クリエイターが知っておくべきカスタマーサクセス用語集

近年、カスタマーサクセスに取り組む企業が増えています。

カスタマーサクセスは、主にSaaS業界で活用されているイメージがあるかもしれませんが、その考え方はWeb制作業界でも重要だと言われているのを知っていますか。

そこで今回は、Web制作に携わるクリエイターが知っておくべきカスタマーサクセス用語をまとめてみました。ぜひ、これからカスタマーサクセスを取り組もうと考えている方や、カスタマーサクセスに興味がある方はチェックしてみてください。


カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違い

まず、カスタマーサクセスとカスタマーセンターの違いについて知っておきましょう。

カスタマーサクセス

  • 顧客の成果を追求することで、LTVの最大化を目的とする組織や役割のこと

負うべきKPI指標は、リテンションやアップセル、解約率、ユーザーのアクティブ率の向上などが挙げられます。

カスタマーサクセスは、ひとつの部署だけでは実現が難しいため、各部署との連携が必要になります。各部署と綿密にやり取りを行い、成果につながる提案を常に行うことが求められるでしょう。

カスタマーサポート

  • 顧客側からの疑問点を解決することが目的であり、迅速に問い合わせに対応する組織や役割のこと

顧客側がサービスを利用したいタイミングで、しっかりとサポートを行うことをカスタマーサポートと言います。基本的にはカスタマーサポート専門の部署やチーム内で業務を完結させるため、各部署と連携することはあまりありません。

以上のことから、カスタマーサクセスは「プッシュ型」のサポートであり、カスタマーサポートは「プル型」のサポートとなります。名称は似ていますが、意味合いとしては全く異なることがわかります。


カスタマーサクセスを行う上で覚えておきたい用語集

カスタマーサクセスの領域でよく使われる基本的な用語には、どのようなものがあるのでしょうか。

カスタマーサクセスは、しっかりと理解しておかないとチャーンレート(解約率)や顧客満足度を下げる可能性があるため、Web制作に携わるクリエイターも知っておくべきだと言えます。この見出しでは、カスタマーサクセスの仕事でよく使われる用語をまとめてみましたので、ぜひチェックしておきましょう。

オンボーディング

  • 組織やサービスに新しく加入した人へ支援や手ほどきを行い、定着を促したり慣れたりしてもらう活動のこと

もとの意味は、「新人研修」で部署・組織のルールや仕事の進め方などをいち早く慣れてもらうための教育・訓練プログラムのことを言います。

顧客へのオンボーディングは、主にチュートリアル・ガイドツアーなどの手法が用いられています。初期段階で利用者に使いにくさを感じさせてしまうと、どんどん利用者が減ってしまうため、丁寧なオンボーディングによる定着を図ることはとても大切です。

