週3勤務で会社員とフリーランスを両立!
広がる柔軟な働き方と可能性

複数の仕事を同時平行していく「パラレルワーカー」への関心が高まっています。

内閣府によると、日本のフリーランス相当の働き方をしている人口は推計で最大341万人。全就業者に占める割合は5%程度ですが、雇用と経営を両立させたり、同時に2社と雇用契約を結んだり、日本人の働き方は変化してきています。

正社員や派遣社員などを「週3勤務」で行う働き方も生まれています。週3日は会社に勤務して、残りの日はフリーランスとして個人で仕事を進める働き方です。「良いとこ取り」の働き方に思えますが、実際にはメリットとデメリットの他に、向いている素質を備えているのかの問題もあります。

本記事では、週3勤務の会社員と、それ以外の時間をフリーランスとして活動する働き方のメリットやデメリットをご紹介。企業に所属する会社員か専業フリーランスの2択ではなく、新たな働き方の選択肢も考えてみましょう。


週3勤務の会社員とフリーランスの働き方とは

週3日は雇用契約を結んだ企業に勤務して、残りの週4日は個人事業主のフリーランスとして、個人の仕事をする働き方。通常の週5勤務でスキマ時間や休日に個人で仕事をする「副業」スタイルよりも、個人での仕事に時間を割けます。副業よりも自由度が高く、フリーランス寄りの思考で働くことになります。

最近では「週休3日制」を採用する企業もあります。平日は企業に勤めて、土日は休むという既存の働き方の常識は既になくなりつつあるのです。育児や家庭の事情で週5勤務の働き方を選べない人にとっては救いの手になります。

週3日は企業でキッチリ働き、残りは休日を入れながら自分のペースでフリーランスの仕事を進めていく。自分次第で仕事を進められる代わりに、生活するために自分で仕事を取っていかなければならないフリーランス。個人の仕事は振れ幅も多く、生活していくために自由度が低くなるケースもあります。そのリスクを抑えて、経済的にも保証的にもある程度企業に守られる働き方なのです。


週3勤務の働き方のメリット・デメリット

週3勤務は魅力的なメリットのある働き方ですが、当然デメリットの部分も持ちます。多様な働き方に追い風が吹いている現在ですが、大切なキャリアに関わる部分ですから、冷静な判断が重要です。

週3勤務の働き方のメリットとデメリットを見ていきましょう。

■週3勤務のメリット

週5勤務と比べて、個人(フリーランス)の時間が増えることは大きなメリットです。週3日の勤務日以外なら、好きな日を休日に設定できて、毎週同じ曜日である必要もありません。休日を設定せずに、フリーランスの仕事時間に充てることもできます。

時間を自由にコントロールしやすいことは、働き方の満足度に繋がります。家族との時間を確保したり、急な予定にも対応できたり、週5勤務では時間の確保が難しいことに取り組みやすくなるのです。

週3勤務は週5勤務よりも少ない日数で仕事を終わらせる必要があるため、生産性が向上します。コミットする業務内容は企業によって変わりますが、1週間で終わらなかった仕事は日数が空いて翌週へ持ち越しとなってしまうため、自然と仕事を効率化することになるでしょう。

また専業フリーランスでは、全ての時間を自ら管理しなくてはいけません。注意してくれる相手はいないため、タスク管理やスケジューリングが甘いとサボってしまう可能性もあります。その点は、週3勤務ならば企業の仕事と個人の仕事のメリハリが付き、集中力も上がります

企業と個人の仕事、互いに良い影響を与えやすいところが週3勤務のメリットなのです。企業の時間以外で得た知識や経験は流用して使えます。

■週3勤務のデメリット

当然ですが、週5勤務よりも給料が下がります。その分、集中して仕事を終わらせなければ、残業や本来の勤務日以外に仕事をして、週3日以上仕事をしてしまう可能性があります。フリーランスの時間がなくなり、全体の収入が下がって、結局勤務時間は変わっていない事態もあり得るのです。

企業からの給与が減る分、フリーランスで収入を伸ばせる週3勤務とフリーランス業の両立ですが、減った分の給与を挽回するだけの金額を稼げなくては、プライベートに使えるお金は少なくなります。収入以外の目的がある場合は気にしなくて良いかもしれませんが、全体的な収入が減って時間もなくなる可能性は最大のデメリットです。

また最低限の生活費を週3勤務で稼げていないと、フリーランスの事業が上手くいっていない場合、赤字やギリギリの生活になってしまいます。勤務日以外の時間を最大限確保しなければ、お互いのメリットは享受できません。専業フリーランスよりも、調整能力やタスク管理が必要な働き方です。

週3勤務は働き方への理解やコミュニケーションロスへの対策は必須でしょう。仕事で関わる相手に丁寧に伝えなくては、亀裂が生まれるかもしれません。特に勤務日以外の連絡の扱いを決めておかなければ、給料の発生しない作業がフリーランスの日に発生して、個人の時間が減る可能性もあります。

多様な働き方が生まれているとはいえ、週3勤務の職場を探すことも、現状の職場に週3勤務の提案をすることも、ある程度の労力が要ります。週3勤務で受けるデメリットを考えながら、適した働き方か考えてみましょう。

■週3勤務の働き方に求められる2つの条件

週3勤務の働き方をするには、週3勤務の人材を求める企業に入るか、勤めている企業に雇用形態の変更を交渉する必要があります。

それでは週3勤務に求められる条件を見ていきましょう。

■高レベルのスキル

企業が他の従業員よりも勤務日を減らして雇うからには、企業側にもメリットを提示しなくてはなりません。わかりやすい指標としては、高レベルのスキルです。週3勤務でも企業に貢献できるだけのスキルがあれば、企業からも選ばれやすくなります。

正社員以外の契約などでは、必ずしも高レベルのスキルが求められるわけではありません。しかし、企業が求める一定のスキルを持っている場合は、企業と働き方を交渉しやすくなります。

■自己管理と調整能力

週3勤務は自己管理ができなければ実現できません。今まで週5勤務だけ経験してきた場合は、特に週の途中に勤務日がなくなる状態の切り替えに苦労するでしょう。

企業の仕事はある程度管理されますが、フリーランスの仕事は誰も管理してくれません。さらにプライベートの時間も入ってきます。バランスを整える生活リズムを意識的に形成しなければ、いずれかの時間が崩壊してしまいます。週3勤務の働き方に支障が出てしまうと、週3勤務を取り消されてしまうかもしれません。

企業とフリーランスの仕事を両立させるための調整も必要です。お互いを調整して時間を生み出せると、フリーランスで自由度の高い仕事によりコミットしやすくなります。例えば週3勤務で経済的に生活の基盤を安定させながら、フリーランスでやりたい仕事を進めてスキルを高められるでしょう。そして高めたスキルを企業の仕事で活用すると、お互いに高め合うことができます。

週3勤務とフリーランスは、専業フリーランス以上に自己管理と調整が求められます。

お互いの時間を管理できれば理想的な働き方になり得ますが、一方で自己管理や調整を怠ると苦労する働き方になるでしょう。


週3勤務の働き方は自分に合っているのか検討しよう

現状は課題の残る週3勤務とフリーランスの働き方ですが、個人のキャリアや生き方の幅を広げる可能性があるスタイルです。調整力や複数の仕事を同時並行できるバランス感覚に優れている方に最適な働き方でしょう。

まずは自分の理想的な働き方について理解を深めて、最適な働き方の実現に向けて少しずつ動いていきましょう。

ライター
蓮池ヒロ
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