兼業クリエイターのメリットとは?
パラレルキャリアでリスクを回避!

好きなことで生きていく。自分らしい生き方が尊重されて、幸せの多様性を重視する声を聞くようになりました。同時に私たちの生活を支える働き方にも多様性が求められています。

副業・兼業、週3勤務の会社員など、本業以外の仕事を行う働き方も生まれています。今後は一生ひとつの職業を全うする働き方から、少しずつ変わっていくでしょう。

創作活動を行うクリエイターにとって、多様化した働き方が生まれている現状は追い風といえます。兼業の仕事をすれば、クリエイターが生活費を創作活動で賄えず、挫折してしまうことを防げるからです。

本記事では兼業クリエイターの概要や本業のリスクを回避できるメリットを解説します。パラレルキャリアを描き、理想的な働き方の実現に向けて動いていきましょう。

クリエイターにおける兼業とは

兼業とは本業と他の仕事を兼ねて、両方に軸を置いて仕事をする働き方。主軸とする本業に補助する形で他の仕事を行う副業との違いは、労力の差です。副業は本業の以外の仕事はサブとして労力の比重を低く扱いますが、兼業はどの仕事も主軸として扱います。

同時にキャリアを積み上げていける兼業は、経済的にも能力的にもお互いを支え合いながら仕事ができるのです。特にクリエイターにおける兼業は、安定力の強化に繋がります。

クリエイターはバランスの難しいキャリアです。クリエイターには、創作活動で生み出した作品をお金に変える方法、創作の過程で身に付けた能力を活かしてクライアントから仕事を受注する方法などがあります。しかし創作活動だけで食べていけないと悩み、挫折していったクリエイターは多いでしょう。

創作活動に楽しみを覚えてクリエイターとして働いていても、クリエイターの収入一本で生きていくにはあらゆる努力と運も必要です。一方で兼業のクリエイターならば、他の仕事が食い扶持の確保に繋がり、得た知識や体験を通して創作活動のアイデアのタネになることもあります。

クリエイターだけを突き詰める選択もありますが、これからの時代は兼業のクリエイターも生き延びやすくなるでしょう。

兼業クリエイターの掛け合わせはリスクを回避する

兼業は、それぞれの仕事で最低限の生活費を確保しながら、能力を高め合うクリエイターのリスクを回避できる選択です。クリエイターは頭と体力(健康と資金)を使う体力勝負の世界。専業クリエイターでは乗り切れなかった体力勝負の世界でも、兼業ならば自分が求めるクリエイターのスタイルで続けていけるかもしれません。

現代は「VUCA(ブーカ)」の時代といわれます。VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取って作られた言葉。つまりは「予測できない経済」のことを指します。

VUCAの時代では単線的なキャリアはリスクです。なぜなら、本業がVUCAによって上手くいかなくなる恐れがあるから。

例えば専業クリエイターとして磨いてきた技術が、他の技術の進化により必要とされなくなるかもしれません。もちろん技術以外で身に付けた知識や経験は他に応用できますが、兼業と比べてクリエイターを続けていくためのリスクは大きいでしょう。技術が廃れていっても、兼業の仕事で食べていきながら本当に好きなこととして、その技術を磨き続ける選択肢もあります。

IT技術の進化や市場の変化を予測することは難しいです。

急激に進んできた働き方の多様性はさらに広がり、リモートワークができるような設備やツールが流行したことで、場所を問わずに働くことができる可能性が高まりました。

これは、今まで時間や場所の制約で仕事ができなかった人にもチャンスが生まれたと言えるかもしれません。終身雇用制度の崩壊も後押しとなったことでしょう。複数の専門性を育てていく兼業ならば、VUCAの時代でも生き抜ける可能性が広がるのです。

兼業クリエイターのメリット

VUCAを乗り越えるための兼業クリエイターという選択肢。具体的なメリットを見ていきましょう。

■対応力が上がる

クリエイターと他の分野の仕事を兼業すると、あらゆる事態に対処する能力が上がります。似ている分野でも全く異なる分野でも、技術的に対処できる幅も広がって、アイデアの創出もしやすくなります。

