Webデザイナーが注目の人材「CXO」を目指す方法を解説

Webデザイナーを目指した理由として、デザインの将来性を挙げる人も多いはずです。実際に経営に与えるインパクトという点で、今デザインが注目されています。

その背景に挙げられるのが、デザインの資本収益率(ROI:Return On Investment)の高さ。2018年に経済産業省・特許庁が発表した「デザイン経営」では「デザインへの投資は利益を4倍に押し上げる」とまで述べられています。

DODA「転職市場予測2020下半期 クリエイティブ」によると求人ニーズが高まりつつあるのは、ズバリ「UI・UXを改善できる人材」。そこで今回はUXにかかわる注目の人材「CXO」を目指す方法を解説します。


そもそもCXOとはどのような人材なのか?

CXOとはChief eXperience Officer(チーフ・エクスペリエンス・オフィサー)の略で、日本語では最高ユーザー体験責任者です。商品・サービスの「機能」における差別化が難しい今、企業は顧客ロイヤリティを獲得することで生き残りを目指しています。そこで注目されているのが、ユーザー体験の最大化です。

購入前のサービスや商品にまつわる情報に触れるところから、購入後のアフターフォローまで、ユーザーにとって「体験」といえます。ユーザーの「いい感じ」「好き」という感情的価値を満たすために、企業内の部門を超えて横断的に提案するのが、CXOの仕事内容です。CXOとはユーザー体験を軸として、企業の最終アウトプット、つまりクオリティコントロールに責任を持ち、その責任を遂行する権限を持ちます。

デザインチームは大きく分けると、プロダクトとマーケティングコミュニケーション(プロモーション)の2種類です。

CXOは、このプロダクトとマーケティングコミュニケーションを統括するイメージでとらえるといいでしょう。そのためCXOには「テクノロジー」「ビジネス」「クリエイティブ」の3つの領域を理解することが求められます。さらにいえば、CXOには必要とあればなんでもやる、という前のめりな姿勢が求められているのです。

Webデザイナーは、ともすればデザインの形づくりに没頭しがち。しかしCXOには、会社のカルチャーやビジョン、あるいはビジネスモデルをデザインに落とし込むコアをつくる役割も求められます。


WebデザイナーがCXOになるために必要なスキルや経験

ここからはWebデザイナーがCXOを目指すために、具体的にどのようなスキルや経験が必要なのかをみていきましょう。

大前提として、CXOは「テクノロジー」「ビジネス」「クリエイティブ」の3つの領域を理解する必要があります。究極的にいえば、ソフトウェアエンジニアリングとユーザーインターフェースをつないだ「プロダクトづくり」。それから会社のカルチャーやビジョン、あるいはビジネスモデルを落としこむ「ブランドづくり」。この両方ができれば最強のCXOだといえます。

まず「ビジネス」の観点からすれば、CXOの本質はCEO(最高経営責任者:チーフエグゼクティブオフィサー)の分身ともいえるでしょう。なぜならCXOは部門ごとに分業して携わるのではなく、部門を横断して協業し、組織全体を統括するスキルが求められるからです。

つまり「ビジネス」面では、次のようなスキルが必要だと考えられるでしょう。

  • 将来を計画する能力(未来思考)
  • 複雑かつ困難な状況で効果的に成果をあげる能力(大胆・勇気)
  • 組織のメンバーとともに成功を達成する能力(組織力)

一方、「テクノロジー」や「クリエイティブ」の面では、次のようなスキルや経験が必要と考えられます。

  • 本質的なことを深く考える力
  • 前のめりな姿勢
  • ユーザーとの対話から共感を得てニーズを把握し、プロダクトへ反映させる力
  • プロダクト生産に関する知見や経験
  • 市場動向を見極める高い洞察力
  • コミュニケーション能力
  • データ分析能力
  • マーケティングの基本知識
  • ブランディングの経験
  • コーディングやプログラミングなど技術を理解し正しい決定をするスキル

ここでCXOらしい仕事ぶりの例をご紹介しましょう。

日本でCXOの先がけ的存在といえば、2011年に創業したnoteの深津貴之氏です。noteは2017年に深津氏をCXOに迎えて、2018年ごろからユーザー数を急増させました。深津氏はシンプルなグロースモデルを導入したほか、ユーザーを増加させるために365日プレスリリースを打ち続けるという手法を実践しています。「プロダクトをよくしている」という姿勢を発信しつづけることで、noteは信頼に値するという空気感を生みだしました。この前のめりな姿勢もCXOに必要とされる重要なスキルです。


WebデザイナーがCXOを目指すキャリアパスとは

ここではWebデザイナーがCXOになるためのキャリアパスを考えてみましょう。Webデザイナーから徐々に経験やスキル値を増やしてグレードアップさせていく道のりは簡単ではありませんが、刺激とやりがいに満ちています。

方法論としては、すでにCXOポジションを設置している会社に転職する、ハイスキル人材サイトに登録するなどです。

「デザイン」「ビジネス」「テクノロジー」の3つの領域をうまく網羅して経験と実績を積めるようなキャリア形成を目指します。

「デザイン」領域ならUIデザイナー、UXデザイナーとして経験を積みます。

「ビジネス」領域を伸ばしたいなら、WebディレクターやWebプロデューサーはいい選択肢です。UXデザイナーからステップアップするなら、クライアントが望む成果を生む方法を常に検討・検証しつづけるプロダクトマネージャーが身近かもしれません。プロダクトマネージャーは、ビジネス領域とデザイン領域の両方を経験できます。

「テクノロジー」領域なら、フロントエンドエンジニアとして高度なスキルを磨くのもひとつの方法です。Webデザイナーはコーディングを実施できますが、フロントエンドエンジニアとしてJavaScriptなど高度なスキルを身につけておくと表現力が高まります。

近年はWebデザイナーとして会社経営や兼業、屋号で活動しながら、企業のCXOをパラレルで務める人も増えているのが実情です。ARCHETYP Staffingでは、CXO人材を求めるクライアント案件も増えています。CXOについて興味を持ったら、ステップアップを目指してぜひ登録してみましょう。


CXOはUI・UXデザイナーの最上キャリア

WebデザイナーからCXOになる方法は、まずはUIやUXデザイナーとしてキャリアアップを目指すことです。プロダクトマネージャーやマーケティングに携わった経験を積むと、CXOになる現実味が増します。ビジネス面についても理解や経験を積む機会を探すことも大切です。

今回ご紹介したCXOに必要なスキルやキャリアパスは、Webデザイナーとして競争力をつけるヒントになります。キャリアパスはひとつだけではありません。Webデザイナーとしてプロジェクトに参加し続けるなど、ワクワクできる仲間や企業との出会いを大切にして前に進みましょう。

ライター
Mistyrose
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