
AIに「この近くでランチできる場所は?」と聞いたとき、営業時間や評価、雰囲気まで教えてくれたらどうでしょう。Googleが発表したGemini APIの新機能は、2億5千万以上の場所データとAIを結びつけました。ChatGPTやClaudeにはない、Googleならではの強みです。
ARCHETYP Staffingでは現在クリエイターを募集しています。
エンジニア、デザイナー、ディレクター以外に、生成AI人材など幅広い職種を募集していますのでぜひチェックしてみてください!
ボタンから募集中の求人一覧ページに移動できます。
Geminiが手に入れた「地図という知識」
Googleが今回発表したのは「Grounding with Google Maps」という機能です。グラウンディングとは、AIが外部の信頼できる情報源と繋がり、その情報を基に回答を生成する仕組みを指します。これまでGeminiは学習したデータを元に答えていましたが、この機能によってGoogle Mapsのリアルタイムデータを直接参照できるようになりました。つまり、AIが「知っている」だけでなく、「今、確認できる」ようになったということです。扱えるのは世界中の2億5千万以上の場所に関する情報です。営業時間、住所、利用者の評価、写真といった基本情報はもちろん、コミュニティレビューに基づく「屋外席があるか」といった細かな情報まで含まれます。あなたが「静かなカフェを探している」と伝えれば、AIはその文脈を理解し、雰囲気に関する情報を組み合わせて答えを返してくれるわけです。
対応するモデルは、Gemini 2.5 Pro、Gemini 2.5 Flash、Gemini 2.5 Flash-Lite、Gemini 2.0 Flashの4種類です。開発者はGoogle AI Studioでこの機能を試すことができます。
実際のデモを見ると、その精度の高さが分かります。シカゴでイタリアンレストランを探すケースでは、ユーザーがレストラン名をスペルミスしたまま尋ねても、AIはマップデータを参照しながら正しい店名を特定し、営業時間などの詳細情報を含めて回答しました。これまでのAIなら「該当する情報が見つかりませんでした」で終わっていたかもしれない場面でも、地図データとの照合によって正確な答えを導き出せるようになったのです。(上記動画)
さらに開発者は、コンテキストトークンを取得することでアプリ内にGoogle Mapsのウィジェットを埋め込むこともできます。ウィジェットには写真やレビューが表示されるため、AIが生成したテキストを読むだけでなく、視覚的な情報も同時に確認できます。統合自体はシンプルで、Gemini APIのgenerateContent
メソッド(AIに指示を送る際に使う命令)にgoogleMaps
をツールとして指定するだけです。
では、この仕組みを使うと私たちの日常にどんな変化が訪れるのでしょうか。
開発者が描ける新しい体験

この機能が本領を発揮するのは、位置情報が重要な役割を果たす場面です。たとえば旅行を計画するとき、あなたは訪れたい場所をいくつか挙げるだけで、AIが訪問順序、移動ルート、移動時間、各施設の営業時間を考慮した一日の旅程を自動で組み立ててくれます。不動産を探すときなら、物件情報だけでなく「近くに学校や公園があるか」といった周辺環境まで含めて提案してもらえるわけです。
この機能にはもう一つ、見逃せない強みがあります。それはGoogle検索によるグラウンディングと併用できる点です。マップからは場所の基本情報を、検索からはニュースやイベント情報を取得し、両方を組み合わせた回答を生成できます。たとえば「ビールストリートでライブ音楽を聴きたい」と尋ねれば、マップから会場の詳細を、検索からイベントの開催時間を引き出して答えてくれるのです。Googleの内部テストでは、両方を併用することで回答の質が大きく向上したとされています。あなたの位置情報が分かっている場合、開発者はリクエストに緯度と経度を含めることでより適切な結果を得られます。システムプロンプトの調整、モデルの選択、音声設定の変更といったカスタマイズも可能です。
ただし、この機能を使うには費用がかかります。価格は1,000のグラウンディングされたプロンプトあたり25ドルです。プロンプトとは、あなたがAIに送る質問や指示のことを指します。多くの問い合わせを処理するアプリでは費用がかさむため、Googleは地理的な文脈が明確に関係する場合にのみ機能を有効化することを推奨しています。利用できる地域はグローバルですが、中国、イラン、北朝鮮、キューバなどでは使用が禁止されており、緊急対応が必要な用途での利用も認められていません。
APIが返すデータには、ソースリンク、プレイスID(場所を識別するための固有番号)、引用範囲といったメタデータが含まれます。開発者はこれを使って、AIが参照した情報源を明示し、回答の根拠を示せます。Googleは、マップ由来の情報については必ず出典を明記し、元のページへのリンクを設置することを求めています。あなたが受け取った情報がどこから来たのかを確認できるようにする仕組みです。
ちなみに、現時点ではライブの車両交通データは含まれていません。将来的に追加される可能性はありますが、今のところは対応していないようです。こうした制約はあるものの、AIが地図データと結びついたことで、私たちが日常で使うアプリやサービスは大きく変わっていくはずです。
まとめ

いかがだったでしょうか?
Googleが発表したGemini APIの新機能は、AIと地図データを結びつけることで、場所に関する質問への回答を実用的なものにしました。開発者が作るアプリやサービスを通じて、私たちの日常にもこの変化は届いていくでしょう。AIが場所を理解し始めたことで、尋ね方も、得られる答えも、これまでとは違ったものになっていきます。
参照:Developers can now add live Google Maps data to Gemini-powered AI app outputs
ARCHETYP Staffingではクリエイターを募集しています!
私たちはお客様の課題を解決するweb制作会社です。現在webサイト制作以外にも、動画編集者や生成AI人材など幅広い職種を募集していますのでぜひチェックしてみてください!
また、アーキタイプではスタッフ1人1人が「AI脳を持ったクリエイター集団」としてこれからもクライアントへのサービス向上を図り、事業会社の生成AI利活用の支援及び、業界全体の生成AIリテラシー向上に貢献していきます。
生成AIの活用方法がわからない、セミナーを開催してほしい、業務を効率化させたいなどご相談ベースからお気軽にお問い合わせください!
ボタンから募集中の求人一覧ページに移動できます。