インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、一般ユーザーの行動ログとデモグラフィック(属性)情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、2019年1月~10月のWebサイトのアクセス数、スマートフォンのアプリの起動数を調査し、ランキングを作成。
前年と比較してユーザー数が伸びているWebサイト、アプリについても分析を行っています。
【調査・分析概要】
全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2019年1月~10月のネット行動ログを分析。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。Webサイトの「カテゴリ」はヴァリューズが独自に定義。
※アプリのユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。アプリのカテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリより取得。メール、Google Chrome、YouTube、Googleマップ、Gmailなどプリインストールアプリは対象外とする。
◆2019年の年間トップWebサイトはGoogle、2位にAmazon、3位に楽天市場
まずは、2019年Webサイト上位の顔ぶれを見てみましょう。
トップは検索エンジンの「Google」。2位は「Amazon.co.jp」、3位は「楽天市場」で2大ショッピングモールのユーザー数が拮抗しています。上位3サイトはPCとスマートフォン合わせて、のべ1億人以上がWebサイトに訪れており、日常利用が定着していると言えるでしょう。
5位はSNSの「Twitter」。「Facebook」は10位となっており、Webサイトの訪問者数はTwitterに軍配が上がりました。
4位「Yahoo!JAPAN」、7位「Yahoo!ニュース」、11位「Yahoo!ショッピング」など “Yahoo!関連”サイトも複数ランクインしており、Yahoo!の根強い人気がうかがえます。
8位は動画配信系サービスでは唯一ランクインした「YouTube」。他の動画サイトの追随を許しません。
9位はインターネット百科事典の「ウィキペディア (Wikipedia)」。Googleで人名などを検索するとウィキペディアが検索結果の上位に出てくることも多く、Googleでの検索ユーザー増加との関連が考えられます。
◆対前年ユーザー増加数でもGoogle強し!東京五輪の公式サイトやビジネスマン向けメディアも急伸
次に、昨年2018年と比較してユーザー数が伸びたWebサイトを調査。
ユーザー増加数ランキングでも「Google」はトップとなり、検索ニーズはより一層高まっていることがわかります。
カテゴリをみると、メディアが数多くランクインしていることが特徴的でした。中でも「Smartザテレビジョン」や「FNN.jpプライムオンライン」など、芸能・テレビ番組に関連するメディアが大きくユーザー数を伸ばしています。
また、東京オリンピック・パラリンピックを2020年に控え、観戦チケットの抽選販売も話題を集めたことから、公式Webサイト「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」も上位にランクインしていました。
新興のメディアプラットフォームとしては「note」が上位にランクイン。文章、写真、イラスト、映像などのコンテンツを個人が配信できるサイトが伸長しました。
ビジネスパーソン向けWebマガジン「TRANS.Biz」はビジネス知識、マナーなどの情報が満載のキュレーションメディア。前年と比べると大幅にユーザー数が増加しましたが、『まずはネットで検索して調べてみよう』というビジネスマンの検索ニーズにマッチしているのかもしれません。
◆アプリのトップは「LINE」、利用ユーザー数は1億人に迫る勢い
スマートフォンのアプリについても、2019年1月~10月の起動ユーザー数を調査することで、“実際によく使われているアプリ”をランキングにしました。
2019年最も利用されていたアプリは、「LINE」でした。利用ユーザー数は約9300万人と1億人に迫る勢いで、2位の「Twitter」に大差をつける結果となりました。「Twitter」はWebサイトのランキングでは5位でしたが、アプリでは2位に浮上しています。
3位は「Amazonショッピング」で5000万弱人が利用していました。4位は「Facebook」、5位は「Yahoo!」となりました。「Yahoo!」は、天気や乗換案内、ショッピングなど様々なサービスがランクインしています。
また、6位には「Instagram」がランクインしており、アプリではSNS系が上位を占めました。
◆対前年の伸び率・アプリユーザー増加数では「PayPay」が他を圧倒して大幅躍進
昨年と比較して利用者数が伸びたアプリを調査したところ、トップはスマホ決済アプリ「PayPay」でした。2018年10月にサービスを開始したため、2019年の前年比は驚異的な伸び率となっています。
昨年12月に続き、「PayPay」がおこなった総額100億円をユーザーに還元するプロモーション『100億円キャンペーン』が話題となり、10月には消費税増税に伴うキャッシュレス・ポイント還元事業の追い風も受けて、アプリユーザー数増加につながったことが考えられます。
他には通信キャリア系決済アプリの「d払い」も前年比が約4倍に伸びており、「楽天ペイ」、「Google Pay」など、全体的にスマホ決済アプリが躍進していました。
また、「セブン-イレブン」、「ローソン」など、コンビニ公式アプリも利用者数を伸ばしています。コンビニ公式アプリは、店舗検索や商品情報、お得なクーポンなどの情報を入手できることもあり、日常利用が定着していることが考えられます。
ニュース系アプリでは、千鳥や日向坂46などが、便利機能やコンテンツを紹介するCMが話題となった「SmartNews」、マクドナルドの無料クーポンがもらえるCMを展開した「グノシー」がランクインしました。
今回の調査結果から、Webサイトでは「Google」、アプリでは「LINE」が圧倒的強さを誇り、特に2019年は「PayPay」をはじめとしたスマホ決済アプリの躍進が著しい一年であったことがわかりました。
来年2020年はどのようなネットサービスが消費者の注目を集めるのでしょうか。新しいサービスの登場にも期待したいところです。