はじめに
GoogleがGPT-4の対抗として注目されていた「Gemini」(ジェミニ)を発表しました!
各種のベンチマークにおいて、テキストの処理でGPT-4とマルチモーダル処理でGPT-4Vと比較して多くの項目で上回っていると言います。
今回の記事では、Geminiが何であり、どんな機能を兼ね備えているのかを掘り下げます。
Geminiは、従来のAIモデルを超える機能と柔軟性を備えています。
その特徴は、テキスト、画像、音声、動画を含む多様な情報を処理し、統合する能力にあります。
これにより、Geminiは単なるテキストベースのAIを超え、より複雑なタスクと相互作用に対応できます。
このAIモデルは、Googleの長年の研究と開発の集大成と言われており、「Ultra」「Pro」「Nano」という3つの異なるサイズで提供されます。
それぞれのモデルは異なる用途と機能を持ち、例えば「Pro」はGoogleのチャットボット「Bard」に搭載され、「Nano」は高性能スマートフォンPixel 8 Proに組み込まれる予定です。
それでは、Googleの最新のマルチモーダルAIモデル、Geminiの魅力と可能性について、詳しく見ていきましょう。
Geminiの概要と重要性
Geminiとは何か
「Gemini」は、Googleの最新大規模言語モデル(LLM)です。
Geminiはいきなり登場したのではなく、2023年5月の「Google I/O」で発表されたLLMであり、現時点で最も高性能だと言われています。
従来の人工知能技術を数段階アップグレードさせたこのモデルは、複数の情報モーダル(テキスト、画像、音声、動画)を一つのフレームワークで処理する能力を持っています。これにより、Geminiは単なるテキスト処理を超えて、人間のように複雑な情報を統合的に理解し、それに基づいて行動することが可能になります。
大規模言語モデル(LLM)について詳しく知りたい方はこちらの記事で解説してます!
https://staffing.archetyp.jp/magazine/llm/
Geminiの特徴
GoogleのGeminiの特徴はマルチモーダル能力です。
マルチモーダル能力により、これまでにないレベルでの情報処理が可能になります。
例えば、画像とその画像に関連するテキストを同時に分析し、より深い理解を得ることができます。また、音声データと関連するビジュアルデータを組み合わせることで、より豊かなコンテキストが生まれ、ユーザーの意図を正確に捉えることが可能になります。
これにより、自然言語処理の範囲が大幅に拡張され、例えば教育や医療、エンターテイメントなどの分野で新しい応用が可能になります。
Geminiのバリエーションと特徴
引用元:https://youtu.be/jV1vkHv4zq8
GoogleのGeminiは、その用途に合わせて異なる3つのバリエーションで提供されています。
これら「Ultra」、「Pro」、「Nano」と名付けられたモデルは、それぞれ異なる機能と性能を持ち、多様なニーズに対応することができます。
Gemini Ultra: 高度なAIタスク用
Gemini Ultraは、最も高性能な機能です。これは複雑なAIタスク、特に大規模なデータセットの処理や高度な分析が求められるシナリオに最適です。
開発者や大企業が、研究や商品開発、ビジネス戦略の策定などに利用することが想定されており、2024年のリリースを予定しております。また、Ultraは人間の専門家を超えると言われています。
Gemini Pro: 一般的なAI応用向け
Gemini Proは、より広範な一般的なAI応用に適しています。これは、企業や開発者が日常的に遭遇する様々なタスクに対応するためのもので、現在は英語版のGemini ProはGoogleのチャットボット「Bard」に搭載されています。(順次日本語対応もしていく予定です)
Gemini Proは、検索サービス、広告、Chrome、Duet AIなど、Googleの多くのプロダクトに組み込まれることが予定されています。
Duet AIはこちらの記事で解説しています!