クリエイターの分野と近しい仕事の場合は、お互いの能力の掛け合わせができます。例えばWebエンジニアとWebディレクター。案件を取りまとめて全体像を把握できるWebディレクターをしていれば、Webエンジニアとして制作する成果物にクライアントの求める要件をより正確に取り込めるでしょう。技術のプロとしてクオリティの高い提案もできます。

そしてクリエイターの分野と異なる仕事の場合は、既存の固定化された概念を変えるアイデアを実行できる可能性が高まります。例えばフォトグラファーとカフェのバリスタ。バリスタとして磨いた接客やドリンクへのこだわりは、フォトグラファーとして撮影する際に、人をリラックスさせて、食べ物や飲み物を美味しく見せる角度の発見に役立ちます。またカフェで出会った人からアイデアを得たり、カフェ関連の撮影仕事に繋がったりするかもしれません。

クリエイターの兼業による掛け合わせは、双方の仕事の対応力を上げる可能性があるのです。

■仕事の窓口が広がる

複数の仕事をしていると、それぞれの仕事で出会う人が変わって、一緒に仕事ができる人が増えていきます。自分の中でできることが複数あるため、仕事を頼まれる確率も上がります。

例えばWebデザイナーとして技術的な自信に欠けていても、Webデザイナーが全くいない環境ならば、その環境でWebデザインが必要になったときに仕事に繋がりやすくなるでしょう。

また兼業クリエイターで嬉しいことは、クライアントが複数の分野の仕事を依頼してくれるとき。例えばフォトグラファーとグラフィックデザイナーを兼業していた場合、最初クライアントにフォトグラファーとして仕事をお願いされ、成果物を気に入ったクライアントが別の機会にグラフィックデザインの仕事を依頼してくれるかもしれません。またはグラフィックデザインを必要とする別の企業を紹介してくれるかもしれません。

同じクライアントからスライドして別の分野の仕事に繋がる可能性があるのです。

丁寧な自己紹介はクリエイターが兼業するために必須

兼業クリエイターが仕事を得るにはオフラインとオンラインを問わず、相手に向けて自分を丁寧に紹介しなければなりません。複数の分野で高いスキルを持っていても、それらを説明できなければクライアントにとっても何ができる人なのかわからず、仕事を頼むに頼めないからです。

主軸とする仕事が2つあるならば、仕事が増える可能性は単純に考えると2倍ですが、中途半端な紹介の仕方ではどちらの仕事も取れなくなります。まずは明確にできることを自分の言葉や文章で示すことです。

またクリエイターの作品集であるポートフォリオの作成も効果的。特にポートフォリオのWebサイト版を作ると、URLを共有するだけでクライアント候補に見てもらいやすくなります。オンライン経由で仕事の受注に繋がる可能性も高まるでしょう。

いずれもまずは今までのキャリアの棚卸しを行い、できることや実績、今後やってみたい仕事を書き出してみましょう。頭の中で考えているだけでは、いざクライアント候補に目の前に立つと、全く伝わらない場合があります。

複数の仕事を掛け合わせることはクリエイターにとって、良い影響をお互いに与えますが、他者からすると丁寧に紐解いていかないと、結局よくわからないから一緒に仕事ができないという存在になってしまいます。自己紹介は兼業クリエイターにとっては非常に重要なのです。

クリエイターは兼業して能力を掛け合わせよう

兼業クリエイターはVUCAの時代に適した働き方です。クリエイターが技術を身に付けたきっかけは、純粋に作りたい気持ちであったはず。キャリアのために別の知識身に付けたとしても、長く続けているならば少なからず創作が好きな気持ちはあるでしょう。

クリエイターにとって最も苦しいことは食べていけないために、泣く泣く創作活動を辞めてしまうことです。兼業クリエイターは仕事を掛け合わることで、技術や経験の相乗効果や仕事の窓口が広がります。そうすると仕事が増えて、結果的に食べていくことに繋がるのです。クリエイターは兼業もひとつの選択肢として、考えてみましょう。

ライター
蓮池ヒロ
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