【エンジニア調査】現役エンジニアの80%以上が「定年後も働きたい」

「終身雇用」や「定年」という考え方が必ずしも当然とは言えなくなりつつある今の時代。クリエイターたちの間でも、その意識の変化は着実に起きているようです。

エンジニアリングソリューションを提供する株式会社メイテックは、エンジニア1,000人と非エンジニア1,000人で合計2,000人を対象に、「定年後の就労、生活費と年金」に関するアンケート調査を行いました。今回はその調査結果をご紹介します。

【1. 現役エンジニアの81.2%が「定年後も働きたい」。必要なのは「資格」「体力」「コミュニケーション能力」(n=1000)】

現役世代の8割が「定年後も働きたい」
◇「定年後も今の組織で求められる人材だと思っている」現役エンジニアの41.2%
◇定年後も組織に求められると考えられるのは「専門的なスキルがある」「資格がある」人材
◇定年後に働くために必要なのは「資格」、「体力」、「コミュニケーション能力」

【2. エンジニアの63.4%が「老後のために貯蓄をしている」、現在「2001万円以上」貯蓄があるのは8.6%(n=1000)】

◇エンジニアの63.4%が「老後のための貯蓄がある」
◇老後のために必要だと思う貯蓄額「2001万円以上」エンジニアの45.0%、現在の貯蓄額が「2001万円以上」は8.6%
◇老後のために必要だと思う貯蓄額の理由1位は「年金にあまり期待できないので

【3. 65歳以上シニアの33.2%が現在「働いている」、2017年より11.9ポイント減(n=1000)】

◇「働きたい」65歳以上のシニアは38.2%、2017年より6.2ポイント減
◇働きたいシニアの7割以上が「収入を得たいから」、働きたい理由のトップ
現在「働いている」シニアは33.2%、2017年より11.9ポイント減
◇就労先は「紹介」(16.4%)で。「自分で起業」(15.5%)した人も

【4. シニア世代の生活、毎月の生活費は「20~24万円」。半数が「年金だけでは苦しい」(n=1000)】

65歳以上シニア、毎月の生活費は「20~24万円」が最多
◇生活費は「年金だけで足りている」エンジニアの38.2%、「年金だけでは苦しい」49.2%

【調査背景】

老後の生活に公的年金以外に2000万円必要だと金融審議会が試算した、「老後2000万円」問題が話題となっています。

2013年の「高年齢者雇用安定法改正に伴い、定年退職の年齢が本人の希望により65歳まで延長されました。また、今後は70歳まで延長、または定年退職自体が廃止されるといった可能性もあるようです。現在働いている現役エンジニアに、定年後も働きたいかどうかの調査を実施しました。

【調査結果】

【1. 現役エンジニアの81.2%が「定年後も働きたい」。必要なのは「資格」「体力」「コミュニケーション能力」(n=1000)】

◇現役世代の8割が「定年後も働きたい」
・30~64歳の現役会社員に定年後の就労について聞いた。「働きたい」と回答した30~64歳の現役「エンジニア」は81.2%、「非エンジニア」は79.6%だった。エンジニア、非エンジニア共に8割前後が定年後の就労を希望している。

・定年後に「働きたい」と回答した804人に職種や職場に対する希望を聞いたところ、「エンジニア」では「現在の勤務先」(43.8%)、「非エンジニア」では「自宅から通いやすい職場」(41.7%)が最も多かった。
・「自分の能力・経験が生かせる仕事」(エンジニア:31.5%、非エンジニア:27.1%)、「それまでの職場と同じ業種・職種」(エンジニア:18.0%、非エンジニア:15.8%)などの項目でエンジニアの方が高い結果となっていることから、エンジニアは定年後の就労先について業務内容を重視する傾向にあることが分かる。
・「報酬が今と変わらないまたはそれ以上の仕事」(エンジニア:11.8%、非エンジニア:15.3%)、「勤務日数について融通してくれる職場」(エンジニア:17.0%、非エンジニア:22.1%)など、非エンジニアは就業条件を重視する傾向にあると言える。

◇「定年後も今の組織で求められる人材だと思っている」現役エンジニアの41.2%
・定年後も今の組織で求められる人材であると考えているかどうかについて、「エンジニア」の41.2%、「非エンジニア」の42.2%が「そう思う」と回答した。

