デザインやコンテンツの力でLTV改善に成功した事例を紹介!

LTV(ライフタイムバリュー)とは、顧客ひとりに対して生涯にわたって、どれだけの価値を提供するかを示したマーケティング指標のことです。言葉の意味や、LTVを向上させるための施策はわかっていても、具体的に成功した事例があるのか知りたいと思う方も多いはず。

この記事では、LTVの重要性やデザイン・コンテンツの力でLTV改善に成功した事例、通販企業の書籍出版の成功事例などを紹介します。活かせそうなアイデアがあればぜひチェックしてみてください!


LTVの重要性とは?

まずこの見出しでは、LTVがなぜ重要視されるのか、その理由について3つのポイントに分けて詳しく解説します。

①顧客獲得よりコストがかからない

マーケティング用語にある「1:5の法則」というものを知っていますか。これは、新規の顧客を獲得するためには、既存の顧客の5倍コストがかかるという法則のことです。

このことから、新規顧客の獲得以上に、既存顧客をいかにして維持していくかのほうが重要だとわかります。

既存顧客は、企業の商品やサービスを最低でも1回以上購入しています。そこで、既存顧客向けのキャンペーンやメールマガジンなどを活用することで、既存顧客の再購入を促す販促活動が可能になります。

より多くの利益を得たいとき、わたしたちはついつい新規開拓に目を向けがちです。しかし、実際は既存顧客から継続して利用してもらうことのほうが、少ないコストで利益が上げられることをしっかりと理解しておきましょう。

②市場が飽和状態にある

市場が飽和状態にあると、顧客の新規獲得が難しくなります。そのため、新規獲得ばかりに目を向けるのではなく、既存顧客が離れていかないようにしっかりと定着させることが重要となります。

その時々の経済状況や流行などによって、市場がどのような状態なのか変わってくるので、しっかりと広い視野を持って今の状態を見定めることが大切です。新規顧客の獲得は無限にできるものではないため、顧客をしっかりと繋ぎ止めることを考えていきましょう。

③新規顧客獲得にかける予算を見定められる

1個1,000円の商品に対して、広告費が2,000円かかるとしたら1,000円の赤字になります。しかし、その商品が継続して購入され続けたとしたらどうでしょうか。

もし、3年間にわたり毎月1個購入され続けたとしたら、LTVは36,000円になります。2,000円の広告費も、算出したLTVの約5.5%となりますので、商品単価よりも高かったとしても許容範囲内となるわけです。

化粧品の通販サイトの広告では、よく初回限定で商品価格を半額にしたり、割引価格を導入したりして安く購入できる制度を取り入れています。これこそまさに、LTVを最大限に活用した販売方法だと言えるでしょう。


デザインの力でLTV改善に成功した3つの事例を紹介!

では、実際にデザインの力でLTV改善に成功した事例を紹介します。成功事例を見て、自社でどのように活かせるか参考にしてみてください。

①uni’que(ユニック)の成功事例

uni’queは、「YourNail」という女性向けのネイルサービスを提供している会社です。ユーザーがアプリでネイルをデザインして、ネイルシールをオーダーメイドできるサービスを月額1,180円で展開しています。

自分でデザインした樹脂のフィルムを爪に貼るだけなので、ネイルの時間短縮にもなり、若い女性を中心に大変な人気があります。

プロのネイリストが一つひとつネイルデザインをすると、コストがそれだけかかってしまいますが、「YourNail」は「ユーザーがご自身でネイルデザインする」という点がポイント。約12万以上あるデザインも、すべてデータにしているため在庫を抱える必要もありません。

普段からネイルをしている女性は、定期的に通ってデザインを変えるため、その周期性を活かしたLTV向上の成功事例です。

②MEDULLA(メデュラ)の成功事例

日本初のパーソナライズシャンプーを取り扱う「MEDULLA」は、Webサイトから9つの質問に答えるだけで、3万通りのなかからユーザーに合ったシャンプー・トリートメントのヘアケアセットを届けるサービスを展開しています。

季節に応じて期間限定デザインでヘアケアセットが届くように、顧客を飽きさせない工夫をしっかりと行っています。

商品を購入したあとはフィードバックができる仕組みになっており、利用回数を増やすごとに自分に合ったヘアケアセットが届くのが特徴。スタイリストと一緒にヘアケアセットを選ぶという過程も、顧客の満足度を高めるのに繋げています。

