身ひとつで働くからこそ、よりどころを。
フリーデザイナーが重視している「ホーム」とは

フリーランスになる前には、キャリアや収入などの多くの不安がつきまといます。

フリーのアートディレクター/デザイナーとして活躍している川村唯さんは、フリーランスだからこそ、重視していることがあると言います。

これから独立を検討しているデザイナー・アートディレクターはもちろん、フリーランスを目指す全ての方に読んでいただきたいインタビューです。

川村 唯さん

アートディレクター/デザイナー

複数のデザイン会社や企業にて、グラフィックデザイン、webデザインなどを担当したのちアートディレクターとして独立。主に女性向け、料理、コスメ、インテリア、ビューティ系のデザインを多く手がける。




理想から逆算してキャリアを形成していく

ーフリーランス6年目の川村さん。まずは、現在のお仕事について教えてください。

Webサービスやアプリのロゴ・UIデザイン、広告物全般のデザイン、グラフィックデザインなど、Webから紙媒体まで幅広くデザイン。そしてデザインを通したブランディングをディレクションしつつ、自分もデザイナーとして業務に取り組んでいます。

最近では事務所を借り始め、オフィスを作っている最中です。

川村さん

ー幅広い領域に対応されているんですね。これまでの経歴についても教えてください。

学校法人からデザインスタジオまで、独立するまでの9年間で、4社に勤務しました。

勤務先では、グラフィックデザイン、Webサイトのアートディレクション・デザイン、アプリのUIデザインなど幅広くデザイン業に取り組みました。

川村さん

ー9年の間で3回も転職をしているんですね……!

2〜3年に1度は転職をしていますね。デザイナーの中でも、転職の数は多い方だと思います(笑)

川村さん

ー短期間で転職をした理由は何でしょうか?

専門学校を卒業したときから、30歳で独立しようと決めていたんです。独立をするにあたっては、「グラフィックデザイン」「Webデザイン」「発注する側の経験」の3つの実務経験が欲しいと考えていました。

この3つの実務経験を積みたかった理由は、業務を限定したくなかったからです。例えば、クライアントからWebデザインの相談を受けても、紙のほうが向いているときもありますよね。仕事を限定しないためにグラフィックとWebデザインを。そしてデザインする側だからこそ、客観視できるようになるためにも、発注する側の経験を積もうと考えていました。

20歳で社会に出たので、3つの実務経験をするために、2〜3年スパンで転職することになります。どの会社も興味があって入社したので、やりがいもあり居心地もよかったのですが、辞めた後でも一緒に仕事はできますし、出会いを増やすことも重視して転職していました。

川村さん

ーキャリアを逆算した転職だったんですね。フリーランスになったきっかけはありますか?

具体的にこれといった大きな出来事があるわけではないんです。ただ、29歳になったときにふと、体力の限界を感じたことがきっかけでした。

これまで遅くまでがむしゃらに働いた経験もありましたが、ふと「昔のように働けなくなっているな」と感じました。独立をすると、自分一人でふんばらないといけないシーンもあると思っていたので、もともと30歳で独立しようと思っていましたが、年齢も考えて体力があるうちに早く独立をしたほうがいいな、と思いました。

そのタイミングで以前の職場の先輩から「一緒に仕事をしないか」と声をかけてもらい、フリーランスとしての仕事が始まりました。

川村さん

ーフリーランスになることに抵抗はありませんでしたか?

父親がフリーアナウンサーをしていたこともあり、フリーになることに抵抗はありませんでした。また、同年代で独立している人が多かったのも後押しになりました。

働く形態もフリーランスにこだわっていたわけでなく、求められる場所で求められるデザインができればいいと思っていたので、独立することへの抵抗は少なかったです。

川村さん

ーフリーランスになるときの周りの反応はどうでしたか? 自信はありましたか?

