
OpenAIが新しいコーディング特化型AI「GPT-5.2-Codex」を発表しました。このモデルは、長時間の開発作業への対応力とサイバーセキュリティ能力が大幅に強化されています。実際にReactの未知の脆弱性をわずか1週間で発見するなど、その実力が証明されています。
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GPT-5.2-Codexの進化点

GPT-5.2-Codexは、GPT-5.2をエージェント活用型コーディング向けに最適化したモデルです。エージェント活用型コーディングとは、AIが自律的にコードを書き、修正し、検証するプロセスを繰り返しながら開発を進める手法を指します。
最も重要な改善の一つが、ネイティブなコンテキスト圧縮です。コンテキストとは、AIが過去のやり取りや作業内容を記憶している範囲のことで、この技術により推論のトークン効率を維持しながら、長時間にわたるコーディング作業でも信頼できるパートナーとして機能します。大規模なリポジトリで作業する際も、計画変更や試行の失敗があっても、コンテキストを完全に保持したまま作業を続けられるようになりました。
リファクタリングや移行といった大規模なコード変更での性能も向上しています。リファクタリングとは、プログラムの動作を変えずに内部構造を改善する作業のことで、これらの複雑なタスクを作業の流れを見失うことなく、より確実に完了できるようになりました。加えて、Windows環境でのパフォーマンスも改善され、ビジョン性能の強化により、スクリーンショット、技術図、UI画面をより正確に解釈できます。デザインモックを迅速に機能するプロトタイプへ変換し、本番環境へと進めることが可能になりました。
性能面では、SWE-Bench ProおよびTerminal-Bench 2.0という、現実的なターミナル環境における多様なタスクでのエージェント性能を評価するベンチマークにおいて、最先端の性能を達成しています。現代社会を支えるソフトウェアの信頼性は、強固なサイバーセキュリティに支えられていますが、GPT-5.2-Codexはこの分野でも注目すべき成果を示しました。
サイバーセキュリティ能力と実際の発見事例

GPT-5.2-Codexは、これまでOpenAIがリリースしたどのモデルよりも強力なサイバーセキュリティ能力を備えています。OpenAIの主要な評価では、GPT-5-Codex、GPT-5.1-Codex-Max、GPT-5.2-Codexと段階的に性能が向上しており、その実力は実際の脆弱性発見という形で証明されました。
2025年12月11日、Reactチームは、React Server Componentsを用いて構築されたアプリに影響を与える3件のセキュリティ脆弱性を公開しました。脆弱性とは、ソフトウェアの欠陥で攻撃者に悪用される可能性のある弱点のことですが、この発見を行ったのは、Privyの主任セキュリティエンジニアであるAndrew MacPherson氏です。
同氏はCodex CLIや他のコーディングエージェントとともにGPT-5.1-Codex-Maxを使用し、前週に公開されたReact2Shell(CVE-2025-55182)の再現と調査を行っていました。当初、ゼロショット分析(事前の学習例を与えずにAIにタスクを実行させる手法)を試みましたが成果が得られなかったため、標準的な防御的セキュリティのワークフローに切り替えました。ローカルのテスト環境を構築し、ファジング(不正な入力でシステムを検証する手法)によってシステムを検証したところ、Codexは予期せぬ挙動を明らかにしました。わずか1週間のうちに、これまで知られていなかった脆弱性が発見され、すべてが責任ある形でReactチームに報告されました。
この事例は、高度なAIシステムが現実世界のソフトウェアにおいて防御的セキュリティ業務を実質的に支援できることを示しています。同時に、これらの能力は悪意のある主体によって悪用される可能性もあるため、こうしたデュアルユース、つまり防御と攻撃の両面で使える性質への慎重な対応が求められています。現時点でGPT-5.2-Codexは、OpenAIのPreparedness Frameworkにおいてサイバー能力が「High」レベルには達していませんが、将来的な能力向上を見据え、追加の安全対策が実装されています。
trusted accessプログラムと提供の考え方

有料ChatGPTユーザー向けには、Codexのすべての環境でGPT-5.2-Codexが利用可能になっています。APIユーザー向けには、今後数週間以内に安全にアクセスを提供できるよう取り組んでいます。
これと並行して、OpenAIは「trusted access」と呼ばれる招待制のプログラムを試験的に導入しました。セキュリティチームは、脅威アクターの行動の再現、マルウェア分析、重要なインフラのストレステストなどを行う際に、さまざまな制約に直面しますが、このプログラムはこうした摩擦を取り除き、信頼された防御側の専門家が最先端のAIサイバー能力を活用できるよう設計されています。
本プログラムは、責任ある脆弱性開示の実績を持つ審査済みのセキュリティ専門家や、明確な業務上のサイバーセキュリティ用途を持つ組織を対象に提供されます。要件を満たす参加者には、防御的なユースケースにおいて最も高い能力を持つモデルへのアクセスが提供され、今後の機能やより制限の少ないモデルへの制御されたアクセスも含まれます。脆弱性研究や認可されたレッドチーミング(攻撃者の視点でセキュリティを検証する手法)など、倫理的なセキュリティ活動に取り組む専門家や組織は、本プログラムへの参加に関心がある旨を伝えることができます。
OpenAIはこの提供の進め方によって、アクセシビリティと安全性のバランスが取れると考えています。能力向上に対して、強固な安全対策、厳格なアクセス制御、そしてセキュリティコミュニティとの継続的な連携を組み合わせることで、本リリースを通じて得られる知見を今後のアクセス拡大に直接反映させていく方針です。
まとめ

いかがだったでしょうか?
GPT-5.2-Codexは、長時間の開発作業に対応するコンテキスト圧縮技術や、大規模なリファクタリング性能の向上など、実用的な進化を遂げています。特に注目すべきは、実際にReactの脆弱性を発見した事例が示すように、サイバーセキュリティ分野での能力が大幅に強化された点です。一方で、デュアルユースのリスクに配慮し、trusted accessプログラムなど段階的な提供を通じて、防御側の専門家を支援しながら悪用を防ぐ取り組みも行われています。適切なツールとして活用することで、ソフトウェアの信頼性向上に貢献できる可能性を持っています。
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