「フリーランスのWebディレクターになりたい」「Webディレクターとしてのキャリアを積みたい」と悩んでいるあなた。
本記事では、フリーランスのWebディレクター歴3年の筆者が、どのようにキャリアを形成したのか。また、フリーランスとして仕事をするメリットや、企業で働くこととの違い、苦労をした点について実体験をもとに紹介していきます。
これからフリーランスのWebディレクターを目指す方の参考になれば幸いです。
フリーランスのWebディレクターにはどうやったらなれるの?
フリーランスのWebディレクターを目指している方で、1番気になることは「どうやったら、フリーランスのWebディレクターになれるのか」ではないでしょうか。
フリーランスのWebディレクターとして活躍している人は、
1.企業でWebディレクターとしてキャリアを積んで独立
2.フリーランスのライターや編集者などをした後、ディレクターへキャリアアップ
以上の2つのケースが多く見られます。1のケースが多いように感じますが、意外と2の方法でWebディレクターになっている方も多い印象です。
筆者は、前職でメディアコンサルタント、Web広告、SEO担当、コンテンツマーケティングなどを行った後、海外移住のため独立。フリーランスのライター・編集としてキャリアを積み、ディレクターへと徐々にキャリアを積んだ2つ目のタイプです。
最初は、フリーランスのライターとして入ったチームで編集を、最終的にはディレクターとしてプロジェクトを管理するようになりました。
「Webディレクターになるには企業での経験がないといけない」「フリーランスとしてWebディレクターになるのは難しい」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私のように独立前にWebディレクターとしての経験がなくても、独学と経験を積むことでWebディレクターになることは十分可能なので、安心してくださいね。
フリーランスのWebディレクターに必要なスキル
では、Webディレクターになるためには、具体的にどのようなスキルが必要なのでしょうか。
Webディレクターは、プロジェクトにもよりますが、多くの方の業務を管理する必要があるため、幅広い知識が求められます。
<Webディレクターに必要なスキル>
・マネジメント能力
・コミュニケーション能力
・予算管理・マネタイズをする能力
・企画力
・プレゼンテーション能力
・情報収集力
・課題解決能力
・人事や採用などの知識、人材発掘能力
・Web解析に必要な知識(アクセス解析・統計学など)
・プログラミング・エンジニアリングの知識
・デザイン・UI/UXの知識
・ライティングや編集のスキル
・Webマーケティングに関する知識
・広報やPRに関する知識
・広告に関する知識
・SEOの知識
・インターネットに関する法律やセキュリティの知識
上記に挙げたのは、筆者が業務をする上で特に求められることが多いと感じるスキルです。
筆者のように、ライターや編集の経験があることは仕事やマネジメントがしやすくアドバンテージになりえます。
しかし、Webディレクターは、なにかひとつのスキルに特出している人よりも、すべての項目のバランスが取れている人が活躍できる職業です。「特定の経験がないとWebディレクターになれない」というわけではないことを覚えておきましょう。
フリーランスのWebディレクターとしての仕事の始め方
Webディレクターには幅広いスキルが求められるため、「これができるようになったらWebディレクターになれる」といった明確な指標があるわけではありません。
「特定のスキルがあるかどうか」よりも、さまざまな能力を生かして、「プロジェクトを円滑に回すことができるのか」が、最も重視されるポイントだといえるでしょう。
そのため、Webディレクターとして必要なスキルをつけてから挑戦する、というよりは、まずはWebディレクターとして仕事をしてみることがスキルアップの近道です。
小さなプロジェクトでも、Webディレクターとして参加してみる、もし働く先が見つからないのであれば、自分でチームを作ってみることがおすすめです。
筆者も、Webディレクターとしての仕事を紹介してもらったり、自分から提案したりして業務を任せてもらいつつも、自主プロジェクトを作成しながらキャリアを積んできました。
自分でプロジェクトを立ち上げるのは、費用や時間もかかりますが、まったくWebディレクターとしての経験がない場合は、いい練習になります。ポートフォリオとしても使えるのでおすすめの方法です。
フリーランスでWebディレクターをするメリット・やりがいは?
