Webエンジニアのキャリアアップを手助けする資格とは?

Webエンジニアにとって、キャリアアップにつながる要素とはなんでしょうか。

ユーザーと直接的にデータのやり取りをするフロントエンドエンジニア、ユーザーの目に見えないところでデータ処理・保存をおこなうバックエンドエンジニア。どちらにとっても、キャリアアップは関心のあるテーマでしょう。

ただWebエンジニアとして働き始める際には、特別な資格は必須ではありません。そのためキャリアアップは一度脇に置いておくこともできてしまいます。

しかし長期的な視点で考えると、Webエンジニアとしてのキャリアアップを考えて、スキルの客観的な保証になる資格取得がおすすめです。

IT業界の人材が今後ますます必要とされていくなか、自分はどんなキャリアを目指し、そのためには何を学ぶ必要があるのか。今回は、Webエンジニアのキャリアアップに役立つ資格をご紹介します。


プログラミング言語系資格 

まずはWebエンジニアの仕事道具ともいえる、プログラミング言語に関する資格をご紹介します。

Oracle Certified Programmer

「Oracle Certified Programmer」は、プログラミング言語Javaの開発元であるOracle(オラクル社)が運営している試験です。Javaの知識やスキルを3段階のレベル別に認定しています。

Javaはプログラミング言語のなかでも活用の幅が広く、大規模な開発にも使われている言語です。そのため求人も多く、この試験で資格を認定されていると転職やキャリアアップも有利になるでしょう。

レベルは初心者向けの「Bronze」、開発初心者向けの「Silver」、自分で機能を実装できるスキルを要する「Gold」が用意されています。

オラクルのJava専門家によって作られている試験ですので、自分の専門知識に対する自信も高められるはずです。

PHP技術者認定試験

「PHP技術者認定試験」は、PHPというプログラミング言語の知識、スキルを証明するための資格です。

バックエンドエンジニアとして働きたい方にはとくにおすすめのこの資格。実務でPHPを使いながら試験勉強をする人も多く、始業前にこつこつ問題集を解いて合格している人もいます。

認定者の雇用機会、そして認定者が働く会社のビジネスチャンスを拡げることを目的とした試験なので、転職活動でこの資格をアピールできるといいでしょう。

Ruby技術者認定試験

「Ruby技術者認定試験」は、Rubyベースのシステムを設計・開発する知識やスキルを証明する資格です。Rubyでシステム提案をするコンサルタントやRubyを教える講師、またはRubyを学ぶ学生なども対象になっています。

Rubyベースでシステムを行うのに必要な基礎知識・応用力をもっていることをアピールできますので、こちらもキャリアアップに効果的です。

試験は基本的な技術レベルをもつ証明になる「Silver」と、それをさらに掘り下げたプログラム設計技術をもつ証明になる「Gold」の2段階が用意されています。

C言語プログラミング能力認定試験

「C言語プログラミング能力認定試験」はC言語を使用して、システムの仕様変更に対応するコーディングやデバッグなどをおこなったり、プログラムを完成させたりする能力を測定する試験です。

C言語は記述の自由度が高く、使用可能なプラットフォームが多いため、広く普及しているプログラム言語といえます。

3段階の認定基準が設けられており、プログラミング学習初心者からプログラマーやエンジニアとしてすでに活躍している技術者まで、幅広く受験している試験です。


インフラ開発・設計系資格 

次に、インフラ開発や設計にかかわる資格をご紹介します。

IPA応用情報処理技術者試験

「応用情報処理技術者試験」は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が主催する試験。合格すると、情報処理分野において高度な技術、知識をもっていることを証明できる国家資格を保有できます。

技術だけでなく管理、経営まで幅広い知識や応用力が身に着くので、Webエンジニアのキャリアアップを手助けしてくれるでしょう。難易度は高めですが、よりスキルアップしたい方にはおすすめです。

システムアーキテクト試験

「システムアーキテクト試験」は、システム開発の全体的なデザインを設計して主導する立場、いわば上級エンジニアを目指す方向けの試験です。こちらもIPAが主催しています。

システムアーキテクトは、建築士や設計者を意味する「アーキテクト」の言葉どおり、対象業務の分析や設計といった上流工程に携わるエンジニア。IT業界ではシステムエンジニアやプログラマーの上級職をシステムアーキテクトと呼んでいます。


国内外の通信技術系資格 

ここでは国内外の法人が主催する、通信技術系の資格をご紹介しましょう。

ネットワークスペシャリスト試験

「ネットワークスペシャリスト試験」は、IPA主催のネットワークエンジニア、インフラ系エンジニア向け試験です。

ネットワークの固有技術を活用して、最適な情報システムを企画し、開発・運用・保守の中心的役割を果たすスキルを証明するものとなっています。

ネットワークシステムや関連企業を熟知し、情報セキュリティにも精通していることが求められるこの資格。合格率は約14%と難易度の高い国家資格なので、取得すると資格手当が支給される企業もあります。

また転職時にも、ネットワークに精通した即戦力として、あるいは責任ある立場を任せられる人材としてみられるでしょう。

シスコ技術者認定

「シスコ技術者認定」とは、ネットワーク機器大手企業シスコシステムズ社が実施している、ネットワークエンジニア向けの試験です。

「アソシエイト」から「アーキテクト」までの4段階で難易度別に分かれており、現在ネットワーク運用や管理をしている人でも、知識量を試せる機会となります。

言い換えれば、ネットワーク関連の仕事をしているのであればこの資格を取得しておくと、所属先や転職希望先からの信頼にもつながるでしょう。世界基準の資格なので、ネットワーク業界では最も有名な資格のひとつです。


その他Webエンジニアに役立つ資格


Android™技術者認定試験

「Android™技術者認定試験」は、Android™の知識と技術をもったエンジニアを認定するもので、その背景にはAndroid™搭載スマートフォンやタブレットが世界的に普及していることがあります。Android™はOSにLinuxを採用しているため、さまざまな機器に搭載できる技術です。

この試験制度には、アプリ開発者向けの「アプリケーション技術者認定試験」とプラットフォームエンジニア向けの「プラットフォーム技術者認定試験」という2種類があります。さらに各試験で2レベル用意されていますので、自分のスキルを確認したり、客観的な評価としてアピールしたりするのに役立つでしょう。シスコ技術者認定と同様、グローバルに認知されている資格です。

Linux技術者認定資格「LinuC」

「LinuC」は、サーバーや携帯電話、家電などの組み込みシステムに使われているOSのLinuxを使ったシステム、ネットワークの設計・構築・運用スキルを測定する試験です。

レベル1から3まであり、Linux技術者はもちろん、クラウドシステム・アプリケーション開発に携わるITエンジニアにとっても有効な内容になっています。

官公庁や金融業界のソフトウェア開発、ITインフラの運用をおこなっている企業のなかには、このLinuCを全新入社員に取得させるという企業もあります。キャリアアップを目指すWebエンジニア、開発者はチェックしておきたい資格です。


めざすキャリアに合わせて資格取得を

Webエンジニアのキャリアアップを手助けする資格についてご紹介しました。すでにWebエンジニアとして活躍している方もこれから勉強するという方も、自分がどのようなキャリアアップをしたいか、ぜひ考えてみてください。

資格取得は自分自身のスキル確認、業務理解だけでなく、同僚や外部の関係者からの信頼アップにもつながるでしょう。コツコツ準備をして、ぜひキャリアアップのチャンスに生かしてくださいね。

ライター
Wakako Aoyagi
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