Google CloudがADK強化!開発効率とガバナンス機能を向上

Google Cloudが企業向けAIエージェント開発プラットフォーム「Agent Builder」の大規模アップデートを発表しました。新しい可観測性ダッシュボードやワンクリックデプロイ機能により、開発者はこれまでより短時間でエージェントを構築できます。今回の発表内容を詳しく見ていきましょう。

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「100行未満のコード」で実現する高速開発

Google Cloudは今回、Agent Development Kit(ADK)に大幅な機能追加を行いました。ADKは昨年のCloud Nextイベントで発表されたAgent Builderを通じて利用できるツールキットで、開発者は「100行未満のコード」でAIエージェントを構築できます。Agent Builderはノーコードでエージェントを作成し、LangChainのようなオーケストレーションフレームワーク(複数のAI処理を連携させて動かす仕組み)と接続できるプラットフォームです。
AIエージェント開発プラットフォームの分野では、各社が激しい競争を繰り広げています。OpenAIが最近発表したAgentKitは企業がアプリケーションにエージェントを簡単に統合できる機能を持ち、MicrosoftのAzure AI FoundryやAWSのBedrockプラットフォームも昨年から同様のサービスを展開しています。モデルを持つ企業だけでなく、エージェントライブラリを持つ企業も開発者を自社プラットフォームに引き込もうとしており、機能追加のスピードが競争の鍵となっています。
今回追加された機能で注目すべきは、コンテキスト管理レイヤーの拡充です。Static、Turn、User、Cacheという4つのレイヤーが追加され、エージェントがどのタイミングでどの情報を参照するかを細かく設定できるようになりました。自己修復機能を持つプラグインも導入され、エージェントが何かの処理に失敗したときに、自動的に別の方法で再挑戦してくれます。
開発に使える言語も増えました。これまでPythonとJavaに対応していましたが、今回新たにGo言語でも開発できるようになっています。ワンクリックでテスト環境へ移行できる機能も追加され、手元で作ったエージェントを実際に動かして試すまでの手間が大幅に減りました。Vertex AI Agent Builderのプロダクトマネジメントディレクターであるマイク・クラーク氏は「開発者がどのような技術を選んでも、ニーズに応えられるよう開発プロセスを簡素化しました」と述べています。
開発の効率化が進む一方で、企業がエージェントを実際のビジネスで使うには、セキュリティとガバナンスという別の課題もクリアする必要があります。

企業利用に必須のガバナンスとセキュリティ

企業が本番環境でAIエージェントを使うには、5つの条件を満たす必要があります。高い精度、セキュリティ、可観測性(何が起きているか見える状態)、監査可能性(誰が何をしたか記録が残る状態)、そして制御可能性(きちんとコントロールできる状態)です。Google Cloudは今回、これらすべてに対応する機能を用意しました。
まず可観測性です。Agent Engineマネージドランタイムダッシュボードという新しい管理画面では、トークン消費(API利用量)、エラー率、レイテンシー(応答の速さ)といった重要な指標をクラウド上で監視できます。Google Cloudは当初から手元の開発環境での監視機能を提供していましたが、今回クラウド上での本番監視が可能になり、エージェントが実際にどんな動きをしたか可視化でき、問題が起きたときには再現して原因を探ることもできます。評価レイヤーも新たに加わりました。これは様々なユーザーとのやり取りを想定して、エージェントがどう動くかをシミュレーションする機能です。実際に使い始める前に、色々なパターンでテストできるわけです。
セキュリティ面では3つの機能が導入されます。Agent IdentitiesはGoogle Cloud内でエージェントに固有の身分証明を与える仕組みで、すべての動作に記録が残り、誰が何をしたか追跡できます。この身分証明は証明書で裏付けられているため、なりすましができず、エージェントが使われなくなったときに放置されるリスクもありません。Model Armorは、プロンプトインジェクション(悪意ある指示を紛れ込ませる攻撃)を防ぎ、エージェントが使うツールや出す回答をチェックします。Security Command Centerでは、管理者が不正アクセスなどの脅威を見つけるために、エージェントの一覧を作って管理できます。マイク・クラーク氏は「これらの身分証明機能により、エージェントの動作を細かく管理でき、すべての動作に明確な記録が残ります」と説明しています。
開発しやすさと安全性の両立こそが、今回のアップデートの核心と言えるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Google Cloudの今回のアップデートは、AIエージェント開発のハードルを下げると同時に、企業が求める安全性と管理機能にも応えるものです。OpenAI、Microsoft、AWSといった競合も同様のサービスを提供しており、新機能の追加スピードが差別化のポイントになっています。開発者を自社のエコシステムに引き込む競争は、今後さらに激しくなっていくでしょう。

参考資料:OpenAI unveils Responses API, open source Agents SDK, letting developers build their own Deep Research and Operator

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