IBMが企業向け大規模言語モデル「Granite 3.0」を発表しました。すでに20億ドル規模に達しているIBMの生成AI事業において、この新モデルは企業のニーズに応える形で設計されています。
本記事では、Granite 3.0の機能と特徴、企業での活用と安全性への取り組み、オープンソース戦略と生成コンピューティングについて説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
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Granite 3.0の機能と特徴
コンピューター・IT業界の大手として知られるIBMは、1911年の創業以来、企業向けのテクノロジーソリューションを提供してきました。その実績を活かし、新たに開発したGranite 3.0では、企業のニーズに合わせて複数のモデルサイズを用意しています。汎用性の高い20億パラメータと80億パラメータのモデルに加え、特定のタスクに特化したMixture-of-Experts(MoE)モデルも提供されています。MoEモデルとは、複数の専門家モデルを組み合わせることで、効率的な処理を実現する設計手法です。
開発において特筆すべき点は、トレーニングデータの規模と質にあります。IBMの中央データモデルファクトリーチームが12兆トークンものデータを使用し、複数の言語とプログラミングコードの両方を学習させた点に加え、IBMが長年の事業で蓄積した独自のデータセットを活用している点も特徴となっています。さらに、コスト面での工夫も施されており、企業での実用を考慮したモデルサイズの最適化により、推論時のコストを抑制しています。各モデルサイズにおいて性能とコストのバランスを調整できることから、企業は自社の要件に合わせて最適なモデルを選択することが可能です。
昨今様々な企業が大規模言語モデル(LLM)を開発・提供していますが、IT業界で伝統のあるIBMが提供するLLMには大きな期待が送られます。12兆トークンというデータセットがあるため、安心してご利用いただけそうです!
企業での活用と安全性への取り組み
Granite 3.0は、IBMのwatsonXをはじめ、Amazon Bedrock、Amazon Sagemaker、Hugging Faceなど、主要なAIプラットフォームでの利用が可能であり、企業は既存のシステムや開発環境を活かしながら、自社の環境に合わせた形でモデルを導入できます。具体的な活用シーンとしては、カスタマーサービスでの問い合わせ対応やIT運用の自動化、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の効率化、アプリケーション開発の支援、サイバーセキュリティの強化などが挙げられます。特にIBMが持つ企業データを活用して学習を行っているため、ビジネス文書の理解や業務特有の専門用語の処理において、実用的な性能を発揮することが見込まれます。
安全性の面では、特別な「Guardian」モデルを提供することで、AIの出力内容を監視し、不適切な内容の生成を防ぐ仕組みを実装しています。これにより、コアモデルが想定外の動作(ジェイルブレイク)をしようとした場合や、有害なコンテンツを生成しようとした場合に、それを検知して制御することが可能です。この安全性機能により、企業は機密情報や個人情報を扱う業務においても、より安心してAIを活用できる環境が整っています。また、モデルの処理速度と応答時間は、実際の業務での使用を想定して最適化されており、IBMによれば、特に企業での一般的なユースケースにおいて、安定した性能を発揮できるよう設計されているとのことです。
長年IT業界で大量のデータを扱ってきたIBMだからこそ、安全性への対策やビジネスの活用を想定したLLMになっています。主要AIプラットフォームから利用できる点もメリットの一つですね!
オープンソース戦略と生成コンピューティング
Granite 3.0の大きな特徴は、Open Source Initiative(OSI)が承認したApache 2.0ライセンスでの提供にあります。このライセンスにより、企業はモデルを自由にカスタマイズし、独自の製品やサービスに組み込むことが可能となります。現在、MetaのLlamaなど多くのAIモデルがオープンソースを標榜していますが、実際にOSI承認のライセンスで提供されているものは限られているのが現状です。Apache 2.0ライセンスの採用により、企業は法的リスクを気にすることなく、Granite 3.0を基盤とした開発を進めることができます。モデルに独自の改良を加えて製品化したり、社内システムに統合したりする際も、ライセンス面での制約を懸念する必要がありません。
また、IBMは今回のGranite 3.0の発表に合わせて、「生成コンピューティング」という新しい概念も提示しています。これは従来の方式とは異なり、細かい命令を一つ一つ記述するのではなく、目的や例を示すだけでコンピュータが適切な処理を行う仕組みの構築を目指すものです。IBMによれば、Granite 3.0はこの新しいパラダイムを実現するための重要な一歩として位置づけられています。
現状、自身の目的とする文章や答えに辿り着くためには、AIに複数の指示を送る必要がありますが、生成コンピューティングが実用化されると、誰もがAIを直感的に利用できるようになると考えます。子供から大人まで同じレベルでAIを使いこなせる時代が近づいて来ています!
まとめ
いかがだったでしょうか?
Granite 3.0は、企業のニーズに応える多様なモデルラインナップと、Apache 2.0ライセンスによる柔軟な利用環境を提供しています。安全性への配慮と実用的な性能を備え、主要なAIプラットフォームでの利用が可能な点も、企業での導入を容易にしています。IBMの独自データを活用した学習により、ビジネス現場での実用性も確保されています。これらの特徴から、Granite 3.0は企業のAI活用における現実的な選択肢となることでしょう。
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