https://staffing.archetyp.jp/magazine/duet-ai-2/
Gemini Nano: モバイルとエッジデバイス用
最後に、Gemini Nanoは、サイズが小さく、スマートフォンやエッジデバイスでの利用を前提としたモデルです。
これは、GoogleのPixel 8 Proに搭載され、音声の文字起こしやメッセージングアプリのスマートリプライ機能などに応用されます。Gemini Nanoは、日常生活におけるAIの使用をより身近なものにし、ユーザーエクスペリエンスを向上させることを目指しています。
Geminiの機能
デモ動画を見てみるとかなり精度が高いことがわかります。
動画内では紙に鳥の絵を描いています。
絵を描いている最中になんの絵か見事に当てています。
次にアヒルのおもちゃを用意するとどんな素材で作られているかなども回答してくれています。
解析だけでなく、クイズを出してくれたり、アイデア出しも手伝ってくれます。
また、動画から何をしているかも答えてくれます。
デモ動画と同じくらいのスピードで回答が返ってくるとすれば、かなり性能が高いと感じました。
GeminiとChatGPTの比較
GoogleのGeminiは、他の先進的なAIモデル、特にOpenAIのGPT-4としばしば比較されます。
このセクションでは、これらのモデルの主要な違いを見ていきます。
Gemini vs GPT-4: 性能面の比較
多様なモーダル処理
GPT-4は、主にテキストベースのAIモデルであり、高度なテキスト生成と理解能力を持っています。(有料のGPT Plusでは画像生成やデータ分析などが可能です。)
一方、Geminiは画像、音声、動画を含むマルチモーダルなデータ処理が可能です。
ChatGPTには無い動画処理などが加わり、Geminiはより複雑な情報の解析と統合が可能になりました。
パフォーマンスのベンチマーク
引用元:https://blog.google/technology/ai/google-gemini-ai/#performance
Geminiは、多くのベンチマークテストにおいてGPT-4を上回る性能を示しています。
特に、マルチモーダルな情報処理能力においては、Geminiが業界最高水準の性能を発揮しています
応用の幅
GPT-4は、テキスト生成や翻訳、要約などの分野で高い能力を発揮しますが、Geminiはこれに加えて、画像や音声データの分析、動画コンテンツの生成といった広範な領域で応用が可能です。
実際に使用してみないことにはなんとも言い難いですが、現状では最高水準の能力があると言えます。
また、ChatGPTもGPT4.5やGPT5が2024年に登場すると噂されており、立場が一気に逆転する可能性も高いです。
Geminiの技術的背景と今後の展望
GoogleのGeminiは、その技術的な点でも注目を集めています。
このセクションでは、Geminiを支える技術的な基盤と、この技術が将来にどのような影響をもたらす可能性があるのかを探ります。
Geminiの技術的基盤
TPU v5pの活用
Geminiの開発には、Googleの最新のAIアクセラレータ「TPU v5p」が使用されています。
このTPU(Tensor Processing Unit)は、特にAIと機械学習のために設計されたプロセッサーで、高速な計算能力を提供します。
TPU v5pは、先代のモデルに比べて、処理速度とメモリ容量が大幅に向上しており、Geminiのような複雑なAIモデルの訓練と実行を高速化します。
マルチモーダルデータ処理
Geminiの核心となるのは、そのマルチモーダルデータ処理能力です。
これにより、Geminiはテキスト、画像、音声、動画などの異なるタイプのデータを統合的に理解し、それぞれのデータから得られる情報を相互補完することができます。この能力は、ディープラーニングと機械学習の最新の技術を組み合わせて実現されています。
Geminiの今後の展望
Gemini Ultraの公開
2024年には、Geminiの最も高性能なバリエーションであるGemini Ultraが開発者や企業向けに公開される予定です。
これにより、より高度なAIアプリケーションの開発が可能になり、特に大規模なデータ分析や複雑な問題解決に新たな可能性が開かれます。
Bard Advancedの導入
Googleは、Gemini Ultraを基盤とした強化版チャットボット「Bard Advanced」も提供する予定です。これにより、より高度な自然言語処理とユーザーインタラクションが可能になり、
例えば、より複雑な質問に対する応答や、ユーザーの意図をより深く理解することができるようになります。
広範な応用分野への展開
Geminiのマルチモーダル能力は、教育、医療、エンターテインメントなどの多様な分野で新たな応用が期待されています。
これらの分野でのGeminiの活用により、より高度なサービスや新しい体験が提供されることになるでしょう。
GoogleのGeminiは、その技術的な基盤と将来の展望において、AI分野における革新的な進歩を代表しています。
この技術が今後どのように社会や産業に影響を与えるかは、非常に期待されています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事ではGoogleのGeminiについて解説しました。
感想としては精度がかなり高い印象でした。しかし本文でも述べましたが、Open AIも来年新たなモデルをリリースする可能性も高いため、日々情報を追っていきましょう!
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