◇定年後も組織に求められると考えられるのは「専門的なスキルがある」「資格がある」人材
・「定年後も今の組織で求められる人材だと思っている」と回答した人にその理由を聞いた。エンジニア、非エンジニアともに「専門的なスキルがある」「資格がある」といった回答が多く見られた。

【エンジニア】
- 設備保全のノウハウ、資格の取得指導の実績(32歳・男性)
- 会社独自の技術的な知識があるから(37歳・女性)
- IT系なので必要とされると思う(39歳・男性)
- 取引先から必要とされているから(45歳・男性)
- 少人数の会社なので一人一人の存在意義が大きい(46歳・女性)
- 他の人にないスキルを持っているため(46歳・女性)
- 既にオファーを受けている(49歳・男性)
- 専門スキルに加え業務スキルもあり、複数プロジェクトの品質監査を並行して実施できるので(52歳・男性)
- 技術が人並外れて勝れている(56歳・女性)
- 貴金属関係の職人技を持っているので(58歳・男性)
- 専門的なスキルと豊富な経験とマネジメント能力を有しているので(59歳・男性)
- 今の工場で唯一の資格を持って一人で勤務しているから(60歳・男性)
- 問題解決の能力がある(60歳・女性)
- 酸いも甘いも噛み分けた、いぶし銀の味(61歳・男性)
- 自分の仕事を引き継ぐ人材がまだ育たない(64歳・男性)
- 60歳の定年後も働いていて70歳まで来てくださいと言われているので(64歳・女性)

【非エンジニア】
- 現在の体制ではそもそも母数が少なく、代わりが簡単にきかないから(30歳・男性)
- 専門的なスキルを持っているため(33歳・男性)
- 看護師という資格があるので(33歳・女性)
- 専門的なスキルがあり、意欲的に行動するため(34歳・女性)
- 専門的な国家資格を持っているため(40歳・男性)
- 職場に定年した後も働いている人がいてロールモデルとなっている(44歳・女性)
- 特殊な免許なので(46歳・男性)
- 得意先に絶大な評価を受けているから(48歳・男性)
- 長く働く人がそのまま働ける会社だから(48歳・女性)
- マネジメント業務ができる(51歳・女性)
- 人手不足のため、職場が働きつづけて欲しいと思っている(52歳・女性)
- 医療機関に在籍しています。担当している患者様が多くいらっしゃるので、可能な限り、続けて欲しいと言われています(52歳・女性)
- 人事管理、労務管理の知識があるので(55歳・男性)
- コミュニケーションを通して円滑にチームでの作業を指示できる(57歳・女性)
- 教員免許を持っているから(59歳・女性)
- 今まで蓄積したスキルを活かして指導できるから(60歳・男性)
- 現在の業務を担当しているのが自分だけであるため(61歳・男性)
- 経理業務担当は自分一人なので(61歳・女性)
- 会社にとって、コスパの良い人材だと自負しているから(62歳・女性)

◇定年後に働くために必要なのは「資格」、「体力」、「コミュニケーション能力」
・定年後に働き続けるために必要なスキルは何だと思うかという設問に対しては、「専門的な資格」「体力」「コミュニケーション能力」などの回答が多く見られた。

【エンジニア】
- 折衝能力(32歳・男性)
- 業務経験年数、勤勉であること (34歳・女性)
- 若い方に対する意地やプライドを捨て極力フラットに接することだと思います(35歳・男性)
- その分野の第一人者であること(豊富な経験と専門知識)(36歳・男性)
- 経験によるアドバイスなどができる(38歳・女性)
- コミュニケーション能力と集中力(40歳・女性)
- 会社の業務経験年数。単純に労働力不足からの消去法と考えている(43歳・男性)
- 人間的に大人であること、尊敬される実績と技術があること(44歳・男性)
- スキル云々ではなく、先ずは健康な体(46歳・男性)
- 難易度の高い資格(46歳・男性)
- 特殊な免許、教員免許、医師免許(47歳・女性)
- 仲間とうまくやっていける事(52歳・女性)
- 専門的な需要のある技術(53歳・女性)
- 環境変化に対応できる意識の変革(55歳・男性)
- コミュニケーション能力のみではなく、一つの実務に精通していること(56歳・男性)
- 動体視力と体力(56歳・女性)
- 顧客とのコミュニケーション能力、先見性、論理的な思考力(57歳・男性)
- 他よりも抜きんでた知識と経験(60歳・男性)
- 他人には簡単に代われないスキル(60歳・男性)
- 国家資格、コミュニケーション能力(61歳・男性)
- 仕事を行う上での知識、過去の経験にこだわらない柔軟性、意欲(63歳・男性)
- 先を読んで行動できること(64歳・女性)

