現在のAIモデルの多くは、大規模なデータセンターでの処理が必要とされています。そんな中、Hugging Faceが発表した言語モデル「SmolLM2」は、小型でありながら高い性能を実現し、スマートフォンでの動作を可能にしました。
本記事では、SmolLM2の実力と特徴、スマートフォンでのAI活用がもたらす変化について紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
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SmolLM2の実力と特徴
SmolLM2は、AIモデルの学習量や処理能力を示す「パラメータ数」が135M(1億3500万)、360M(3億6000万)、1.7B(17億)の3つのサイズで展開され、Apache 2.0ライセンスの下で公開されています。
最大サイズの1.7Bモデルは、いくつかの重要な評価指標においてMetaのLlama 1Bモデルの性能を上回りました。(上記画像)チャット機能を評価するMT-Benchテストでは6.13という数値を記録し、また数学的な推論能力を測るGSM8Kベンチマークでは48.2点を獲得するなど、小型モデルながら複雑な計算処理も可能であることを示しています。
この高い性能は、11兆もの学習データと慎重な設計アプローチにより実現されました。教育関連のデータセット「FineWeb-Edu」に加え、数学やプログラミングに特化したデータセットで訓練を重ねることで、テキストの書き換え、要約、特定の機能呼び出しなど、幅広い処理に対応できる能力を獲得しています。これらの機能は、基本的な言語処理が可能な標準モデル(ベースバージョン)と、特定の指示に従ってタスクを実行できるように調整されたモデル(指示調整済みバージョン)の2種類で提供されており、この柔軟な選択肢とコンパクトな設計は、処理能力とメモリが制限されたデバイスでの利用を可能にしています。
これまで筆者が紹介してきたLLM(例えばLlamaなど)は7Bや70Bと大きめのモデルが使われていましたが、SmolLM2のパラメーター数は他と比べると小さいように感じます。しかし、小型であっても性能は高いので、様々なデバイスで利用可能になることが予想されます。実際に、次のセクションではスマートフォン上での活用についてご紹介していきます!
スマートフォンでのAI活用がもたらす変化
現在、多くの企業や開発者がAIモデルを利用する際には、高額な利用料金と通信時の応答遅延が避けられないクラウドコンピューティングサービスを使用する必要があります。さらにデータをクラウドに送信する必要があるため、個人情報やビジネス上の機密情報を扱う際にはプライバシーの懸念も生じています。SmolLM2のような小型AIモデルは、デバイス上での直接処理を可能にすることで、クラウドへの依存度を下げることができます。この特徴は、特に小規模企業や個人開発者にとって重要な意味を持ちます。なぜなら、高価なクラウドサービスを利用することなく、モバイルアプリケーションやIoTデバイスへのAI機能の実装が可能になるためです。
ただし、現時点でのSmolLM2にはいくつかの課題も存在します。主に英語でのコンテンツ理解と生成に特化しており、他の言語への対応は限定的となっています。また、Hugging Face社の説明によると、出力される内容が必ずしも事実に基づいていない場合や、論理的な一貫性を欠くことがある点も、実用化に向けての検討課題となっています。
このように、小型であることによってスマートフォンのモバイルアプリケーションなどの、デバイス上で処理ができることがSmolLM2の強みになります。クラウドを通して、ハイスペックなLLMを高額で利用するよりも、小型で性能の高いSmolLM2の方が手を出しやすい方は多いかと思われます。あとは日本語に対応してくれるのを待つのみですね!
まとめ
いかがだったでしょうか?
SmolLM2の登場は、大規模な計算資源を必要としないAIモデルの実現可能性を示しました。現時点では英語対応が中心で出力の正確性にも課題が残されていますが、スマートフォンでの直接処理を可能にした点は注目に値します。専門家たちは、今後のAIの方向性として、より効率的なモデルの開発が重要になると見ています。
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