
NTTが開発した大規模言語モデルの最新版「tsuzumi 2」が登場しました。1つのGPUで動作する軽量設計でありながら、GPT-5に匹敵する性能を達成しています。運用コストを抑えながら高い性能を実現したこのモデルは、企業のAI活用における新しい選択肢となります。
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軽量でありながらトップクラスの性能を実現

参考:NTT 研究開発
tsuzumi 2の最大の特徴は、コンパクトな設計と高性能の両立にあります。このモデルは1つのGPUで動作する軽量設計を採用しており、40GB以下のメモリを搭載した少し前のGPUでも稼働可能です。最新の言語モデル向けGPUは高性能である一方で高額なものが多い中、既存の設備でも運用できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
性能面では、代表的なベンチマークの1つであるMT-benchにおいて、GPT-5との比較で注目すべき結果を示しています。MT-benchは言語モデルの特性を多角的に評価するテストで、情報抽出、人文科学、数学、コーディング、推論、ロールプレイ、科学技術、ライティングという8つの分野で構成されています。tsuzumi 2はこれらほぼすべての分野でGPT-5と同等の数値を記録し、特定の用途に特化したモデルではなく、多様な要求に応えられる汎用性の高さを備えていることが証明されました。
しかし、高性能なモデルを手に入れても、運用コストが膨らんでは意味がありません。大規模言語モデルの導入が進む中、利用頻度が極めて高いユーザーが増えてくると見込まれています。API経由での利用は初期投資が少なく手軽ですが、利用回数に応じて料金が発生するため、高頻度で使用する場合は自社でサーバーを運用した方が経済的になる判断が増えてくると考えられます。さらに、AIエージェントによるシステム連携などを通して、より機微な情報を言語モデルに与えるケースの増加も予測され、オンプレミス環境への導入ニーズも今後高まっていくでしょう。tsuzumi 2は、こうした運用コストとセキュリティの両面から見た実用性を重視して開発されており、実際のビジネスシーンで求められる能力にも焦点を当てています。
企業での実用に特化した能力強化と信頼性

参考:NTT 研究開発
では、tsuzumi 2は実際のビジネスシーンでどのような力を発揮するのでしょうか。NTTの顧客における大規模言語モデルの利用実態を見ると、マニュアルや社内資料の文書検索、要約・生成が83%と圧倒的に高く、次いで申請書等のドキュメント生成が32%、企業の固有表現抽出・理解が19%と続きます。この実態を踏まえ、tsuzumi 2ではユースケースの80%を占めるドキュメントに対するQAタスク、いわゆるRAG検索要約と、ドキュメントからの情報抽出・要約タスクを集中的に強化しました。RAGとはRetrieval-Augmented Generationの略で、必要な情報を外部のデータベースや文書から取得し、それを基に回答を生成する手法です。前バージョンとの比較では、要約、情報抽出、RAG検索の3つの主要タスクすべてで大きく性能を向上させることに成功しています。これらのタスクについては、ビジネスでの利用を想定した独自の評価セットを構築し、実践的な評価を行いました。
さらに、NTTの顧客が多い金融、自治体、医療分野については特に多くの知識を学ばせており、これらの分野では多くのユースケースで優れた性能を発揮します。しかし、知識があるだけでは不十分です。企業利用の特徴の1つに出力形式の指定があります。例えば、要約においても自由に要約文を生成させるのではなく、報告様式に準拠させたい場合や、技術系の用途であれば文書から特定の情報を抽出し、JSON形式で出力して欲しいといった要求が存在します。tsuzumi 2ではこうした要望に応えるために指示遂行力を強化することで、使い勝手の良い言語モデルを目指しました。
そして、高性能と使い勝手の良さに加えて、tsuzumi 2にはもう1つ重要な強みがあります。それがモデルの信頼性です。昨今、言語モデル学習における新聞データの無断利用に関する訴訟が起きるなど、モデル開発過程における信頼性が問われています。開発会社だけではなく、問題を指摘されたモデルを使い続けることは利用者側も責任を問われかねません。NTTはフルスクラッチ開発を採用し、オープン利用可能な他社のモデルを種とすることなく、完全に一からモデルを構築しています。学習データの完全コントロールにより、データの権利、品質、バイアスの管理が可能となり、モデルの信頼性を高める上で極めて重要な取り組みとなっています。前バージョン同様、tsuzumi 2も日本の国内法に準じて開発された純国産モデルとして、安心して長期的に利用できる基盤が整っています。
まとめ

いかがだったでしょうか?
tsuzumi 2は、1つのGPUで動作する軽量設計と超大型の言語モデルに迫るトップクラスの性能を両立させた大規模言語モデルです。企業での利用実態を踏まえた機能強化により、文書検索や要約、情報抽出といった実務で頻繁に使われるタスクで大幅な性能向上を実現しています。フルスクラッチ開発による信頼性の高さも特徴で、日本の国内法に準じた純国産モデルとして安心して利用できます。運用効率と性能のバランスに優れたtsuzumi 2は、企業のAI活用において有力な選択肢となるでしょう。
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