カスタマージャーニーマップ、通称「CJM」の作成は、UXデザインにおいて重要な工程のひとつですが、その作成方法は未だ確立されていないのが現状です。
そこで、この記事ではUXデザインにおけるカスタマージャーニーマップの位置付けと作成方法を紹介します。また、注意点についても説明しますので、参考にしてより良質なカスタマージャーニーマップを完成させましょう。
UXデザインにおけるカスタマージャーニーマップとは?
UXデザインには有名なプロセスとして6つのステップが存在します。カスタマージャーニーマップはその工程の1つにあたります。
◇カスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーとは、ペルソナ(ターゲットとなるユーザー像)が体験するサービスを可視化したもので、時系列別にマップの形に作成したものがカスタマージャーニーマップです。カスタマージャーニーマップには具体的な行動だけではなく、行動に至る経緯、感情や思考、不満なども書き出していく必要があります。
良質なUXデザインを届けるためには、顧客とサービスやアプリが接するすべての機会を最適化することが大切です。
最適化するには制作会社の担当者だけではなく、クライアントはもちろん企画、営業、マーケティング、といった各部署を横断しチームとして巻き込む必要があります。
UXデザインにおいてカスタマージャーニーマップは欠かせない存在なのです。
◇カスタマージャーニーマップはUXデザインの第4ステップ
UXデザインの6つの工程は以下の通りです。
UXデザインのための6ステップ
- 目的の設定
- リサーチの実施
- ペルソナ・シナリオの設定
- カスタマージャーニーマップの作成
- プロトタイプの作成
- ユーザビリティテスト
カスタマージャーニーマップは4番目のステップにあたります。そのためカスタマージャーニーマップはペルソナ・シナリオという明確なターゲットユーザーの行動に基づいて作成されます。
カスタマージャーニーマップの基本は5フェーズ5項目
UXデザインにおけるカスタマージャーニーマップの基本形は5つのフェーズと5つの項目からなります。時系列となる5フェーズを縦軸に、その際の行動や感情などの5項目をそれぞれに記入します。
UXデザインにおけるカスタマージャーニーマップの5フェーズ
- 検討前・きっかけ
- 情報収集・閲覧
- 登録
- 行動
- 体験
UXデザインにおけるカスタマージャーニーマップの5項目
- タッチポイント
- 行動
- 思考・感情
- 課題
- 解決策
次の章では具体的な事例を用いて、5フェーズとUXデザインにおけるカスタマージャーニーマップをどのように当てはめていくのかみていきましょう。
カスタマージャーニーマップの具体的事例
UXデザインにおけるカスタマージャーニーマップの具体的事例を3つ紹介します。
とくにmercariでは、カスタマージャーニーマップを利用した改善点の洗い出しについても説明しましょう。
◇mercari
mercariのカスタマージャーニーマップを作成すると、各フェイズごとに顧客が「面倒そう」だと思う箇所が明確になります。
最初は漠然と「服を売るのは面倒そう」だと思っていたものが、mercariを閲覧することで、「売りたいが、登録とか面倒そう」と1段階進んで具体的になります。ここで、すかさず「登録はGoogleアカウントやfacebookが使えて、意外と簡単」と思ってもらえる場所に登録方法を明記する必要があります。
つぎに「商品写真の撮影など面倒そう」と思っているところに、スマホのアプリ内で撮影ができ、そのままアップできるため簡単との説明や動画を配置しなければ顧客は離脱してしまいます。
このようにフェーズを重ねることで顧客をUXデザインへと導いていきましょう。
◇クックパッド・プロのレシピ
◇Uber Eats
カスタマージャーニーマップで課題や修正点が見える
UXデザインにおいてはカスタマージャーニーマップでペルソナの行動を把握することで、顧客の離脱ポイントはどこなのかが明確になります。
顧客が抱く感情に対して適切な場所に解決策を配置し、最適化させることがUXデザインには重要です。
カスタマージャーニーマップによって課題や修正点をうきぼりにすることで、より良質なUXデザインを顧客へと届けましょう。