
開発者の悩みは古くて新しい。膨大なコードベースから必要なコード片を見つけ出し、それが本当に求めていたものかを判断する作業。Qodoが発表した新しいコード埋め込みモデル「Qodo-Embed-1-1.5B」は、この普遍的な課題に対する答えを持っています。しかも、業界大手を超える性能で。
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コード検索の新たな標準 – なぜQodo-Embed-1-1.5Bが注目されるのか

ソフトウェア開発の現場で、コード検索は日々の作業の要です。AI駆動のコード品質プラットフォームQodo(旧Codium)はこの課題に挑み、「Qodo-Embed-1-1.5B」という新しいコード埋め込みモデルを発表しました。最も驚くべき点は、そのコンパクトさです。わずか15億のパラメータながら、業界標準のCode Information Retrieval Benchmark(CoIR)で70.06という高スコアを記録。これはOpenAIの70億パラメータモデル(65.17点)やSalesforceのモデル(67.41点)を上回る結果です。つまり、5分の1以下のサイズで、より優れた性能を実現したのです。
「従来のコード検索では、単純なキーワードマッチングに頼るため、真に欲しいコードが見つからない問題がありました」とQodoの最高経営責任者イタマール・フリードマン氏は説明します。「企業の開発者は数百万行のコードから必要な部分を探す必要がありますが、従来の方法では時間がかかりすぎていました」。このモデルの小ささは実用面でも大きな価値があります。メモリ消費が少なく、高価なGPUを必要としないため、大企業だけでなく中小規模のチームやフリーランスでも導入できます。コスト効率の良いモデルでありながら、検索精度では業界トップクラスという、まさに「小さく、賢く、強力な」ソリューションなのです。
コード埋め込みモデルの技術的な仕組みも注目に値します。これはコードの意味をベクトル空間に変換することで、単なるキーワード検索を超えた理解を可能にします。例えば「ユーザー認証」という概念で検索すると、その言葉が含まれていなくても、認証機能を持つコードを正確に見つけ出せるのです。しかし、このような高度な検索を実現するためには、コードの微妙なニュアンスを理解する能力が不可欠です。この点が、次のセクションで詳しく見ていく核心部分となっています。
コードの微妙なニュアンスを理解する技術

コード検索における最大の課題は、表面上は似ているが機能的には全く異なるコードを区別する能力です。フリードマン氏はこれを絶妙な例で説明します。「最も難しい問題の一つは、『引き出し』と『預け入れ』のような、ほぼ同一の二つの関数が、プラスかマイナスの符号だけで異なる場合です。これらは検索結果として近い関連性を持ちつつも、明確に区別される必要があります」この問題の重要性は実務で明らかです。銀行システムを例にすると、「口座から100ドル引き出す」処理と「口座に100ドル預け入れる」処理は、コード構造は瓜二つでも、機能は正反対です。従来の検索システムでは、これらを区別するのは困難でした。コメントや変数名が違うだけで、実際の処理が逆になっている関数も検索結果に混ざってしまうのです。
Qodoはこの問題を解決するため、独自のトレーニング手法を開発しました。高品質の合成データと実世界のコードサンプルを組み合わせることで、モデルに「コードが何をするのか」という本質を理解させています。つまり、表面的な類似性だけでなく、コードの意図や目的を把握できるのです。「私たちはソフトウェア開発の繊細な特性を再現するデータセットを作成し、モデルがそのニュアンスを認識できるよう微調整しました」とフリードマン氏は述べています。このアプローチの有効性はNVIDIAとAWSも認めており、両社が技術ブログで詳細を解説する予定とのことです。
実際の開発現場では、このニュアンス理解が大きな違いを生みます。例えば、特定のエラー処理パターンを探している場合、単に「try-catch」で検索するのではなく、特定の例外タイプや処理方法を含む実装を正確に見つけられることが重要です。Qodoのモデルはこれを可能にし、開発者の作業効率と成果物の品質向上に直結します。
企業開発現場への実装と未来展望

Qodo-Embed-1-1.5Bの最大の強みは、理論だけでなく実用性にもあります。Python、JavaScript、Javaなど企業開発の中心となる10の主要言語に最適化されており、フリードマン氏は「多くの埋め込みモデルが苦手とする言語間の区別を特に強化した」と説明します。
利用しやすさも魅力の一つです。15億パラメータのバージョンはHugging Faceで公開され、OpenRAIL++-Mライセンスの下で自由に利用可能。企業向けには商用ライセンスも用意され、さらにNVIDIA NIMプラットフォームとAWS SageMaker JumpStartでの提供も予定されています。
特筆すべきは、コードベースの進化に合わせて自動的に埋め込みを更新する機能です。これは長期運用において検索精度を維持するために不可欠な機能と言えるでしょう。
「Qodo Embed Oneは私たちの第一歩に過ぎません」とフリードマン氏は未来への展望を語ります。「今後は精度向上、言語サポート拡大、フレームワーク対応の3方向で進化を続けます」。AIツールの進化は単なるコード生成から理解と品質保証へと移行しており、Qodoの技術はこの流れを加速させるでしょう。この技術により、どんな規模の開発チームも、より効率的で質の高いコード開発を実現できるようになります。
まとめ

いかがだったでしょうか?
Qodoが開発した小さくても強力なコード埋め込みモデルは、単なるツールを超えた可能性を秘めています。少ないリソースで高い性能を実現し、コードの微妙なニュアンスを理解するこの技術は、開発者とAIの協働の新しい形を示しています。小規模なチームでも企業レベルの開発品質を実現できる時代が、すぐそこまで来ているのです。
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