LTVを向上させる方法とは?5つの見るべき指標を徹底解説!

企業活動をするうえで欠かせない、重要指標のひとつであるLTV(ライフタイムバリュー)。LTVを有効活用するためにも、しっかりと言葉の意味を理解するべきです。

この記事では、LTVとは何かという基本的なところから、LTV向上のために見るべき5つの指標を徹底解説します。実践的な考え方やLTVの計算方法を把握して、よりよいマーケティング活動をしましょう!


LTV(ライフタイムバリュー)とは?

LTVとは、LifeTimeValue(ライフタイムバリュー)の略称であり、日本語では「顧客生涯価値」と言います。「顧客から生涯にわたって得られる利益」という意味で、顧客が商品・サービスを利用し始めて2回目の購入以降で得られる利益も含めて考えられます。

まず、この見出しではLTVとは何か、計算方法や一体なぜ注目されているのかを解説します。

LTVの計算方法とは?

LTVの計算方法はひとつではなく、さまざまなものがあります。そのなかでもっとも簡単な計算方法は以下のようになります。

● LTV=購買単価×購買頻度×契約継続期間×収益率

ではここで、以下に挙げる例を参考にして、具体的な数字にして考えてみましょう。

● 購買単価:20万円
● 購買頻度:1回/12か月(1年)
● 契約継続期間:5年
● 収益率:50%

先ほどの計算式に、実際に数字を当てはめてみます。

● 20万円(購買単価)×12回(購買頻度)×5年(契約継続期間)×0.5(収益率)=600万円

計算をすると、LTVが600万円であることが算出されました。

この計算方法は基本的なものであり、算出された数字に対してかかったコストを差し引く計算方法もあります。実際に利益を考えるときは、コストを差し引いたかたちで算出した数字を大切にしたほうがよいため、会社のやり方にあった計算方法を使いましょう。

LTVが注目される背景とは?

マーケティングの世界では、「1:5の法則」という考え方があります。これは、新規顧客を獲得するには、既存顧客を維持するよりも5倍ものコストがかかるという意味です。

LTVが注目されるようになったのは、市場の飽和が背景に挙げられます。

もし、成長市場だった場合、新規顧客を増やせばそれだけ売り上げを伸ばすことが期待できるでしょう。企業は顧客にとって魅力的な商品づくり、購買意欲を高めるプロモーションを行うだけで問題ありません。

しかし、すでに商品が飽和している状態(成熟市場)ですと、新規顧客を簡単に増やすことができない状態になります。そのため、新規顧客を増やしつつも、既存顧客をいかに定着させるかということが重要になってきます。

そのために、LTVはマーケティング戦略を進めるうえで重要な指標となるわけです。

LTV向上のカギを知ろう!

LTV向上には、先ほどの計算式を見ればわかるとおり、以下のポイントが重要になります。

● 購買単価を上げること
● 購買頻度を高めること
● 契約期間を長期化させること

そのためには、顧客に自社の商品やサービスに魅力を感じ続けてもらわなければなりません。また、アップセルやクロスセルなどの手段を用いて、購買単価や購買頻度の向上を図るのも大切です。


LTV向上のために見るべき5つの指標を徹底解説!

LTV向上のためには、5つの指標が重要となります。LTVを算出すれば、「新規顧客を獲得するための計画」や、「顧客別の収益の分析」に活用することができるため、ぜひ理解しておきましょう。

①平均顧客単価

平均顧客単価を上げる方法として、ここでは以下の2つの方法について詳しく解説します。

● 商品の値上げを行う
● 複数の商品バリエーションを用意する

平均顧客単価を上げたいのであれば、商品の値上げをすれば簡単です。しかし、なにも顧客に説明をしないまま商品の値上げをすれば、客離れが起こる可能性があるでしょう。

値上げを実施するときは、必ず顧客に対して「なぜ商品を値上げするのか」ということを明確に説明し、納得してもらえることが大前提となります。

また、高級品・中級品・普及品の3つの商品バリエーションを用意することも有効的だといえます。顧客に選択肢を与えることで、価格の高い商品を選んでもらえる可能性が高くなるという「松竹梅の法則」戦略です。

購入してほしい商品に高級品と普及品を加えることで、顧客に「価格は安いほうがよいけれど、品質は落としたくない」という心理を働かせ、中級品の購入を促すという仕組みです。

そのほかにも、単品販売ではなくセット販売を行うなど、平均顧客単価を上げる方法はさまざまなものがあります。

②収益率

販売価格を高く設定しても、原価が高ければ大きな収益は望めません。そこで大切になるのが収益率です。収益率を確保するには、原価をできる限り抑える必要があります。

ものづくりの企業などでは、部品を購入して商品を製造する際に、1つのメーカーからではなく複数メーカーに打診するという方法を取っています。

これは、メーカー同士の競争原理を利用して、安い価格で部品を調達するというひとつの戦略。複数のメーカーに見積もりを提出してもらい、安い価格を提示したメーカーを選定することで、原価を抑えられるというわけです。

③購買頻度

顧客の購買頻度を高めるには、商品の買い替え時期に合わせて「リマインドメール」を配信する方法が効果的です。

「もう少しで商品が使い終わってしまう…。」「使用期間が過ぎそう…。」と、商品を必要とするタイミングを見計らってメール配信することで、自社商品を購入候補に選んでもらいましょう。

顧客は、たとえ1度商品を購入したからといって、2回目・3回目と続けて商品を購入し続けてくれるとは限りません。商品の買い替えを検討するときに、他社商品と比較をすることが多いため、リマインドメールでは上手く自社商品のメリットや強みを記載して伝えることが大切です。

④顧客維持率

顧客に長期間契約し続けてもらうことは、LTVの向上に欠かせません。商品を1回購入してもらったからといって、そこで満足するのではなく、顧客を「優良顧客」に育成して顧客維持率を高めることが大切です。

顧客の気持ちを繋ぎとめる方法のひとつに、「メールマガジン」の配信という手段があります。

ただし、メールマガジンは双方向ではなく一方向の配信となるため、ただ配信するだけでは意味がありません。顧客維持率を高めるためにも、内容に気を付けましょう。

例えば、メールマガジンが自社製品の売り込みばかりになってしまうと、受け取った側が不快感を示す可能性も考えられます。自社商品の使い方や顧客にとって役立つ情報をうまく盛り込むことで、顧客に興味を持ってもらうことができます。

⑤顧客獲得コスト・維持コスト減

LTVの計算式は単純ではありますが、実際は算出した数字からコストを差し引いた数字こそが重要となります。

いくらLTVが高くても、コストも高ければ結果的に利益が少なくなるため、顧客獲得コストと維持コストを減らすこともしっかりと考えましょう。

例えば、CRMシステムやSFAなどのツールを導入することで、日報作成・データ分析などの多くの作業を短時間でこなすことが可能になります。IT技術を上手く活用して、無駄なリソースを使わないように心がければ、顧客獲得コストと維持コストを減らすことに繋がるはずです。

ただし、コスト削減を意識しすぎて商品やサービスの品質が低下することはよくありません。LTV向上のために、コスト削減をする場合は十分に検討して行ってください。


LTV向上のカギと指標を活かして収益の最大化を目指そう!

マーケティング施策を長期的な視点で検討する際に欠かせない、LTV(ライフタイムバリュー)について解説しました。

会社の売上を上げるためにも、いかにして既存顧客との関係を維持するかが重要です。また、現在投じているさまざまなコストを見直して、LTV向上のためのマーケティングや営業活動に取り入れてみてください。

今回の記事を参考にして、LTVを高めるヒントが得られたら幸いです。

ライター
かわまる
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