スマホで広がる表情表現! Runway 「Act-One」の可能性

映像制作において、キャラクターの表情を自然に表現することは常に大きな課題でした。AIを活用した新しいツール「Act-One」は、高価な機材や複雑な作業を必要とせず、スマートフォン一台で表情を転写できる機能を提供します。
本記事では、従来の表情キャプチャーからの転換、Act-Oneがもたらす新しい制作手法、表現の可能性と今後の展望について紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

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従来の表情キャプチャーからの転換

映画やゲームでキャラクターの表情を作り出す過程では、これまで特殊な装置と複雑な工程が不可欠でした。『ロード・オブ・ザ・リング』や『アバター』といった大作映画では、俳優の顔に多数のマーカーを貼り付け、専用の頭部装置を装着して撮影を行います。撮影現場では、俳優たちは不自由な装置を装着したまま演技を行う必要があり、自然な表現を妨げる要因となっていました。表情表現技術の進化を示す象徴的な例として『ベンジャミン・バトン』があります。同作品では主人公の年齢による表情の変化を表現するため、制作チームは新たな3Dモデリング技術の開発に取り組みました。その技術的な成果は映像表現の新境地を開き、アカデミー賞という形でも評価されています。
しかし、このような従来の表情キャプチャー技術には大きな課題がありました。専用装置の導入には莫大な費用がかかり、その設置や調整にも相当な時間を要します。また、機材の複雑さゆえに、専門的な技術者の確保も必要でした。これらの技術的・経済的な負担は、特に予算や時間に制限のある中小規模の制作現場において、表現の可能性を大きく制限する要因となっていました。
このような従来の課題に対し、新たな解決策としてRunwayが開発したのがAct-Oneです!

Act-Oneがもたらす新しい制作手法

RunwayのAct-Oneは、スマートフォンのカメラだけで表情のキャプチャーを実現します。このツールは撮影した人物の表情や視線の動き、微細な表情の変化までをAIが解析し、別のキャラクターに転写することができます。これにより、従来方式で必要とされた複雑な機材や設定作業が不要となりました。
この技術の中核となるのが、Gen-3 Alphaと呼ばれるAIビデオ生成モデルです。このシステムは三つの主要な機能を持っています。
一つ目はテキストから動画を生成する機能で、ユーザーが文章で描写したシーンを動画化します。二つ目は画像から動画への変換機能で、静止画を動的なシーンに展開できます。三つ目は動画から動画への変換機能で、既存の映像を新しい表現に変換することが可能です。
Act-Oneは現在、無料での提供が始まっていますが、その利用には段階的な展開が行われています。まず、Runwayのアカウント作成が必要です。加えて、Gen-3 Alphaモデルを使用するための十分なクレジット(ポイント)が必要となります。これらの制限は、システムの安定運用とサービス品質の維持を目的としています。このような高度な機能により、Act-Oneは従来では実現が難しかった様々な表現を可能にします。
上記のXの動画を見ていただくと分かるように、人の顔の動きとキャラクターの顔の動きが連動していることが分かります。Act-Oneが映画業界やアニメ業界で導入されることで、少ない資本でもスケールの大きい映像作品を作れるきっかけとなるかもしれません!

表現の可能性と今後の展望

Act-Oneの機能は、特に小規模な制作現場に新たな可能性をもたらします。例えば、一人の俳優の演技から異なる外見や特徴を持つ複数のキャラクターを生み出すことができます。これにより、限られた予算や人材でも、多様なキャラクター表現が可能になります。また、視線の動きや微細な表情の変化まで転写できることから、より豊かな感情表現を実現できます。
一方で、Runwayはこの技術の適切な利用に向けて、包括的な安全対策を実装しています。特に重要なのが、許可のない有名人の表情利用を防止する機能と、音声使用権利の管理システムです。また、継続的なモニタリングシステムにより、プラットフォームの適切な利用が確保されています。これらの対策により、クリエイターと被写体の権利が保護され、技術の健全な発展が支えられています。
映像制作業界では、すでにAct-Oneの実用化に向けた具体的な動きが始まっています。その代表例が、『ジョン・ウィック』や『ハンガー・ゲーム』シリーズで知られるLionsgate社との提携です。同社が保有する2万本以上の映画作品のカタログを活用したカスタムAIモデルの開発により、大規模な映像制作現場でのAI技術の実用化が進められています。さらに、中国のHailuoやKling、アメリカのLuma AIといった企業も独自の表情転写技術の開発を進めており、この分野での技術開発は着実に広がりを見せています。
映像制作業界におけるAI導入事例については過去の記事でも紹介していますので、合わせてご覧ください:
夢の共演!AI企業RunwayとメジャースタジオLionsgateの挑戦
ジェームズ・キャメロンとアンディ・サーキスがAIで描く映画の未来図とは

まとめ

いかがだったでしょうか?
表情表現の新たな可能性を開くAct-Oneは、特に小規模な制作現場における表現の幅を広げることが期待されます。従来は高額な機材と専門的な技術が必要だった表情キャプチャーが、スマートフォン一台で実現できるようになり、安全性への配慮を維持しながら、より多様な映像表現が生まれていく可能性が広がっています。

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