2020年7月18日、デジタルハリウッドSTUDIO主催のオンラインイベント「Web業界のミライ予想図」の第2弾が開催されました。
コロナ禍で注目が高まっているWeb業界への就職・転職を考える人を考えている人たちに向けて、Web業界の今と未来を、現役Webデザイナーたちが「本音トーク」として3週に渡って語り合う本イベント。
第2弾のテーマは「withコロナで転職を叶えた卒業生のリアルなハナシ」として、デジタルハリウッド講師ナビゲートのもと、卒業生2名によるトークセッションが行われました。
第1弾のレポート記事はこちら!
Web業界を目指した理由と学びのリアルな様子
今回イベントを主催した「デジタルハリウッドSTUDIO」(以下、デジハリ)は、Webデザイナーやネット動画クリエイターを育成する社会人スクールです。
Web業界を目指す人の登竜門になっており、多くのデジハリ卒業生が現在、Web業界の第一線で活躍しています。
生活様式が変化するなか、昨今は、手に職をつけて場所にとらわれず仕事がしやすいと、Web業界への転職を目指す方も増えています。ただ、実際に転職は可能なのか、多くの方が気になっているところではないでしょうか。
今回登壇されたのは、今春デジハリを卒業し、その後就職して現在Webデザイナーとして働く、一杉あみさんと深山貴一さんです。共に、2019年にデジハリに入学し、2020年4月に卒業されたお2人。そのリアルな体験談が、デジハリ講師である久保田涼子さんの進行により一問一答の質問形式で紹介されました。
前半は、主にWeb業界への転職を考えた理由と、デジハリ通学中の学習についての話題が並びました。
新卒で銀行に就職したという一杉さん。一度ECコンサルティングの会社への転職を経たのち、結婚をきっかけに、今後のライフイベントで会社に行けなくなることがあったとしても自立できるスキルが必要だと思い、Webを学ぶことを決意。
一方深山さんは、前職でWebディレクターとして働いていたけれど、デザイナーの仕事の方に興味がわき、そちら側で仕事をするためにきちんと勉強したいと、デジハリの門をくぐったと、それぞれの入学動機が語られました。
在学中どのように学びを進めたのかという話については、お2人ともにTwitterを活用して情報収集を行っていたという工夫が紹介され、また両者ともSTUDIOに通って積極的に質問する姿勢を見せていたと強調していました。
途中、在学中にお2人が作った作品が披露されると、参加者から大きな反応が。
「卒業前にこんな作品を作れるなんてすごい、自分には想像できない」
という声とともに、イラストの作り方や探し方、題材の選び方、ソフトの使い方など、具体的な質問がリアルタイムでたくさん寄せられ、お2人が丁寧に回答。
司会の久保田さんからも、
「よいデザインを作れるかどうかは引き出しの多さがポイントになるので、アウトプットの前のインプットは必要。まずは参考サイトをたくさん見て、どんどん真似してほしい」
と参加者へのアドバイスが送られました。
コロナ禍の就職活動での苦労バナシと乗り越え方
後半は、お2人が直近で経験した就職活動に関する、具体的な行動や心情が赤裸々に語られました。
コロナ禍の中でも見事Webデザイナーとして就職を決めたお2人。就職活動では、主に転職エージェントを利用して応募していったそうです。一杉さんは約20社、深山さんは約15社受けて、現在の会社からの内定をそれぞれ勝ち取ったと、リアルな数字を挙げてくれました。
Web業界が未経験だった一杉さんは、未経験可の求人が少なく苦労したことを吐露。企業は即戦力を求めているところが多く、未経験者を受け入れてくれるところはもともと少ないうえ、コロナの影響でさらに求人が減っていたそうです。
ただ、今の時代はデザイナーにもコミュニケーション能力が求められているのを感じ、前職が営業だったことでコミュニケーションは得意なこと、数字を見る力もあることなど、デザイン力以外のスキルがあることをアピール。デザインに関しても、ポートフォリオを作り込むことで自身のセンスを面接官に感じてもらえるよう工夫したと話していました。
深山さんは、もともと面接で熱量を伝えることを得意としていたので、コロナで面接がリモートになったことで、面接官とのやり取りが難しかったことを明かしました。また、企業も状況が日々変化するため、レスポンスが遅いことに戸惑うこともあったようです。
