シンガポールのAIベンチャーMiniMaxが、新たなAIモデル「MiniMax-01シリーズ」を発表しました。400万トークンという圧倒的な処理能力は、市場最大手のGoogleの2倍に相当します。GPT-4の12.5分の1という低価格で、オープンソースとして提供されるため、企業のAI活用に大きな影響を与える可能性があります。
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従来の5倍以上、処理能力で市場を一変させるMiniMax
MiniMax-01シリーズの最大の特徴は、一度に400万トークンを処理できる能力です。トークンとはAIが文章を理解するための単位で、日本語なら約1文字、英語なら約0.7単語に相当します。この処理能力は、現在最大手のGoogleが提供するGemini 1.5 Proモデルの2倍にあたります。
このモデルの中核となるのは、Lightning Attentionと呼ばれる新技術です。この技術は、通常のAIモデルが長い文章を処理する際に必要とする計算量を大幅に削減し、効率的な処理を可能にします。4,560億のパラメータのうち、実際の使用時には459億のみを活用する仕組みにより、高速な処理を実現しました。また、32の専門家システム（MoEフレームワーク）により、GPU間の通信負荷を削減し、長文処理時の性能低下を抑制しています。実際のテストでは、400万トークンの文章から特定の情報を探し出すNeedle-In-A-Haystackタスクで100%の精度を達成しました。この技術により実現した処理能力は、次に説明する低価格と合わせて、ビジネスでの活用範囲を大きく広げる可能性を持っています。
コスト削減と効率化、ビジネスモデルを変えるAPI価格設定
MiniMaxのAPI価格設定は、入力トークン100万件あたり0.2ドル、出力トークン100万件あたり1.1ドルです。これはOpenAIのGPT-4の入力価格2.50ドルと比べて12.5分の1という、大幅なコスト削減を実現しています。技術面では、一般的なプログラミング言語を使用して自社のアプリケーションにMiniMaxの機能を組み込むことができます。HuggingFaceやGithubでモデルが公開されるため独自のカスタマイズも可能で、Hailuo AI Chatを通じてモデルを直接試すこともできます。
MiniMaxは2025年をAIエージェント（特定の業務を自動で行うAIプログラム）の普及元年と位置づけています。同社は大量の文脈理解と長期記憶保持が必要となるエージェント開発において、この処理能力と価格設定が重要な役割を果たすと考えています。企業や開発者はmodel@minimaxi.comを通じて技術提案や協力の相談ができ、今後の活用範囲の拡大が期待されています。
まとめ
いかがだったでしょうか？
MiniMaxの新しいAIモデルは、高い処理能力と低コストで、ビジネス向けAI市場に新たな選択肢を提供しています。大量の文書処理やAIサービス開発において、このモデルは大きな可能性を持っています。HuggingFaceやGithubで公開されるモデルを試してみることで、自社のビジネスでの活用方法が見えてくるかもしれません。
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