Webデザイナーはスマートフォンやタブレットの普及により、Web制作において欠かすことのできない職業になりました。その反面、歴史が長くないため、このまま続けて大丈夫なのか不安な方も少なくありません。
しかし、Webデザイナーの経験を積むことにより、さまざまな職種へのキャリアパスの可能性が出てきます。どのようなキャリアパターンがあるのか、スキルや経験は何が必要なのか、Webデザイナーからのキャリアパスと、身につけておくべきスキルや経験について紹介します。今後のキャリアパスの参考にしてみてください。
Webディレクターになるには
WebディレクターとはWebプロジェクト全体の管理責任者
Webプロジェクトをまとめ、全体の制作指揮・進行管理が主な仕事です。「デザインの方向性」「誰がどこを担当するのか」「いつまでに終わらせるのか」「求められた制作物になっているのか」、円滑に進めるための計画を考え、制作環境を整えます。Webディレクターはさまざまなスタッフをまとめていくため、プロジェクト全体に影響する重要なリーダーの立場です。
Webディレクターに必要なスキル・経験
Webディレクターは、プロジェクトを円滑に進められるようにスケジュール調整することが大切です。したがって、マネジメントスキルやコミュニケーション力は必須のスキル。クライアントやユーザー間でのヒアリング力、プロジェクトチーム内のチームワークや個々の能力を最大限に発揮できる雰囲気を作ることも大切です。
アートディレクターになるには
アートディレクターとはビジュアルデザインの指揮責任者
プロジェクトに応じて全体のビジュアルデザインの方向性を設計し、デザイナーやカメラマン、ライターなどを統括します。
主な仕事はデザイナーやカメラマンなどに制作・指示を伝え、クライアントの企画を進めていくことです。撮影ディレクションや進捗状況のチェックも含まれ、ときには自身で制作する場合もあります。
アートディレクターに必要なスキル・経験
全体のビジュアルデザインに計画・指示を出す立場として、十分なビジュアルデザインセンスやフォント、色彩感覚、写真、映像技術に関する幅広い知識が必須です。また、プロジェクトチーム内の連携を進めていくために、コミュニケーション能力、スケジュール管理能力も必要になります。
フロントエンドエンジニアになるには
フロントエンドエンジニアとはデザインをもとに構築やカスタマイズする
フロントエンドとは、ウェブサイトを閲覧するときに直接操作する部分を指します。Webデザイナーが作ったデザインをJavaScript・HTML・CSS・WordPressなどで設計や実装、再現するのがフロントエンドエンジニアです。
フロントエンドエンジニアに必要なスキル・経験
HTML・CSS・JavaScriptの開発言語を使い、Webサイトのコーディングができることが必須です。また、BootstrapやBulmaなどのフレームワークの知識も合わせて習得しておくのがおすすめです。Webデザイナーからのキャリアパスにより、デザインから実装まで幅広く対応できます。
UIデザイナーになるには
UIデザイナーとはユーザーインターフェースの設計をすること
UIとはユーザーインターフェース(User Interface)の略で、Webサイト以外にもスマートフォン向けアプリや機械の操作パネルなども指します。ユーザーの視線や行動パターンを考え、わかりやすく、かつ操作しやすい設計を考えることが主な仕事です。
UIデザイナーに必要なスキル・経験
ユーザーを意識したデザインを考える能力が必須です。
ユーザー目線で考え、「主に利用する年齢層はどのくらいなのか」「文字の配置は読みやすいか」「ボタンの配置は押しやすいか」などの利用しやすい画面をデザインするためです。また、Webデザイナーに的確に伝えるため、コミュニケーション力も必要になります。
UXデザイナーになるには
UXデザイナーとはユーザー体験を設計をすること
UXとはユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で、ユーザーが製品やサービスを利用した際に得られる体験や経験を指します。UXデザイナーの仕事は、楽しさや心地よさをユーザーに体験してもらうサービス全体の設計をすることです。主な内容はABテスト・SEO施策・マーケティング・工数管理・サイト解析などの情報設計です。
UXデザイナーに必要なスキル・経験
情報設計が主な仕事になるため、マーケティングやSEO、サイト解析といった知識・経験は必須です。また、企画の意図を正確に伝えるコミュニケーション力やユーザーの求めているものを理解する知識も必要になります。
UXデザイナーを目指すには幅広い知識や経験が必要です。UIデザイナーを経験し、スキルアップしてキャリアアップを目指すのがおすすめです。
フリーランスになるには
フリーランスのWebデザイナーに必要なこと
昨今の働き方の多様化により、フリーランスのWebデザイナーも増えてきています。他の職種へとキャリアアップせずに、フリーランスとして独立することもキャリアパスのひとつの選択肢です。
フリーランスにとって仕事をする場所や時間を縛られないことは大きな魅力ですが、営業から事務処理まで全てを行わなければなりません。Webデザインの知識や技術だけではなく、営業力・経営力も必要になります。また、デザインや経理について分からないことも自分で解決していく行動力が欠かせません。
Webデザイナーからのキャリアパスにはスキルアップが大切
Webデザイナーで多くの経験を積むことにより、たくさんのキャリアパスから活躍の場を広げていくことができます。共通していることは、新しいキャリアにはスキルアップが必須です。これからキャリアアップを考えている方は、日頃から新しい知識や経験を得て、スキルアップを心がけてはいかがでしょうか。