【非エンジニア】
- 行動力(30歳・女性)
- まずは体力、時代に遅れないようにする事(31歳・男性)
- 管理職としての能力(32歳・男性)
- 身体を使わない専門的な資格(32歳・男性)
- コミュニケーション能力、生かせる経験、臨機応変な対応(32歳・女性)
- 人間関係、コミュニケーション能力(33歳・女性)
- 専門的または特殊な資格(38歳・男性)
- 社会の動向にあった知識と対応能力(38歳・女性)
- 人脈やコミュニケーション能力だと思います(45歳・男性)
- なんでも引き受けられるスキル(46歳・女性)
- 偉そうにしない人間性(47歳・女性)
- コミュニケーション能力、実績、謙虚さ。それ以前にどれほどの役職であろうと定年後に十分な能力発揮できるかどうかはわからない(48歳・男性)
- 既存の知識と経験、新しいことを覚える能力。適応力(49歳・女性)
- 公的な資格(50歳・男性)
- 仕事に対する真面目さと、対人関係が上手な人、コミュニケーション能力が高い人(51歳・男性)
- 経験年数なりのスキル。信頼を得られていること(52歳・女性)
- スキルより働きたい気持ちと体力が必要だと思う(53歳・女性)
- 業務効率の良さ(57歳・女性)
- 専門的なスキルと管理職を支える力(59歳・男性)
- 専門性および汎用性(60歳・男性)
- 穏やかな人格(61歳・男性)
- 専門的な経理業務のスキル(61歳・女性)
- 長年の経験を踏まえた知見、傾聴を基本とする分析力(62歳・男性)
- 専門的知識。コミュニケーション能力 小さな会社なら仕事を任せてもらえる能力(63歳・女性)
- 認定薬剤師の資格、コミュニケーション能力(64歳・女性)

【2. エンジニアの63.4%が「老後のために貯蓄をしている」、現在「2001万円以上」貯蓄があるのは8.6%(n=1000)】

◇エンジニアの63.4%が「老後のための貯蓄がある」
・30~64歳の現役会社員に、現在の老後のための貯蓄額について聞いたところ、「エンジニア」の63.4%、「非エンジニア」の56.0%が「貯蓄がある」と回答した。貯蓄のある人は「非エンジニア」よりも「エンジニア」の方が7.4ポイント多かった。

・先ほどの結果を現在の年収別に集計した。現在の年収が「~199万円」(52.9%)、「200~399万円」(53.1%)の人でも5割以上が「貯蓄がある」と回答している。

◇老後のために必要だと思う貯蓄額「2001万円以上」エンジニアの45.0%、現在の貯蓄額が「2001万円以上」は8.6%
・老後のために必要だと思う貯蓄額について聞いたところ、「2001万円~」と回答した人「エンジニア」は45.0%、「非エンジニア」は41.4%だった。
・先ほどの調査で現在の貯蓄額が「2001万円~」と回答した「エンジニア」は8.6%、「非エンジニア」で7.4%だった。

◇老後のために必要だと思う貯蓄額の理由1位は「年金にあまり期待できないので」
・先ほどの設問に対して回答理由を聞いてみたところ、「エンジニア」(42.0%)「非エンジニア」(42.2%)共に「年金にあまり期待できないので」がトップとなった。さらに、「不安なので多めに用意しておきたい」(エンジニア:25.6%、非エンジニア21.6%)、「退職金にあまり期待できないので」(エンジニア:21.8%、非エンジニア18.4%)が続いた。
・「その他」の回答では、「老後資金に2000万円必要と報道されたので」という意見が多く見られた。

【3. 65歳以上シニアの33.2%が現在「働いている」、2017年より11.9ポイント減(n=1000)】

◇「働きたい」65歳以上のシニアは38.2%、2017年より6.2ポイント減
・65歳以上の男女1000人に「働きたい」と考えているかどうか聞いた。現在、または退職前に「エンジニア」として就業していた人と、それ以外の職業の「非エンジニア」とで比較した結果、「働きたい」と答えた「エンジニア」は39.8%、「非エンジニア」は41.2%だった。

