプを実際にユーザーに使ってもらいます。感想やモニタリングを繰り返して、機能性やデザインを改良。正式な販売までさまざまな角度から分析していきます。

併せて、UXデザインに必要な知識や経験も紹介します。UXデザインはマーケティングやブランド戦略、SEOやインタビュー経験など多くの知識や経験が欠かせません。

その中でもポイントなのがインタビュー。ユーザーの本音を掘り下げて分析や改良に活かれる情報を見極めます。ユーザーの生の声は、UXデザインを作る上で重要な項目です。


顧客が満足するUXデザインを考察しよう

今回は、バーミキュラの公式サイトからUXデザインを考察しました。

現代は、商品やサービスがあふれており、機能や価格だけでは他社と差別化を図るのが困難になっています。また、ユーザーは商品やサービスを通して得られる「体験」、いわゆるUXを重視してモノを購入するようになってきています。そうした点から、今後もUXデザインが注目されるのは間違いありません。

バーミキュラを参考に、ユーザーの心を動かすUXデザインを作り上げてみませんか?

ライター
花野ようすけ
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