Mistral AIが小型で高性能な「Devstral 2」発表!

フランスのAIスタートアップMistral AIが、コード生成に特化した新モデル「Devstral 2」を発表しました。オープンソースでありながら、業界最高水準のベンチマークで72.2%を記録しています。同時に、ターミナル上で動作するコーディング支援ツール「Mistral Vibe CLI」もリリースされました。

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「小さくても強い」を証明したDevstral 2の衝撃

参照:Mistral

AIモデルの世界では、長らく「大きければ大きいほど賢い」という法則が支配していました。パラメータ数(AIモデルの規模を示す指標)が数千億を超えるモデルが次々と登場し、性能競争は巨大化の一途をたどってきました。
Mistral AIが発表したDevstral 2は、この常識に挑戦します。123億のパラメータを持つこのモデルは、競合のDeepSeek V3.2の5分の1、Kimi K2の8分の1というサイズでありながら、コード生成の実力を測る指標「SWE-bench Verified」で72.2%のスコアを記録しました。24億パラメータ版の「Devstral Small 2」も68.0%を達成しています。
なぜサイズが小さいことが重要なのでしょうか。大型モデルを動かすには、データセンター級の高性能GPU(画像処理や機械学習に特化した高価な計算装置)が何十台も必要になります。一方、Devstral 2は最低4台のH100クラスGPUで動作し、Devstral Small 2に至っては一般的なゲーミングPCレベルのGPU、さらにはGPUなしでも実行できます。
コスト面でも注目すべき数字が出ています。実際のタスクにおいて、Anthropic社の高性能モデルClaude Sonnet 4.5と比較して最大7倍のコスト効率を実現したとMistral AIは発表しています。現在は無料ですが、将来的には100万トークン(約75万文字)あたり入力$0.40、出力$2.00という価格設定が予定されています。
独立した評価機関による人間評価では、Devstral 2はDeepSeek V3.2に対して勝率42.8%、敗北率28.6%と優位性を示しました。ただし、Claude Sonnet 4.5と比較した場合は依然として差があり、最上位モデルとのギャップは残っています。
提供形態にも特徴があります。Devstral 2は修正MITライセンス、Devstral Small 2はApache 2.0ライセンスで公開されており、誰でも自由に使用、改変、商用利用できます。企業は自社のサーバーにモデルを配置し、機密情報を外部に送信することなく利用可能です。
技術面では、Devstral 2は256Kのコンテキストウィンドウ(一度に読み込んで理解できる情報の範囲)をサポートしており、プロジェクト全体を把握しながら複数のファイルにまたがる変更を調整できます。Devstral Small 2は画像入力にも対応しており、スクリーンショットやデザイン案からコードを生成することも可能です。
小型でありながら高性能、低コストでありながら実用的、オープンソースでありながら企業利用に耐える設計。このDevstral 2の能力を最大限に引き出すツールが、同時に発表されたMistral Vibe CLIです。

ターミナルという古典が、最先端のコーディング体験に変わる瞬間

黒い画面に白い文字。コマンドを一行ずつ打ち込んでいく。CLI(Command Line Interface、キーボードでテキストコマンドを入力して操作する方式)と呼ばれるこのインターフェースは、コンピューターの黎明期から存在する古典的な操作方法です。
Mistral AIが発表した「Mistral Vibe CLI」は、この古典的なインターフェースに自然言語によるコード操作という新しい次元を持ち込みます。Apache 2.0ライセンスの下でオープンソースとして公開されたこのツールは、Devstral 2を搭載し、ターミナル上で動作するコーディングアシスタントです。
従来のツールとの決定的な違いは、自然言語でプロジェクト全体を操作できる点にあります。「認証機能を追加して」「このバグを修正して」といった日本語や英語の指示を入力すれば、プロジェクト全体の構造を理解した上で必要なファイルを探し出し、適切な変更を提案します。ツールを起動すると、自動的にファイル構造とGit(コードのバージョン管理システム)の状態をスキャンし、プロジェクトの全体像を把握します。@記号でファイルを参照、!記号でシステムコマンドを実行できるなど、直感的な操作体系も備えています。
実用性を裏付けるのが、既存ツールとの連携です。オープンソースのコーディング支援ツールであるClineおよびKilo Codeと提携し、Devstral 2をこれらのプラットフォームで利用できるようになりました。Cline側からは「ツール呼び出しの成功率が最高の有料モデルと同等」との評価が寄せられ、Kilo Code側では最初の24時間で170億トークン(約127億文字分)を超える利用があったと報告されています。さらに、コードエディタ「Zed」の拡張機能としても提供されており、他のエディタやIDEにも統合可能です。ツールの実行を自動承認するモードの切り替え、ローカルモデルへの変更、各機能の権限設定など、細かなカスタマイズにも対応しています。
黒い画面が、会話的で理解力のあるパートナーに変わる。Mistral Vibe CLIが提示するのは、そんな体験です。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Mistral AIのDevstral 2は、オープンソースのコーディングAIに新たな選択肢をもたらしました。小型でありながら高性能、コスト効率も高く、自社サーバーでの運用やカスタマイズにも対応する柔軟性を備えています。Mistral Vibe CLIと組み合わせることで、ターミナル上での自然言語によるコード操作が現実のものとなりました。

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