Webセミナーレポート「ファンづくりの新時代」
〜業界の第一人者が語る、実践的ファンづくり〜

2020年8月25日、貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds」を運営するファンズ株式会社が主催するオンラインセミナー「ファンづくりの新時代 〜業界の第一人者が語る、実践的ファンづくり〜」が開催されました。

先行きの見通しが難しい現代、ファンづくりの重要性を感じつつも、課題に直面し、何から始めればよいか悩んでいるマーケティング担当者、経営者も多いのではないでしょうか。

そんな方に向けて、ファンづくりの第一線で実績が豊富な有識者を招いて、新しい時代のファンづくりについて語ったのが本セミナーです。

セミナーは四部構成で展開され、過去事例や業界動向など、ここでしか聞けない貴重な話が披露されました。


ファンづくりというマーケティング手法の本質 

第一部は「成功事例に学ぶ、ファンづくりのエッセンス」というテーマで、3名の登壇者によるトークセッションが行われました。

<登壇者>

  • 佐久間 崇氏:株式会社電通デジタル ECD/ACRCセンター長/執行役員
  • 中田 華寿子氏:アクチュアリ株式会社代表取締役(スターバックスCJ、ライフネット生命等役員歴任)
  • 仲村 亮氏:カゴメ株式会社財務経理部IRグループ

ファシリテーター:藤田 雄一郎:ファンズ株式会社代表取締役

自己紹介に続き、テーマに挙がったのは「生活者にファンになってもらうための実践的なアドバイス」について。

まず佐久間氏からは、「企業やサービス、商品が生まれた背景、お客さんに何を提供したかったのかという根底の想いを共有するのが大事です。企業の想いが共有されたときにファンがつきます」という話がありました。また、それをどう伝えるかという点について、3名がそれぞれ「“企業やブランドと人”との関係も“人と人”との関係と同じ」という意見に同調する姿が見られました。

中田氏からは「大事なのは有事ではなく平時のコミュニケーション。キャンペーンのときだけアプローチされても相手は驚くだけなので、平時の状態での信頼関係ができているからこそ、有事に支えていきたいと思えるので」というアドバイスがありました。

次に、藤田氏から「混沌として人々の価値観や生活が変化してきている時代に、これから企業は生活者とどう向き合っていくべきか?」という問いに対し、佐久間氏からは、「コロナがあって、人々はリスクを犯してまで行く必要のないところに行かなくなり、より狭く深い関係を作る必要性が出てきました」とファンづくりの重要性が説かれました。

さらに、仲村氏から「社会が変化し、ニーズが多様化する中で変わらなかったものに本質があると感じています。それを見極めて磨き上げることを大切にしていきたい」との意見があり、藤田氏は、「ファンづくりはひとつの手段でなく、これから主として取り組むものとして、各社のマーケティングに活かしてもらえたら」と呼びかけました。


「ファンづくり」はすべきではない!?

第二部では、「明日の広告」(アスキー新書)、「ファンベース」(ちくま新書)などの著者であり、電通で長年広告に携わってきた、コミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之氏を迎え、藤田氏とのマンツーマントークが行われました。

佐藤氏は2019年に株式会社ファンベースカンパニーを設立し、現在「ファンベース」に特化した仕事をしていますが、そこに「売上・時代・類友」という3つのキーワードがあることを挙げました。

その真意について、「上位2割の顧客が8割の売上を支えている」というパレートの法則に触れ、不安定でマーケットが縮んでいく時代の中ではその上位2割をかためることが重要とした上で、「今は口コミが一番効く時代であり、何より家族や友人が使っているものの影響が強い。ファンであれば熱意をもって伝わっていくので、ファンが新規顧客を増やしてくれるのです」と解説しました。

佐藤氏の話で特に印象的だったのは、「今日の表題批判になってしまうが、“ファンづくり”という考えがそもそも間違っている」という発言です。

「ファンづくりは、今ファンでない人をファンにしようということ。そうではなく、2:8の法則で言うと、今いるファンを大事にするのが最優先です。ファンでない8割の人にフォーカスした施策をすると、ファンの人たちがそっぽを向きます」と述べ、ファンを喜ばせるためには今いるファンの人たちの意見を聞くことが重要だと説明しました。

また、ファンの意見を聞く具体的な手法として、ファンミーティングの開催を提案していたのも興味深い点です。

「大人数でのアンケート形式のインタビューでは本音は出ません。少人数のファン同士を合わせることで話が盛り上がるのです。ファシリテートせず自然に盛り上がってもらう。その中に金言や宝物があるので、そこからファンが喜ぶツボを見つけ、抽出することが大切です」という超実践的なアドバイスは、多くのマーケティング担当者の参考になったのではないでしょうか。


「ファンづくり×ファイナンス」の新しいマーケティング施策

第三部では、藤田氏から8月4日に発表された、ファイナンスとファンコミュニティを組み合わせた新しいマーケティング手法である「FinCommunity Makerting(フィンコミュニティマーケティング)」の紹介がありました。

FinCommunity Marketingは、ファンズが運営する貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds」を活用した、貸付投資をきっかけに企業と個人がつながるファン形成・ファンコミュニティ施策です。藤田氏は、その開発背景と特徴を次のように説明しました。

「情報過多で、企業のメッセージが伝わりにくくなっている現代では、生活者に話を聞いてもらう理由づくりが必要で、その解決策となるのがFinCommunity Marketingです。貸付投資を通じて企業と個人との間に関係を作り、コミュニケーションを生むことで繋がりを強め、ファンになってもらうことができます。また、通常のマーケティングと異なり、潜在顧客にアプローチしていくことも可能です。興味関心のない層にも貸付投資という接点を通じて魅力を伝え続けることで、最終的にファンになる可能性を秘めています」

続く第四部では、実際に「FinCommunity Marketing」を行った、イートアンド株式会社 マーケティング戦略部ゼネラルマネジャー 松本吉浩氏が登壇しました。ファンズ株式会社 事業開発部副部長の新才博善氏とともに、「大阪王将ファンド」と「R Bakerファンド」の事例を振り返るトークを行いました。

松本氏は特に「R Baker」で立川店の店舗名を出してファンドを行ったことで、地域のお客さんに利用してもらえて業績も好調であり、根強いファンに支えてもらっている実感があることに触れました。

そして、「飲食は日常性の高いものなので、目の前のお客様を大事にしていきたい。個人投資家に、対象となるお店を特定した上で投資してもらえるFinCommunity Marketingはファンづくりに有効であり、出資者にはSNSなどで発信を行う層も多く拡散効果も期待できるので、単純な資金調達というよりマーケティング施策として今後も活用していきたいです」と締めくくりました。

FinCommnity Marketingに興味のある方は、ぜひ下記サービスページをご覧ください!

https://funds.jp/lp/fin-community-marketing/


これからのマーケティングにファンづくりは欠かせない

過去の事例から新サービスの紹介まで、興味深い情報が多く盛り込まれた本セミナー。これからの時代におけるファンづくりの重要性について改めて認識することができたと思います。

ファンづくりは、マーケティングを考える上で欠かせないものになっています。ぜひ本セミナーの内容を参考にして、自社やクライアント企業のファン層に改めて目を向けられてみてはいかがでしょうか。

ライター
向井 雅代