UXデザインの成功事例7選|UXとは?従来のデザインとの違いは?

新規事業における基本的な課題のひとつに、「ユーザーが欲しがるものをつくる」というポイントがあります。それを実現させるには、ユーザーのことを深く理解しなくてはいけません。

この記事では、新規事業の成功率を高めるUXデザインについて、基本知識から成功事例まで紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。


UXデザインとは?従来のデザインとの違いを知ろう

まず、この見出しではUXデザインとは何か、従来のデザインと何が異なるかについて3つのポイントに分けて詳しく解説します。

ポイントは「モノ」ではなく「コト」

UXデザインのUXとは「User Experience」の略であり、ユーザーが製品・サービスを通して得られる体験をデザインするという意味があります。優れたユーザー体験を実現するためには、ユーザーとサービスをつなぐUI(User Interface)を快適に設計することが重要です。

また、従来のデザインは、主に製品などの「モノ」に対して使用されていましたが、UXデザインは体験という「コト」をデザインするのが特徴です。

ユーザーは製品(モノ)そのものではなく、製品によって得られる体験(コト)を求めています。そのことを理解したうえで、私たちは製品を企画・設計・開発しなくてはいけません。

ユーザーと同じ視点を持つことが大事

ユーザーが体験で得られる喜びを深く理解するには、以下の点に気を付けなくてはいけません。

  • 体験は個人によって感じ方が異なる
  • 体験は嬉しい以外にも残念、悲しいなど主観的な善し悪しがある
  • 体験は人の感情・記憶として残るものである

体験とは個人的・感覚的・主観的なもののため、デザインとして扱いづらい要素だったりします。

ユーザーが感じるポジティブ体験をデザインするためには、「モノ」や「コト」ではなく「ヒト」について詳しく理解する必要があります。つまり、「ユーザー視点」がUXデザインにおいてとても重要であることを理解しておきましょう。

「コト」のデザインの仕組みをつくる

「ユーザー視点」でデザインを設計すると言うと、ものすごく難しいことに思えますが、私たちは自然と日常生活のなかで体験のデザインを行っています。

家族や恋人など、特定の相手を喜ばせるためにプレゼントを用意したり、旅行を計画したりすることは、体験のデザインのひとつです。

もちろん、事業開発における体験のデザインは、上記に挙げたような個人の設計とは異なりますが、根本にある「相手を喜ばせたい」という思いはどちらも変わりません。

ただ、UXデザインの場合は特定の人物の好みを見るのではなく、多くのユーザーに共通する心理パターンを見抜くことが 求められます。そのためには、共通の体験を引き起こす環境や状況、文化的な背景などをよく理解したうえでデザインの仕組みを作る必要があるのです。


UXデザインの成功事例7選

UXデザインの設計や仕組みを理解するためにも、実際にUXデザインを導入してグロースした企業をチェックしておきましょう。

UXデザインの成功事例を7選紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

Oisix

オイシックス株式会社が手掛ける「Oisix」は、有機野菜・無添加食品などを取り扱う食品宅配専門のECサービスです。

Oisixの定期注文ができるアプリは、限定されたユーザーのみに公開していたため、ロイヤリティが高いにも関わらず売上単価が低いという状態でした。

そこで、きちんとユーザー視点に立って商品の訴求をしっかり行うようにしたり、特集を回遊できるようにしたりするなどの施策をいくつか講じることで、売上単価をアップさせることに成功しました。

FiNC

FiNCは、予防ヘルスケア×AIに特化したテクノロジーベンチャー企業です。「ウェルネス経営ソリューション」など、企業や個人に向けた健康に関わるさまざまなサービスを提供しています。

FiNCは2015年に、UI/UXデザインを強みとする株式会社グッドパッチと資本業務提携を結びました。これにより、グッドパッチはFiNCのUX・UIデザインをサポートすることになりました。

今後注目されるであろうヘルスケア領域において、デザインを強みとした新しいサービスの開発や価値の提供を行っています。

ZOZO

株式会社ZOZOは、ファッション通販サイトの「ZOZOTOWN」、体型を計測してひとりひとりに合ったサイズのスーツを提供する「ZOZOSUIT」、「WEAR」などを次々と世に送り出している会社です。

ZOZOの画期的なサービスは、技術ありきではなく目の前にある課題をどのように解決・実現するかを考えることがポイントになっています。

ZOZOは、自分たちがカッコいい・使いやすいものを作り出せば、自ずとユーザー体験は高まると考えています。現に「ZOZO」と「ZOZOSUIT」も、前代表取締役社長の前澤友作氏がもつ、小柄な体型という個人的な悩みから生まれたものだと言われています。

Coke ON

「CokeON」は、コカ・コーラの公式アプリです。CokeON対応自販機と接続してドリンクを購入すれば、スタンプを集めることができます。

「CokeON」の最大の魅力は、15個スタンプが貯まれば好きなドリンク1本と交換できること。このアプリを利用すれば、ユーザーはスタンプを集めるのが楽しい、ドリンクと交換できて嬉しいという体験ができます。

また、最終的にはコカ・コーラに対するイメージ向上にもつなげている、UXデザインの成功事例です。

FABRIC TOKYO

「FABRIC TOKYO」は、ビジネスウェアのオーダーメイドサービスを行っています。

サイズ測定にかかる時間は30~60分で、一度測ればサイズがクラウドに保存されるため、その場でオーダーしなくても構いません。一度測定すれば、必要なときにネットで注文するだけで、自分に合ったサイズのビジネスウェアを購入できます。

FABRIC TOKYOはこのサービスを展開することにより、従来のオーダーメイドのイメージを払拭することに成功。

毎回スーツを購入するために、わざわざ時間を作る必要がなくなったため、いつでも気軽にオーダーメイドを楽しめるようになりました。

LINE

SNSの代表格として人気の高いLINE。LINEは、UXデザインに注力したサービスを開発している企業です。

一般的なメールのやり取りは、受信箱を見てメッセージを1件ずつ開いて確認しなくてはいけません。しかし、LINEは相手とのやりとりがすべて時系列で表示されるので、会話しているようにやり取りできる利便性があります。

LINEのUXデザインは、スタンプ送信時に毎回「送信しますか?」という確認を省いたこと。それ以外にも利用するための会員登録や、ログインを不要にする対策を立てました。

その結果、ユーザーが使いやすい・お友達を誘いやすいという体験をして、爆発的なユーザー数の獲得に成功しました。

アイカサ

カサを普段使用しない方や、家にあるのに購入するのはもったいないと考えている方にとって、「アイカサ」はシェアできる嬉しい体験を提供しているサービスです。

これまではカサが必要なときは購入するしかありませんでした。しかし、アイカサは1日(24時間)70円で利用できるので、ビニール傘よりも安いのが嬉しいポイント。

1か月で420円以上はかからないようになっており、雨が降る季節は重宝しそうです。また、たくさん利用したい方は月額280円で利用できる使い放題プランもあります。


新規事業成功のカギを握るUXデザイン

「モノ」のためにデザインするのではなく、ユーザーが体験する「コト」に着目して設計するUXデザイン。今回紹介したUXデザインのポイントや成功事例を参考にすれば、新規事業の成功確率を高めることにつながるはずです。

これから新規事業の立ち上げを考えている方の助けになれば幸いです。


ライター
かわまる
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