Webサイトやロゴ、バナー、LPなどを作成する際には、クライアントの要望を明確に把握することが求められます。
クライアントの要望を抜け漏れなく確認するためには「ヒアリングリート」を活用することがおすすめです。
本記事では、Webプロデューサー・ディレクター、デザイナー、プログラマーなどクリエイターがヒアリングリートを作るときのポイント、必ず含めたい項目などを紹介します。
これからヒアリングシートを作る方は、ぜひ参考にしてみてください。
ヒアリングシートを作るときに注意するポイント
クライアントから依頼を受けてWebサイトを作成したり、デザイン案を作成したりするときに1番重要なことは、「クライアントの要望を正確に把握すること」です。
例えば「新しくできるカフェのWebサイトを作ってください」と依頼されたとしましょう。
あなたは「当然カフェ紹介のためのサイトを作成する」と思って作成を進めたものの、クライアントは「予約を獲得するためのLPがメイン」と思っていた場合、イチから作成しなおすことになってしまいます。作成時間がもったいないだけでなく、クライアントをがっかりさせ、信頼を失うことにも繋がりかねません。
依頼を受けた際には、クライアントがなぜWebサイトを作りたいのか、依頼の目的、予算・納期、どのようなサイトにしたいのかイメージをすりあわせるなど、確認するべき事項はたくさんあります。
また、クライアントから具体的な内容を指定されたとしても、それが本来の目的にあっているのかどうか把握する必要があります。これから行う施策の方向性を確かめるためにも「なぜ」行いたいのか、課題や目的から把握することが重要です。
仕事を始めるときには、とにもかくにもクライアントの要望を把握することを心がけましょう。
また、クライアントが非クリエイターの場合、「ヘッダー」「フッター」「CMS」など専門用語を使うと伝わりにくいため注意が必要です。言葉の定義が曖昧なまま話を進めてしまうと、お互いに齟齬が生じてしまい、後々トラブルに繋がることも。
また、「どうしたいですか?」などと、曖昧な質問をすると「逆にどうしたらいいのか教えて欲しい…」「何ができるのかな?」など、困らせてしまうことになりかねません。
専門用語を使わずに説明をしたり、選択肢を用意したりして回答しやすくするなどの工夫が必要です。
ヒアリングシートの作り方
クライアントの要望を抜け漏れなく把握するためには、「ヒアリングシート」を作成することがおすすめです。ヒアリングシートとは、名前の通り顧客からの要望をヒアリングするためのシート。
ヒアリングシートを作成する際には、GoogleフォームやTayoriなどオンラインツールを活用することがおすすめです。
「Excelじゃダメなの?」と思う方もいるかもしれません。確かに、Excelでもシートは作成できますが、ファイルの送受信を繰り返すことになったり、情報を追加・更新した際に、どのファイルが最新版なのかわからなくなったりなど、不都合なことも増えてしまいます。
特定の相手に送付する際には、Googleフォームで作成したヒアリングシートを。Webサイトや問い合わせとして簡単なヒアリングシートを設置したい場合には、Tayoriのお問い合わせフォームを活用するなど、オンラインツールを活用することで、データを管理しやすくしましょう。
また、Webサイト・バナー・LPなど、制作を請け負っているものにあわせて、ヒアリングシートを作成しておくことがおすすめです。もしくは、基本のヒアリングシートを作成しておき、顧客にあわせて随時変更するのもいいでしょう。
ヒアリングシートのテンプレートは、インターネット上で検索するとたくさん出てくるので参考にしてみてください。
ヒアリングした内容は、Googleドライブのスプレッドシートなどで管理し、クライアントにも共有することで齟齬(そご)を減らせます。
制作物ができてから「やっぱり変更したい」「この部分は聞いてなかった」など大きな変更をすることがないように、始めにしっかりとすりあわせをし、お互いが確認しやすい環境を作ってリスクヘッジしておきましょう。
ヒアリングシートを作る時に必須の内容
実際にヒアリングシートを作成する際には、どのような内容を含めるといいのでしょうか。
最後に、ヒアリングシートに必須の3項目を紹介します。
現状・課題・目的・ターゲット
ヒアリングシートへ入れたい1つ目の項目は、現状の課題、目的、ターゲットなどの基本情報です。
繰り返し説明しているとおり、「クライアントがなぜ、この制作物を作成したいと思っているのか」「どのような課題があるのか」「何を目的にしているのか」を正確に把握することで、よりニーズにあった成果物を作成できます。
また、ターゲットやペルソナを把握することで、デザインやUI、サイト設計なども変わるため必ず確認するようにしましょう。
「ただ成果物を納品して終わり」ではなく、クライアントの課題や目的を把握し、この成果物を活用してどのように課題を解決していくのかまで提案できると、次の依頼や信頼を得やすくなります。
予算と納期
ヒアリングシートへ入れたい2つ目の項目は、予算と納期です。
予算と納期次第で、成果物のクオリティや実装できる範囲は異なります。予算と納期は決まっていないケースも考えられますが、あらかじめ確認しておくとプランを提案しやすくなるので、必ず確認するようにしましょう。
ヒアリングシートへ入れる場合は「予算の目安」「希望納期」など、あくまでも目安や希望であり、確定ではないとわかるような言葉を使うことがおすすめです。
また、予算は幅があることが多いので、「30万円〜50万円」など上限・下限を設定できるようにしておくといいでしょう。
イメージしているページや成果物
ヒアリングシートへ入れたい3つ目の項目は、成果物のイメージです。
「おしゃれに」「かっこよく」など、抽象的な言葉で説明された場合、なんとなくのイメージはできたとしても、お互いが想定している内容が大きく異なることも少なくありません。
どのようなものを「おしゃれ」だと思っているのか、イメージを共有してもらい、すり合わせをすることが重要です。
非クリエイターのクライアントの場合「何を参考にしたらいいのかわからない…」「Webサイトを作成したいけれど、他の企業のWebサイトはよくわからない」という方も多いものです。
ヒアリングシートには「完成のイメージに近いページがありましたら、ご共有お願いいたします」といったように、必須項目ではないことがわかるように記載するといいでしょう。
また、回答があった場合もクライアントが指定しているページの、どの要素がポイントになっているのかを正確に把握する必要があります。
こちらからも複数のイメージを共有して、すりあわせることを忘れないようにしましょう。Pinterestを活用することで、イメージの共有がしやすくなります。
これらの他にヒアリングシートには様々な項目が考えられます。例えば、Webサイトの制作だと、サーバー・ドメイン・メールアドレスは取得するのか、デザインの希望や、ページ数など。LPの場合、画像・文章の素材はすでにあるのかなど様々です。
クライアントや制作物にあわせて、必要な項目を含めたものを作成するようにしてください。
ヒアリングシートを活用して成果物のクオリティを上げよう
顧客の希望通りの成果物を作成するためには、ヒアリングシートを活用して、効率的に要望を把握することがおすすめです。
ヒアリングシートはテンプレートを活用して、いくつか準備しておくことでスムーズに業務に取りかかれます。
クライアントとの齟齬(そご)が起こらないようにするために、非クリエイターのクライアントでもわかる言葉を使うことが重要。専門用語で進めてしまっていないか、意識的に確認するようにしてください。
また、顧客の課題や要望を把握することで、顧客の希望以上の成果物を作成できます。ヒアリングする際には、細かな部分も気になりますが、まずは「課題」「目的」を中心に伺うようにすることがおすすめです。
顧客満足度を上げるためにも、ぜひ自分ならではのヒアリングシートを作成してみてはいかがでしょうか。