ここまでの説明で「Webディレクターは必要なスキルが多そう」と心が折れた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、フリーランスのWebディレクターとして仕事をするには多くのやりがいがあります。今回は特にやりがいを感じる3つのことを紹介します。
(1)好きなメディアに関われる
フリーランスのWebディレクターの1つ目のやりがいは「好きなメディアに関われる」ことです。
興味のある分野や、好きなメディアに自由に関われるのは、フリーランスならではのメリット。
特にWebディレクターの場合、メディアの方向性や、企画などサービスの根本的な部分に関わることもできるため、「自分が好きなメディアの一員としてサービスを作っている」と感じられます。
筆者も、独立前から好きだった企業にアプローチをして、Webディレクターとして新規のメディアの立ち上げ・運用を行っています。自分の好きな仕事や企業を選び、根本的な部分から関われるので充実して仕事ができていると感じます。
また、複数のメディアに関われることは、「他社で成功した戦略」「数値の基準」なども学べるということ。企業勤務をしているWebディレクターの場合は、自社のメディアの数値しか知らないことも多いものです。
もちろん、他社の数値や戦略を共有することはNDA(秘密保持契約)的にもNGですが、肌感覚としてさまざまな分野のメディアの数値感がわかるのは大きなメリットだといえるでしょう。
(2)自分の裁量で仕事ができる
フリーランスのWebディレクターの2つ目のやりがいは「自分の裁量で多様な施策にチャレンジできる」ことです。
ライターや編集者としてメディアに関わっている際は、どうしても「割り振られた1記事」を完成されることに注力せざるを得ませんでした。企画が通ったとしても、全体としての内容を調節できるわけではないので、メディア全体・サービスとしての方向性を検討するところまでは難しいのが事実。
しかし、Webディレクターの場合は、「どういうメディアにしていきたいのか」「どんな企画をするのか」など根本的な部分から、自分の裁量でさまざまな施策にチャレンジできます。
メディアの一部分だけを担当するのではなく、全体を見ながら、挑戦できる仕事の範囲が増えることでやりがいを感じられます。
(3)気になる人と仕事ができる
フリーランスのWebディレクターの3つ目のやりがいは「気になる人と仕事ができる」ことです。
Webディレクターは、チームメンバーのアサインも重要な仕事のひとつ。気になっているクリエイターや、好きなメンバーと仕事をできるのもメリットです。
普段からさまざまな分野で活躍しているクリエイターや、作品をチェックしている方も多いでしょう。注目しているクリエイターとシナジーが生まれそうな場合、一緒に仕事を進められるのはWebディレクターとしてやりがいを感じる部分だといえます。
フリーランスのWebディレクターだからこそ苦労することは?会社勤務のWebディレクターとの違い
フリーランスのWebディレクターは、やりがいやメリットが多く、魅力的に感じた方も多いでしょう。しかし、フリーランスだからこその苦労や、会社勤務のWebディレクターとしての違いがあることも忘れてはいけません。
筆者が特に苦労した点は、「結果に対するプレッシャー」、そして「周りに質問しにくい」ことです。
会社に勤務していた頃は、悩んだ点は上司や先輩に質問できる環境にありました。しかし、フリーランスの場合、特にWebディレクターとしてマネタイズやマーケティングに関する内容は機密事項も多く、気軽に相談できません。
ディレクターとして確実に業務を遂行し、結果・成果物を出さないといけない中、一人で問題を解決しないといけない場面が多いのは大きなプレッシャーです。
情報をキャッチアップし、わからない分野については常に勉強をする必要があることも、苦労する点でもあります。
未知の領域にも積極的に挑戦できる人や、好奇心の強い人、学習意欲が強い人でないと、Webディレクターとして活躍し続けるのは難しいと感じます。
フリーランスのWebディレクターとして活躍するために
フリーランスのWebディレクターは、やりがいが大きい一方、求められるスキルや努力も多いことが特徴です。
幅広い知識が必要となりますが、必須のスキルや資格などは求められないため「挑戦したい」と思った方は、まず一歩を踏み出し、Webディレクターとして仕事をする中でキャッチアップしていくといいでしょう。
苦労することやプレッシャーを感じることもありますが、自分の設計したメディアや企画が多くの人に受け入れられたときには、これまでの苦労が吹き飛ぶほどの喜びと達成感を感じられます。
どんな名ディレクターも失敗を繰り返して成長しています。まずは、小さなチーム、小さなプロジェクトから、Webディレクターとしてのキャリアをスタートさせてみてはいかがでしょうか。