③キリンビールの成功事例

キリンビールの成功事例はデザインそのものというよりはサービスデザインという文脈になりますが、LTV成功事例としてよく取り上げられるものなので紹介いたします。

キリンビールの「キリンホームタップ」は、月額6,900円で自宅用のビールサーバーを借りることができるサービスです。

毎月2回ビールサーバー向けの「一番搾りプレミアム」が、工場から自宅に直送される仕組みになっています。定期的にビールが届くので、買い忘れを防ぐことができる点や、キリンホームタップのサービスを利用している方のみの「限定ビール」が楽しめる点で人気は高まる一方。

不定期に申込みを再開していますが、告知をするとすぐに枠が埋まってしまうほどの人気ぶり。秀逸なサービスデザインでLTVを最大化させている好例だと言えるでしょう。


LTV向上に繋げた通販企業5社のコンテンツ事例を紹介!

自社で運営するウェブサイトの活用だけではなく、書籍などのコンテンツを通じて同業他社との差別化を実現し、結果的にECサイトの売り上げを伸ばすことに成功したLTV向上の事例もあります。

ECサイトをよく見せるためのデザインや、同梱物やメールマガジンの内容を考えるなど、LTVを向上させるにはたくさんの方法があります。そのなかでも、書籍というコンテンツで成功した企業を5社紹介します。

①北欧、暮らしの道具店

● 『暮らしノオト』
● 『オトナのおしゃべりノオト』

「北欧、暮らしの道具店」は、北欧の雑貨や食器を中心に販売しているオンラインショップです。書籍を販売することで、商品の売上をアップさせることに成功しました。  

インテリアや旅行・料理についての特集記事を掲載した冊子を制作し、販売しています。写真をふんだんに使っており、おしゃれなデザインなので見ているだけで癒される冊子です。

②ほぼ日刊イトイ新聞

● 『小さいことばを歌う場所』
● 『ほぼ日手帳ガイドブック』

「ほぼ日刊イトイ新聞」は、1日150万PV以上のアクセスを集める人気サイトです。購読料は無料で広告掲載もしていないにもかかわらず、ネット通販で高い収益を挙げています。

同サイトの代表である糸井重里氏が日々を綴っている『小さいことばを歌う場所』や、オリジナルシリーズの手帳の使い方を解説している『ほぼ日手帳ガイドブック』。これらの書籍を販売することで、サイトのPV率を高め商品の売り上げをアップすることに成功しました。

③株式会社再春館製薬所

● 『再春館製薬所が教える おうち漢方』
● 『再春館製薬所 ニッポンいちの社員食堂―女性社員800人の健康・美・やる気を引き出す』

「株式会社再春館製薬所」は、基礎化粧品の「ドモホルンリンクル」や漢方の医薬品・化粧品の製造・販売を行う企業です。食と健康には密接な関わりがあるという、漢方の考え方にもとづいたレシピや漢方の使い方を解説している書籍です。

書籍を販売することで、お客様の漢方に対する興味を深め、結果的に自社製品の売上げに繋げることができました。

④株式会社オークローンマーケティング

● 『ロングセラーを呼ぶマーケティング』

LTV向上の方法について理解が深められる書籍も2つ紹介したいと思います。ひとつ目が、通信販売事業の「ショップジャパン」を運営する、オークローンマーケティング元代表の著書『ロングセラーを呼ぶマーケティング』。

日本国内で大ヒットした「トゥルースリーパー」や「ビリーズブートキャンプ」などの人気商品を生み出してきた経営者が語る、LTV向上のために参考にしたい書籍です。

⑤株式会社ユーティーオー

● 『中小製造業 逆転のブランディング』

「株式会社ユーティーオー」は、日本国内では稀有なオーダーメイドのカシミヤニット製品メーカーです。本書では代表が旅行先でカシミヤに出会い、ニットメーカーを立ち上げるまでに至った経緯や製品が生まれるまでの物語が綴られています。

株式会社ユーティーオーの戦略を見ることで、LTV向上のヒントが見えるかもしれません。こちらも、LTV向上のために参考にしたい書籍として紹介します。


成功事例を参考にしてLTV向上に役立てよう!

デザインの力でLTV改善に成功した3つの事例と、LTV向上に繋げた通販企業5社の書籍出版の成功事例を紹介しました。

LTVは中長期的な視点で利益・売上に注目できるため、サイトの安定した運営に役立てることができます。今回紹介した成功事例を参考にして、ぜひLTV向上に繋げるべく活用していきましょう。

ライター
かわまる
クリエイター登録して、案件情報を受け取る!

クリエイター登録