周りに相談する間もなく仕事が始まってしまったので、独立することは特に周りには告知していませんでした。

フリーランスになるときには、デザインに対する不安よりも、金額の決め方や、業務内容のすり合わせ、トラブル対応などのデザイン以外の仕事に対する不安のほうが大きかったです。

自信があったわけではありませんが、「やりきらないと」という気持ちは強かったです。

川村さん

ーフリーランスになるにあたって、準備したことなどはありますか?

フリーランスになろうと検討していた段階で、声をかけてもらい、そのタイミングで独立したので、特に準備期間はなかったんです。理想は、名刺やサイトを作成したり、Facebookに独立したことをかっこよく投稿したりしたかったんですけど(笑)、先に案件が始まった感じです。副業も特にしていませんでした。

しいていえば、前職の先輩や周りのデザイナー仲間との情報共有をしていたことくらいだと思います。

川村さん

川村さんが借りている事務所



フリーランスになって気づいた「デザイン以外」のタスクの多さ

ーーフリーランスになる前と、なった後で変化したことはありますか?

「思ったよりもデザインをする時間がない」と思いました。

これまで会社が行なってくれていた「デザインに入るまでの準備」が想像以上に多いことに気づきましたね。全部一人ではできないんだな、と限界を感じたこともありました。

あとは、生活リズムの変化です。もともと夜型だったのですが、フリーランスになって、より夜型の生活スタイルに特化できるようになりました。

川村さん

ーフリーランスならではの苦労や、苦戦したことはありますか?

フリーランスになって苦手だと感じたのは「お金の話」です。仕事を続けるために大切な部分だと思いますが、経験値がない初めのころは特に金額交渉が苦手でした。今は、予算の感覚がついてきたり、フリーランス仲間に相談したりしてうまく進められています。

フリーランスならではの苦労や悩みを気軽に相談できるコミュニティ、肩肘張らずに話せる「ホーム」といえる場所があることは、精神的にも実務的にも助けられている部分が多いです。

また、仕事量のコントロールも難しく感じました。少ないと不安になりますが、多すぎても大変なので、スケジュール管理に苦戦しました。

川村さん

ー仕事が少ない時期には何をしていましたか?

仕事が少ないときには、ポートフォリオを送って声かけをしたり、業務委託で仕事を紹介してもらえるサービスへの登録をしたりしていました。

川村さん

タスク管理は「Trello(トレロ)」などのツールを活用



クリエイターのホームになりえる「ARCHETYP Staffing」とは

「ホーム」ともいえるコミュニティのひとつでもあり、川村さんが仕事斡旋サービスとして利用しているのが「ARCHETYP Staffing」だと言います。

ーARCHETYP Staffingとはどのようなサービスなのでしょうか?

ARCHETYP Staffingとは、クリエイターと事業会社のマッチングサービスです。

カウンセリングを元に、自分にマッチした条件の案件・企業を紹介してもらえます。

川村さん

ー数ある仕事斡旋サービスの中で、ARCHETYP Staffingを選んだ理由は何でしょうか?

学生時代からお世話になっていたディレクターの方に、ARCHETYP Staffingがフリーランスのデザイナーを探していると聞いたことがきっかけです。

ARCHETYPさんのことは、学生時代からよく知っていた会社でした。デザイナーを目指している人なら名前は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。ブックマークサイトや雑誌などでもよく名前が上がるデザイン会社といったイメージでした。

実際にデザインを行なっている会社が運営しているサービスだったので、安心して登録できました。

川村さん

ーARCHETYP Staffingを利用して魅力に感じたところはどこですか?

実際にARCHETYP Staffingを利用してみて、一番心強く感じたのはサポート面です。これまで一人でやっていたからこそ「そんなところまで気にかけてくれんだ!」と驚くほどのサポートをしてもらえることに魅力を感じました。

ARCHETYPはデザイン会社だからこそ、デザイン面についての相談もできるのはメリットでした。質問しやすい雰囲気なので、気軽に尋ねられるのが嬉しいです。

また、スキルにあわせてマッチングしてもらえること、個人ではご縁がなかったような会社と繋げてもらえることで、仕事の幅が広がりました。

フリーランスで仕事をしていると、最初にヒアリングしていた内容以上のタスクが生じることもあり、対応に悩むことがありました。ARCHETYP Staffingでは、デザインスキルを正確に把握して、マッチングしてもらえます。そして、業務範囲やボリューム、具体的な条件などがあらかじめ決まっているので、安心して仕事に取りかかれるんです。

川村さん

ーARCHETYP Staffingはどんな人におすすめですか?

