AWS(AmazonWebServices)は、Amazonが提供しているクラウドサービスのことです。数多くあるクラウドサービスのなかでも、いま注目されているAWSのサービスに特化した職業に「AWSエンジニア」があります。
今回は、AWSエンジニアとは何か、仕事内容やキャリアパス、必要なスキルなどを解説します。ぜひ、AWSやAWSエンジニアに興味がある方は参考にしてください。
AWSサービスの特徴
AWSは、世界中で多くの企業に使われている、Amazonが提供しているクラウドサービスです。主に、以下6つの特徴があります。
- コストが変動的である
- 目的に合わせて使える
- すぐに始められる
- セキュリティが充実している
- 質の高いパフォーマンスが得られる
- 無料期間がある
AWSは定額制ではなく、利用した分だけお金がかかる従量制です。
利用できるサービスは多岐にわたるので、必要なものだけを導入・契約すればすぐに使えます。サービスを利用するために、わざわざ環境を整える必要もありません。
AWSエンジニアとは?
AWSとはどのようなサービスなのか、内容に少し触れたところで、この見出しではAWSエンジニアとは何かを詳しく解説したいと思います。仕事内容や求められるスキル、年収などを紹介しますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。
仕事内容
AWSエンジニアは、AWSに関する知識やスキルを有したエンジニアのこと。AWSサービスに特化しており、AWSシステムの開発・運用・保守などの専門的な業務を担当します。仕事内容は大きく分けて以下の3つがあります。
- 設計
- 構築
- 運用
AWSで利用できるサービスは多岐にわたるため、どのサービスが適しているのかを見極めて、企業に合ったAWS環境を提案します。そして、その提案にもとづいて作られた設計書に従ってインフラ構築を行います。
構築をしたあとは、AWSの状況監視やストレージの増減、バージョンアップ対応などの運用を行わなくてはいけません。
似たような仕事に、インフラエンジニアというものがありますが、インフラエンジニアは広くオンプレミスのシステムインフラを構築するのが主な仕事になります。
AWSに役立つ資格
AWSは基礎コース・アソシエイト・プロフェッショナルの3段階にプラスして、専門知識の認定資格が2020年9月現在で12種類用意されています。ぜひ、AWSエンジニアになりたい方は、AWS認定試験にチャレンジしてみるのもおすすめです。
それぞれの段階の目安は、以下を参考にしてください。
- 基礎コース:これからAWSを学びたい方が対象
- アソシエイト:AWSの利用経験が1年以上ある方が対象
- プロフェッショナル:AWSの利用経験が2年ほどあり、設計・運用・トラブル対応を経験した方が対象
- 専門知識:AWSの特定分野に特化したスキルがある方が対象
認定資格を取得することで、現場でもすぐに活躍する知識・スキルが得られるので、持っておけば今後のキャリアにも繋げていけるでしょう。
AWSの需要と将来性
AWSは世界中で多くの企業が取り入れているクラウドサービスであることからも、ほかの職種よりも需要・将来性が高いと考えられています。AWSの需要がある理由は、主に以下で挙げる3つの理由が挙げられます。
- IaaS市場のリーダーとして求められている
- 資格の有効性が高い
- 初心者でもわかりやすい
IaaSはクラウドコンピューティングのひとつであり、メモリやCPUなどのITインフラを、インターネット経由でオンデマンド提供するサービスのひとつ。AWSはこのlaaSのなかでもとくに利用されているサービスになります。
また、2020年に行われたグローバルナレッジ社の、資格を保持している方の給与ランキングによると、2位に「AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト」。次に、8位に「AWS認定クラウドプラクティショナー」と、TOP15にAWS認定資格が2つもランクインしています。
このことからも、AWSの需要・将来性の高さを知ることができますね。
AWSエンジニアの年収
AWSエンジニアは需要が高いことがわかりましたが、年収はどのくらいなのか気になる方も多いと思います。AWS関連の正社員・フリーランスの求人から、平均年収・月単価の目安を算出してみました。
- 正社員:約580万円(平均年収)
- フリーランス:約81万円(平均月単価)
フリーランスの場合は、毎月の給料が一定ではないため、月平均単価で算出しています。なお、インフラエンジニアの正社員の平均年収は約500万円、インフラエンジニアのフリーランスの平均月単価は65万円であることから、AWSエンジニアのほうが高いことがわかります。
AWSエンジニアのキャリアパス
AWSエンジニアには、どのようなキャリアパスがあるのか、この見出しではプロジェクトリーダー・ITコンサルタント・フリーランスの3つを紹介します。
プロジェクトリーダー
プロジェクトリーダーは、プロジェクトを遂行するための現場責任者のことです。似たような役職にプロジェクトマネージャーがありますが、プロジェクトマネージャーは一般的に社外関係(クライアントなど)の責任者であり、それぞれ役割が異なります。
システムエンジニアは個人の作業が中心ですが、プロジェクトリーダーになることで作業を管理する仕事も担うことになり、経験があるかないかでは年収に大きな差が出てきます。企業によってはプロジェクトリーダー経験がある方は、1,000万円近い年収になることもあるようです。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、顧客の経営・ビジネスに関するコンサルティングを、ITを切り口に提供する職業です。顧客のニーズに合わせたシステムや技術の提案、現状分析から改善案まで、仕事内容は多岐にわたります。
AWSエンジニアの経験があれば、AWSに強いITコンサルタントとして他との差別化が図れます。
フリーランス
AWSエンジニアとしてのキャリアを積んでいる方なら、フリーランスに転身するのもひとつのキャリアパスとして挙げられます。ただし、AWSエンジニア未経験の方が、いきなりフリーランスになるのは厳しいと言えます。
まずは、インフラ系の仕事に携わり、経験をしっかりと積むことが大切です。
先述したとおり、フリーランスは正社員の平均年収よりも収入が高くなる傾向にあります。しかし、フリーランスは自分で案件を探さなくてはいけないため、知識があっても営業力がなければ、まったく仕事にならない可能性もあるでしょう。
AWSエンジニアに必要なスキル
AWSエンジニアになるために、求められるスキルにはさまざまなものがあります。
- クラウドサービスに関する知識
- ネットワーク構築・仮想化に関する知識
- AWSについての知識
- インフラエンジニアとしての経験
まず、当然ですがAWSとはなにか、AWSの知識や理解はしっかりと身につけておく必要があります。それに合わせて、クラウドサービスやネットワーク構築・仮想化に関する知識、インフラエンジニアとしての経験が求められます。
AWSの勉強方法には、オンラインセミナーや学習サイトを活用したり、実際にAWSを使いながら独学で勉強したりする方が多いようです。目標を立てることで意識も変わってくるため、AWS認定資格を取得することを目指すのもよいでしょう。
自分に合った方法をうまく見つけて、AWSの知識・理解を深めてください。
AWSエンジニアは今後の需要を考えると将来性がある
AWSは日本でも導入している企業が多いことから、ほかの職種よりも需要・将来性が高いと考えられています。インフラエンジニアとして現在活躍されている方も、これからエンジニアを目指すという方も、AWSの知識を身につけておいて損はありません。
リモートワークが主流になりつつある現在、クラウドを活用した業務遂行の導入が多く見込まれています。AWSエンジニアを目指す方法はたくさんありますが、まずはAWS認定資格を取得することからはじめてみると、具体的な目標ができてよいかもしれません。
AWSエンジニアを目指している方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。