Webデザイナーが業務にあたるなかで、サイトの遷移がスムーズにできるなど、ユーザ体験を考慮したデザインについて学んでいる方も多いでしょう。よりシンプルなデザインを追求する、見栄えの美しさと操作性を両立させるなど、デザイナーとして目指すところがあると思います。
一方、自社またはクライアント目線で考えれば、売上に貢献することも重要です。Webデザイナーとしてお金をもらう以上、発注者の売上に貢献できるよう、デザインで工夫をこらしていくことが大切になります。
そこで今回は、長期的な視点で売上に貢献できるようなスキルを紹介します。また、大切な概念であるLTVについても解説していますので、参考にしてください。
LTVの概念をおさえよう
まずは、LTVについて説明します。LTVとは、Life Time Valueの略で、顧客生涯価値と訳されます。たとえば、顧客がある商品を購入したとします。商品を購入後、ブランド自体を気に入り、同じものやほかのものまで購入する可能性もあるでしょう。このように、顧客が生涯でどの程度利益をもたらしてくれるかを考える際に、LTVは利用されます。
一度の購入金額が少なくても、長期間にわたりこまめに購入してくれればLTVは高くなっていきます。一方、一度高額のものを購入したとしても、その後商品を購入することがなければ、少額でコツコツ購入してくれる人のほうがLTVは高くなるかもしれません。
商品やサービスの購入は、一度でない場合が多いです。LTVの観点から、Webデザイナーとしてなにができるかを考えてみましょう。もしも購入回数を上げたいのであれば、購入までの動線がよりわかりやすいデザインにする必要があります。一方、1回あたりの購入単価を上げたい場合には、画像などを用いながら商品をよく見せられるよう、リッチなサイトを作っていく必要があるかもしれません。
LTV向上につながるWebデザイナー向けスキル①:UXデザイン
「LTV向上のために、Webデザイナーとしてできることはないか」と考えた場合、UXデザインを学んでみるのがおすすめです。よく耳にする言葉だとは思いますが、今一度解説します。
UXデザインのUXは、User Experienceの略です。日本語では、ユーザー体験と訳されることが多い言葉です。具体的には、ユーザーの主観・時間・状況に応じた体験のことを指します。UXデザインはユーザー視点に立ち、ユーザーによりよい体験をしてもらうことを目的としています。
UXデザインを取り入れる際には、ユーザー視点が大切です。サービスや商品を購入するユーザーを想像し、どのようにしてサイトやアプリを利用するかを想定します。その上で、快適さや満足感の得られるサイトを作れるようにしていくとよいでしょう。
とはいえ、Webデザイナーだけでサイトの設計等は決められません。関係各所と協力しながら、UXデザインを取り入れていきましょう。ユーザーによりよい体験をしてもらえれば、LTVも高くなるはずです。
なお、UX・UXデザインにはいくつもの定義・考え方があります。本記事で紹介しているものが全てではない点にご注意ください。
LTV向上につながるWebデザイナー向けスキル②:カスタマージャーニー
カスタマージャーニーを学ぶのもおすすめです。カスタマージャーニーは、日本語に直訳すると「顧客の旅」ですが、顧客がサービスや商品を購入するまでの道のりと考えるとわかりやすいでしょう。
あなたがあるサービスや商品を購入する際、どのような順序で購入することになるでしょうか。まずは、気になった商品を調べるのではないでしょうか。そして、競合他社と比較をしながら、自分にぴったりのものを選んでいくかと思います。その際、サービスや商品の公式サイトを訪れたり、カタログ等を確認したりするでしょう。自分のなかで「これにしよう」というサービス・商品があれば、サイトや店舗で購入します。このように、サービス・商品を購入するといっても、そこまでにさまざまな道のりを経ていることがわかります。
Webデザイナーは、商品の比較検討段階から購入時までデザインのプロフェッショナルとして携わることになります。比較検討時には、商品を選んだり比較したりしやすいようなデザインに。購入時にはスムーズに購入できるようなデザインにしていくことでしょう。
このように、サイトで扱うサービスや商品のカスタマージャーニーを考えていくと、Webデザインはよりユーザー目線になるのではないでしょうか。その結果、LTV向上が期待できるのです。
既存のスキルをかけ合わせてLTV向上につなげよう
今回は、Webデザイナーが身につけるべきスキルについて紹介しました。サービス・商品のイメージやサイトの使い勝手は、デザインが担っている部分も多いです。Webデザイナーとして、どのようにLTV向上に貢献できるのかを考えながら、日々の業務にあたるとよいでしょう。
今回紹介したUXデザインやカスタマージャーニーを、あなたが今持っているスキルとかけ合わせながら、業務にあたることが大切だといえます。これまでの経験・持ち合わせているスキルは人それぞれです。あなたの今までの経験に新しいスキルをかけ合わせながら、「この人に頼んでよかった」と思われるようなWebデザイナーになれると、活躍の場が広がるかもしれません。