Google DeepMindは、タンパク質構造予測AIシステム「AlphaFold 3」の公開を発表しました。
2024年ノーベル化学賞を受賞したデミス・ハサビスとジョン・ジャンパーが開発したこのシステムは、受賞後まもなく公開されることとなりました。
学術研究者向けにソースコードとモデルウェイトが提供される運びとなり、研究現場での活用が期待されています。
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AlphaFold 3が実現する分子レベルの解析
AlphaFold 3の特徴は、生命活動の基本となる分子同士の相互作用を解析できる点にあります。従来のAlphaFold 2では単体のタンパク質構造を予測することはできましたが、それらが他の分子とどのように関わり合うのかまでは分かりませんでした。
新しいAlphaFold 3では、タンパク質がDNAやRNA、さらに低分子と呼ばれる小さな化合物とどのように結合し、相互作用するのかを解析することが可能となりました。これは原子の座標を直接扱う「拡散ベース」という手法を採用したことで実現したもので、従来は分子の種類ごとに異なる解析手法が必要でしたが、この手法により分子の種類を問わず一貫した解析ができるようになりました。特筆すべきは、タンパク質と低分子の相互作用の予測精度です。AlphaFold 3は従来の物理法則に基づく予測手法と比較して、構造入力情報がなくても高い精度での予測を実現しています。これにより、事前の構造情報なしでも信頼性の高い予測が可能となりました。
ただし、現時点でのAlphaFold 3には技術的な課題も残されています。分子の構造が不規則な部分での予測が時として不正確になることや、分子が実際に動いている状態での予測ができないという制限があるため、従来からの実験手法と組み合わせながら使用していく必要があります。このような特徴を踏まえ、次に本システムの具体的な提供方式についてご説明します。
AlphaFold 3についても過去に紹介していますので、併せてご覧ください:
創薬の分野をさらに発展させる「AlphaFold 3」の正体とは!
研究と産業のバランスを目指した公開方式
AlphaFold 3の公開は、科学研究と商業利益の両立を目指した形で進められています。当初DeepMindは、ウェブインターフェースを通じた限定的なアクセスのみを提供していましたが、研究コミュニティからコードの公開を求める声が寄せられていました。これを受けてDeepMindは、独自の公開方式を採用することを決定しました。具体的には、プログラムのソースコードを、著作者の権利を保護しながら自由な利用や改変を認める「クリエイティブ・コモンズライセンス」という利用規約の下で公開し、誰でも閲覧できるようにする一方で、システムの中核となるモデルウェイト(AIが学習した内容を数値化したもの)へのアクセスには、Googleによる学術利用の許可を必要とする形を取りました。この方式により、研究者たちは研究目的でシステムを利用できる一方で、企業による商業利用は管理下に置かれることとなりました。実際にDeepMindの姉妹組織であるIsomorphic Labsでは、このシステムを用いた研究開発を進めています。
現在の公開方式に対しては、完全なオープンソース化を求める意見も存在していますが、これは科学技術の発展における公共性と、企業による投資回収の必要性との間のバランスをめぐる議論を反映したものといえるでしょう。完全オープンソース化は理想ではありますが、企業の負担が増えることも予想されるので、現在公開されているソースコードから新たなサービスが生まれることを楽しみに待ちたいところです!
AlphaFoldがノーベル賞を受賞した記事も紹介していますので、併せてご覧ください:
AlphaFoldとRosetta:AI活用のタンパク質研究がノーベル化学賞
まとめ
いかがだったでしょうか?
Google DeepMindによるAlphaFold 3の公開は、生命科学研究に新たな可能性をもたらしています。研究目的と商業目的を区分する今回の公開方式は、今後の科学技術開発における一つのモデルケースとなる可能性があります。このシステムが研究現場でどのように活用され、どのような成果につながっていくのか、今後の展開が注目されます。
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