◇働きたいシニアの7割以上が「収入を得たいから」、働きたい理由のトップ
・先ほどの設問にて「働きたい」と回答した405人に働きたいと思う理由を聞いたところ、「収入を得たいから」が最も多く「エンジニア」で75.9%、「非エンジニア」で77.7%だった。さらに「社会との接点がほしいから」(エンジニア:40.2%、非エンジニア:37.4%)、「生活習慣を維持したいから」(エンジニア:38.2%、非エンジニア:37.9%)が多くの回答を得た。
・「社会との接点がほしいから」(エンジニア:40.2%、非エンジニア:37.4%)、「人間関係を維持したいから」(エンジニア:16.6%、非エンジニア:12.6%)の項目でエンジニアが非エンジニアより高くなっていることから、エンジニアの方が社会や人とのつながりを重視する傾向があると言える。

・2017年の結果と比較すると、トップは「収入を得たいから」(2019年:75.9%、2017年:71.2%)で変わりなかった。
・「社会との接点がほしいから」(2019年:41.2%、2017年:25.1%)、「生活習慣を維持したいから」(2019年:37.3%、2017年:11.6%)の2つの項目で2017年よりも増加が見られた。

◇現在「働いている」シニアは33.2%、2017年より11.9ポイント減
・現在の就労状況について聞いたところ、「働いている」と答えたのは「エンジニア」で30.4%、「非エンジニア」で43.0%だった。

◇就労先は「紹介」(16.4%)で。「自分で起業」(15.5%)した人も
・就労先の見つけ方について、「エンジニア」は「取引先・仕事仲間・知人などが仕事を紹介してくれた」が最も高く22.2%だった。2位が「自分で起業した」(18.1%)、3位は「以前からの勤務先で定年を迎えたが、退職した後に再雇用された」(16.7%)だった。「非エンジニア」では「自分で起業した」(14.8%)がトップだった。
・「その他」ではシルバー人材センターを利用したという回答が多く見られた。

・2017年の結果と比較すると、「自分で起業した」(2019年:15.5%、2017年:30.0%)が14.5ポイント減少し、理由の第2位となっている。

【4. シニア世代の生活、毎月の生活費は「20~24万円」。半数が「年金だけでは苦しい」(n=1000)】

◇65歳以上シニア、毎月の生活費は「20~24万円」が最多
・65歳以上の男女1000人に現在の生活費を月額で聞いた。現在、または退職前に「エンジニア」として就業していた人、それ以外の職業の「非エンジニア」に分けてそれぞれ集計した結果、最も多かったのは「エンジニア」「非エンジニア」共に「20~24万円」(エンジニア:24.6%、非エンジニア:23.6%)だった。

◇生活費は「年金だけで足りている」エンジニアの38.2%、「年金だけでは苦しい」49.2%
・現在、生活費は年金だけで足りているか聞いたところ、「エンジニア」の38.2%が「年金だけで足りている」「贅沢をしなければ足りている」と回答した。一方で49.2%が「年金だけでは苦しい」「なんとかなるが苦しい」と答えている。
・「非エンジニア」では33.8%が「足りている」と回答。52.6%が「苦しい」と答えた。



【調査概要】

調査方法:ネットリサーチ

【1. 現役エンジニアの81.2%が「定年後も働きたい」。必要なのは「資格」「体力」「コミュニケーション能力」(n=1000)】
期間:2019年8月29日~9月5日
対象:全国のエンジニア500名・非エンジニア500名

【2. エンジニアの63.4%が「老後のために貯蓄をしている」、現在「2001万円以上」貯蓄があるのは8.6%(n=1000)】
期間:2019年7月16日~8月9日
対象:全国のエンジニア500名・非エンジニア500名

【3. 65歳以上シニアの33.2%が現在「働いている」、2017年より11.9ポイント減(n=1000)】
期間:2019年7月12日~8月9日
対象:65歳以上のシニア1000名

【4. シニア世代の生活、毎月の生活費は「20~24万円」。半数が「年金だけでは苦しい」(65歳以上のシニア n=1000)】
期間:2019年8月29日~9月5日
対象:65歳以上のシニア1000名


今回の調査では、現役エンジニアの8割以上の人たちが定年後も仕事を続けていきたいと考える傾向にあることがわかりました。「老後2000万円」問題が話題となりましたが、今後ますます年金だけを頼りにする生活は望めなくなってきています。エンジニアにとっても、年金や定年といった仕組みを前提としないようなキャリア形成が必要になってきているのかもしれません。

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