サイバーエージェントは、2024年7月9日に日本語特化の大規模言語モデル「CyberAgentLM3」を一般公開しました。225億パラメータを持ち、商用利用も可能なこのモデルは、米Metaの「Llama-3-70B」と同等の日本語能力を誇ります。
本記事では、CyberAgentLM3の技術的特徴と性能、サイバーエージェントのAI開発の取り組みと今後の展望、CyberAgentLM3の使い方について説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください！
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CyberAgentLM3の技術的特徴と性能
「CyberAgentLM3」は、225億パラメータを持つ日本語特化の大規模言語モデルです。このモデルは、既存のモデルをベースにせず、完全にスクラッチから開発されました。日本語能力評価指標「Nejumi LLM リーダーボード3」では、米Metaの「Meta-Llama-3-70B-Instruct」と同等の性能を記録しており、日本語処理能力の高さが評価されています。このモデルは商用利用が可能で、Apache License 2.0（ソフトウェアの自由な使用、改変、配布を許可し、商用利用も可能にするオープンソースライセンス）の下で提供されているため、ビジネス用途でも活用しやすい点が特徴です。また、Hugging FaceでAIモデルとデモが公開されており、誰でもモデルの性能を試すことができます。サイバーエージェントは、「スクラッチ開発のオープンな日本語LLMとしてはトップクラスの性能」と自負しており、今後の利用拡大が期待されます。
オープンソースなので誰でも自由に改変できる点が魅力的ですね。また、商標利用もできるそうなので、CyberAgentLM3を使って自社オリジナルのLLMを作成してみてはいかがでしょうか？
サイバーエージェントのAI開発の取り組みと今後の展望
サイバーエージェントは、これまで日本語に特化したAIモデルの開発に力を注いできました。2023年には68億パラメーターの独自の日本語LLM「CyberAgentLM」と、70億バラメーター・32,000トークン対応の「CyberAgentLM2」を公開しました。特に、CyberAgentLM2-7B-Chatは日本語の文章として約50,000文字を一度に処理することができます。2024年6月には大規模視覚言語モデル（VLM）も発表しました。既存の公開されているVLMのほとんどは英語を中心に学習されている中で、サイバーエージェントが公開したVLMは日本語LLMで合成されたデータセットを学習しており、日本語に強いモデルとなります。サイバーエージェントは今後もLLMの開発と商用利用を進めるとともに、モデルの公開や産学連携を通じて、国内の自然言語処理技術の発展に貢献することを目指す方針のようです。
サイバーエージェントのように、大手企業が商標利用可能なLLMを公開することにより、日本でも新たなLLMが生まれるきっかけにつながると思われます。日本語特化のLLMが増えることにより、日本の生成AI活用率が高まることに期待していきたいところです！
CyberAgentLM3の使い方
では実際にCyberAgentLM3を使用する場合の使い方について説明していきます。
使用する際は以下のリンクからログインすると、Huggingfaceからデモ盤を使用することができます。
デモ盤URL
ログインすると、以下の画面が現れますので、「Type a Message」と書かれた部分にプロンプトを入力してください。
今回入力するプロンプトは、「サイバーエージェントの経歴について教えて」です。プロンプトは日本語で大丈夫です！こちらを入力して生成された文章は以下になります。
生成速度自体はGPTやClaudeと比較すると早いとは言えませんが、サイバーエージェントの経歴が日本語でまとまった文章を生成することができました。日本語での生成能力はかなり高いように感じます。無料で利用することができるので、試す価値はあるかと思います！
まとめ
いかがだったでしょうか？
本日はサイバーエージェントが新たに発表した「CyberAgentLM3」について説明してきましたが、日本語に特化していて、無料で使えるという点においてはELYZAの「Llama-3-ELYZA-JP」に近い性能であると感じました。ここ数ヶ月で日本語特化のLMが多く開発されてきているのは、それだけ生成AIが日本でも身近になっている表れかと思われます。今後もどんなLMが開発されるのか楽しみですね！
ELYZAの「Llama-3-ELYZA-JP」について気になる方はぜひこちらもご覧ください：
日本語生成能力でトップクラス！ELYZAの「Llama-3-ELYZA-JP」の性能はいかに
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