それでも深山さんは、Webデザイナーになるまでのプロセスを計画立てて歩んでいたので、その流れに「なぜ自分はWebデザイナーになりたいのか」という明確な理由を提示できるよう整理し、企業にアピールしたと語りました。
ちなみに、お2人はフリーランスではなく会社員として働く道を選んでいますが、その理由については、以下のように答えていました。
一杉さん
「最初はフリーランスになりたいと思っていたけれど、ずっと自分で営業しなくてはいけない。それには繋がりが必要だと思うけれど、最初はコネクションがない。就職した方が繋がりもできるし安定する。現在は、会社員でもフリーランスのように働けるところも増えているので、会社員でもいいかなと思いました」
深山さん
「フリーランスも魅力だけれど、まずは会社に入ってWebデザイナーの働き方の基本を学んでから。そこから興味が出たらフリーも考えます」
この件については、司会を務めるデジハリ講師の久保田さんからも、
「いきなりフリーで働くのではなく、一度制作会社に入って、Webデザイナーとしての一通りの仕事を学んでからフリーランスになることをおすすめします」
という言葉がありました。
就職活動を成功に導いた、デジハリの学びの秘密
最後は参加者からたくさん寄せられた質問に、登壇者がひとつひとつ答えてくれる質疑応答の時間が設けられました。
その中で、
「就職活動中の反省点は?」
という質問に対し、お2人がそろって答えたのが、
「ポートフォリオを早く作っておくべきだった。もう少し作品を増やしておいてもよかった」
というもの。
就職活動の肝となるポートフォリオについては、
「ポートフォリオに必要な作品数はどのくらい?」
「テンプレートを使っても大丈夫?」
など、細かい部分に踏み込む質問もあがっていました。
ただ、もっと作り込んでおきたかったという一方で、面接ではやはりポートフォリオの内容が評価された感じがすると、お2人とも回答。その秘訣は、お2人が受講したコースにあるようです。
お2人がデジハリで受講していたのは「超実践コース」。このコースの最も大きな特徴は、実際に企業から依頼を受けて制作をする「クライアントワーク」があるところです。
スクールを卒業しても、仕事の経験がないとやはり就職活動でアピールする点が弱くなるうえ、働き始めてからも流れについていくのが大変というWebデザイナーのお仕事。
その実践を、学んでいるときに経験できるのは貴重であるといい、今回の登壇者のお2人がデジハリの「超実践コース」を選んで通ったのもまさに、このクライアントワークができるからだったそうです。
進行の久保田さんからも、
「同じ制作実績でも、自分の好きなものを作ったのと、クライアントさんに頼まれて作ったものとでは、見え方が全く異なります」
と、クライアントワークの価値が語られました。
クライアントワークのある「超実践コース」は、デジハリのコースの中でも比較的大変といわれているようですが、その厳しい環境の中で鍛えられたことで、デザイン感覚が磨かれ、お2人ともスムーズに就職を決められたのではないでしょうか。
現在、Webデザイナーになる夢を叶え、企業の中で働き始めたお2人は、今後のご自身の未来予想図を以下のように宣言されました。
一杉さん
「会社に属していることを活かしつつ、将来的にはフリーランスでも活躍したい。金銭的な課題でWebサイトを作れないような個人の方も救っていきたいです」
深山さん
「前職ではディレクターもやっていたので、そのときの知識も今後は活かしていきたい。デザイナーのスキルに加えマネジメント力も強化していきたいです」
自分の経験や強みを整理して伝えよう
「デザイナーになりたい人は大勢いるので、自分のこれまでの経験を洗い出し、Web業界にどう活かすのかを明確にし、面接でそれを熱量高く伝えることが大事」
と、これからWeb業界を目指す人たちへのメッセージで締めくくられた今回のイベント。
コロナ禍の厳しい状況の中でも、Web業界への就職・転職を考えている人たちにとって、大いに参考になったのではないでしょうか。
尚、「デジタルハリウッドSTUDIO」では、Web業界に興味がある方や、就職・転職を考えている方の相談を受け付ける説明会を、随時開催しています。
興味のある方は、ぜひ下記より詳細をチェックしてみてください。