固定収入が欲しい人、そしてなにより、気軽に相談できる「ホーム」が欲しい人におすすめしたいです。ARCHETYP Staffingで紹介された事業会社で勤務することで、固定収入ができるため、金銭面で不安な方におすすめです。

また、私が最も魅力に感じているのはクリエイティブな相談をしたり、仕事の刺激が受けられたりすることです。ARCHETYP Staffingを通して、他のデザイナーの方の仕事ぶりを拝見できることや、なにより気軽に困っていることを相談できることが魅力です。

人材紹介サービスでは、デザインのこと自体を把握していないと感じることや、クリエイターよりもクライアントのほうを重視しているように感じることもありました。ARCHETYP Staffingでは、クリエイターに寄り添ってくれて「一緒に考えてもらえる」「なにかあったら守ってもらえる」といった安心感があるので、相談相手が欲しい方には心強いサービスだと思います。

川村さん



自分がユーザーとなり「経験」することで気づきを得られる

ー最後に、フリーランスのデザイナーとして、第一線で活躍していくために意識していることを教えてもらえますか?

デザイナーに限らず、フリーランスとしてやっていくために3つのことを重視しています。

1つ目は、ジャンルにこだわらずアンテナを張ること。時代の変化が大きいので、情報をキャッチアップして、柔軟に対応できるようにしています。

2つ目は新しい体験をすること。これまでにない体験からビジネスのアイデアに繋がることが多いので、意識的に新しい体験をするようにしています。

3つ目は、ご縁を大切にすること。いつどこで出会う人と、どういう仕事をするのかは予想がつかないもの。出会いはご縁だと思って、繋がりを楽しんでいくようにしています。

川村さん

ー具体的にどうアンテナを張っているのでしょうか?

デザインに関しては、「いいな」と思ったデザインを作った人が、最近どんなデザインをしているのかは定期的にチェックするようにしています。

一方、デザインは洗練されていなくても、人気のサービスもありますよね。デザイナーにしかわからない「いいもの」ではなくて、いろんな立場の人が「いいな」と思うことに対してアンテナを張るようにしています。

そのために、デザインに関係ないサービスにも登録して、実際に試しています。自分がユーザーにならないと、具体的な問題や解決方法はわからないので、体験することを大切にしています。
最近だとサブスクリプションのサービスが人気なので、snaq.meやFLOWERなどのサービスを実際に利用しています。

実際に体験していると使いにくい部分や、改善されるタイミングなどがわかるので、とても勉強になります。

川村さん

おやつのサブスクリプションサービス「snaq.me」


ーこれからフリーランスのデザイナーとしてキャリアを進めようとしている人へ一言お願いします。

「体を大切に」ーー月並みな言葉かもしれませんが、フリーランスになることは、体ひとつで勝負をするということです。高熱が出ても、しんどくてもやりきらないといけません。誰も助けてくれないし、すぐヘルプを出せないのはフリーランスの辛いところだと思います。

責任をもって仕事をこなせるコンディションを整えることは、スキル以上に大切なこと。仕事をやりきる体調管理、そして体力をつけることが重要です。

最初はがむしゃらに働きたくなる気持ちはわかりますが、自分の代わりはいないと意識して、体を大切に仕事に取り組んでください。

川村さん

ー貴重なアドバイスをありがとうございました!


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ARCHETYP Staffingでは、Webディレクター、Web デザイナー、フロントエンドエンジニア、コピーライター、システムエンジニアなど、クリエイターと事業会社のマッチングサービスを展開しています。

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ライター
madoka
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