アダプション

  • オンボーディングの次のフェーズであり、顧客一人ひとりに納得・確信を抱いてもらうこと

このアダプションをおざなりにすると、顧客がどんどんと離れていってしまい(解約されてしまい)、のちに大きなツケとなる可能性があります。

企業によってはヘルススコア(後述)を作成して顧客の定着度を管理したり、Webサイトの更新頻度やログイン回数などをチェックするなどの対策を立てています。

また、新しい機能が出来たら、しっかりと機能のメリットを伝えたり、他の利用者がどのように新機能を使っていたりするのかを説明して興味を持ってもらいましょう。

エキスパンド

  • オンボーディング・アダプションでサービスの価値を実感した顧客が、さらなる価値を実感してもらうフェーズのこと

このフェーズに入ると、売上向上に大きく貢献するアップセルやクロスセル(後述)を狙えるようになります。

ただし、成果が出ていなければアップセルやクロスセルが生まれないため、あくまでも顧客成果を最優先に考えることが大切です。

アップセル

  • 顧客が購入した商品・サービスと同種で、より良いものを提案して購入してもらうこと

アップセルを効率よく行うことで、顧客数を増やさなくても総売上を増やすことが可能となります。

クロスセル

  • 顧客が購入した商品・サービスとは別の商品・サービスを提案し、購入を検討してもらうこと

顧客が普段購入している商品と組み合わせて使えるものなどを提案することで、顧客数を増やすことなく総売上を増やすことを目的としています。

ECサイトでよく行われる、ユーザーの購入履歴から関連商品を紹介することは、効果的なクロスセルの手法のひとつだと言えます。

ハイタッチ

  • 「大口顧客」に対するアプローチのこと

基本的に個別対応となり、スタッフがきめ細かなサポートを行うことで顧客に対するフレキシブルな対応を目指します。

ハイタッチにはさまざまな方法がありますが、主に以下の対応を個別に行います。

  • 導入サポート
  • 定例ミーティング
  • 勉強会
  • カスタマーサクセスに繋がるプランの営業
  • 顧客ごとに合わせたカスタマイズ

ロータッチ

  • 大口顧客よりも、少し価値が下がる層に対するアプローチのこと

個別対応ではなく、ある程度の集団的な対応を行います。なお、次に紹介するテックタッチとの差は、個々の会社により線引きが異なります。

ロータッチで行われる具体的な対応方法には、以下のようなものがあります。

  • ワークショップ
  • イベント開催
  • トレーニングプログラムの提供
  • 対面や電話、メールなどの対応

テックタッチ

  • 顧客ごとの価値は低いが、数の多い層に対して行うアプローチのこと

人的リソースではなくテクノロジーを使うことで、より広範囲に対して同時に対応することを可能としています。

テックタッチで行われる具体的な対応方法には、以下のようなものがあります。

  • Web会議システム
  • マーケティングオートメーション
  • チャットボット
  • 動画共有システムなどを使ったリモート対応

一斉配信を行うオンラインコミュニティの提供といった手法もあります。

ヘルススコア

  • 顧客が提供したサービスを使い続けるかどうかの程度を指標化したもの

カスタマーサクセスの「定量的側面」を担っているのがヘルススコアです。ヘルススコアの内容ごとに対応方法を決めておくことで、効率よくクライアントのフォローを行うことが可能になります。

どのようなカスタマーサクセスを目指すのかは企業やサービスによって異なるため、ヘルススコアには統一された計算式がないのが特徴です。そのため、会社ごとのやり方をしっかりと定めて社内に浸透させることが重要となります。

KPI

  • 組織や個人が活動や業務を進めるにあたり、「何をもって進捗とするのか」を定義づけるために用いられる指標のこと

KPI(キー・パフォーマンス・インディケーター)は、短い周期で集計や記録を行います。そして、その結果から現状や進捗を把握したり、問題解決や改善点を検討するための材料として扱われます。

何をKPIに設定するかはプロジェクトに応じて異なります。たとえば、下記のような項目をKPIとして設定します。

  • お問い合わせ数
  • 受注(購入)数
  • 会員数
  • アクセス数
  • 売上

あまりにも指標が多いと、何に集中すればよいのかブレてしまうため、ひとつあるいは数個程度が設定されることが多いです。

エンゲージメント

  • 企業全体や商品・ブランドなどが顧客と築いた深い結びつきや関係性のこと

エンゲージメント(Engagement)には約束や契約、誓約などの意味があります。ビジネスの分野では、製品や企業、ブランドの愛着心や親近感といった意味でよく使われる用語です。

強いエンゲージメントを結んだ顧客は、自ら好んで繰り返し企業のサービスや商品を選びます。また、その商品を友人やSNSを通じてさまざまな人に紹介してくれることもあります。

そのため、顧客満足度の向上や積極的にコミュニケーションを取るなどをして、エンゲージメントを強めれば、製品やサービスの知名度が上がりやすくなります。

顧客ロイヤルティ

  • 商品やサービスを1回だけではなく、長期的に利用してくれる顧客の信頼度や愛着度のこと

商品やサービスに満足していても、サポート体制が悪かったり、購入プロセスがわかりにくかったりすると顧客は継続的に購入してくれません。

ロイヤルティが高い顧客は、自分だけではなく周囲の友人などに商品の良さを勧めてくれる可能性が高いため、近年その存在はとくに重要視されています。


カスタマーサクセスの重要性は今後増していくことが予想される!

カスタマーサクセスの関連用語を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

今回紹介したカスタマーサクセス用語は、どれも基本的なものばかりであり、まだまだたくさんの用語があります。あまり馴染みがない用語もあったかもしれませんが、それぞれの用語の意味がわかれば、カスタマーサクセスの考え方の理解が深まるでしょう。

顧客にサービスや商品に興味を持ってもらうことは、Web制作に携わるクリエイターにとっても利益に繋がります。積極的に顧客のためによい提案やサービスを行い、成果をしっかりと上げていきましょう。

カスタマーサクセスは、これからどんどん盛り上がっていくことが予想されます。これから取り組もうと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

ライター
かわまる